日本はものすごく「便利な」国だと思います。こんにちは。めいげつです。

国のイメージを決める要因って、色々ありますよね。地理的要因とか、気候とか、人々の性格、有名な観光地とか。あとは単なる偏見だったり。アメリカやフランスなどのメジャーな国ならともかく、小さい国だと具体的イメージはないかもしれません。

では、フィンランドとはどんな国なのでしょうか。交換留学生としてヘルシンキに在住していた僕が考えてみました。住んでいたのは首都ヘルシンキだけなのでどうしてもヘルシンキ中心の話になりますが、フィンランドの他の地域に旅行または留学する方にも参考になるかと思います。どうぞお付き合いください。

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そもそもフィンランドってどこ?基本的なこと

北欧の地図
Pexels / Pixabay

正式名称はフィンランド共和国。現地語では、Suomen Tasavalta(スオメン・タサヴァルタ、フィンランド語)やRepubliken Finland(レプブリーケン・フィンランド、スウェーデン語)と呼ばれます。単にスオミ(Suomi)と呼ばれますが、これはフィンランド語名です。

首都は最南部にあるヘルシンキ(Helsinki)。スウェーデン語名はヘルシングフォルス(Helsingfors)国家元首は大統領で、現職はサウリ・ニーニスト(Sauli Niinistö)氏。

この記事に来た人なら知ってると思いますが、フィンランドは北欧の国。つまりヨーロッパでも北にある国です(まさか東南アジアのフィリピンと混同したりしてないですよね……!)。「日本から一番近いヨーロッパ」と言われますが、日本との時差は7時間ほど。

フィンランドは、西にスウェーデン、北にノルウェー、東にロシアと国境を接しています。南にあるバルト海(のフィンランド湾)をまたぐと、バルト三国最北の国エストニアがあります。

面積は日本よりやや小さいくらいで、ヨーロッパの中では大きい国です。ですが人口は500万人強で日本の20分の一もありません

フィンランドはヨーロッパ連合(EU)およびシェンゲン協定に加盟しており、北欧の中では唯一のユーロ導入国です。少し前までにはマルッカ(markka)という独自の通貨を持っていました。

北欧の言語はどれも似通っていると言いますが、フィンランドだけは例外。フィンランド以外の北ヨーロッパの国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド)では「インド・ヨーロッパ系」の言語で、フィンランドとエストニアのみインド・ヨーロッパ系ではない「ウラル系」の言語を話しています(厳密には他にもありますがここでは省略)。

10年ほど前にPISAランキングでトップを獲ったり、2018年には国連の幸福度世界一になったり、ベーシックインカムを実験的に導入したり、はたまた奥さんを運んだり携帯電話を投げたりと何かと定期的ににぎわせてくれるフィンランド。実際に住んでみると、どんな国なのでしょうか。

僕はヘルシンキに交換留学生として滞在していたので、ヘルシンキ(と旅行した数都市)を中心にこの国に実際に住んで感じた印象(と意外と知られていない事実)をお届けします。

フィンランドって「きれいな」国

美しく飾られたヘルシンキの通り
クリスマスが近づくと町が美しく飾られます

フィンランドは、なんといっても「きれい」です。

人口が少ないうえに森が多いからでしょうか、フィンランドは空気がきれいな国フィンランドの空気の質は世界一を誇るというデータもあります。

WHOの推測では世界中で380万ものもの人々が大気汚染に関連する病気で死亡しているそうですが、フィンランドでは空気がとてもきれいなのでそのリスクが非常に低いということになります。

空気なきれいなフィンランドは水もきれいです。水道水の水は普通に飲むことができます。何なら水道水はペットボトルの水よりも綺麗なのだと言う人もいるくらいです(本当かどうかは知らんけど)。

僕も留学中はペットボトルに水道の水を入れて持ち歩いてました。水道水が飲めると、水筒の中身が無くなっても基本的にどこでも調達できるのでとても便利です。

水道水が飲めるので、空港のセキュリティで空のボトルを通過させた後に水道で補充する、といった芸当もできちゃいます。

そして街並みもきれい。ヘルシンキの中心部では、カール・ルドヴィグ・エンゲル(Carl Ludwig Engel)がデザインした19世紀のネオクラシック様式の建築が並ぶ石畳の街並みがみられます。ごみもあまり落ちていないので清潔。

特にクリスマスの時期なんかは、中心街にはイルミネーションが施され、それが街の雰囲気にぴったり合っていて最高に綺麗です。

あとは政治の透明性。フィンランドは他の北欧諸国と並び政治の透明性ランキング上位の常連国です。北欧諸国はこういうランキングではめっぽう強いですね。フィンランドは、色々な意味で「きれいな」国です。

……と散々フィンランドの綺麗さを宣伝しておきながら言うのもなんですが、街中では歩きタバコをしょっちゅう見かけるので注意してください。

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フィンランドって「寒い」国

フィンランド北部・サーリセルカ近郊のカウニスパーのレストラン
ラップランドのスノーリゾート、サーリセルカ(Saariselkä)近郊にて

フィンランドはヨーロッパの最北にある国の一つ。ヘルシンキは北緯60度もの北にあります。フィンランド最南端のハンコ(Hanko)という町ですら北緯59度。一方日本は北海道の稚内市で北緯45度なので、フィンランドがいかに北にあるのか分かると思います。

ヘルシンキ滞在中、位置情報をオンにしてGoogleマップを開くと、自分が思ったよりも北にいるのでビビります。

かなり北にあるので、国土のおよそ3分の1が北極圏に入ってしまっています。こういった地域ではオーロラも見られるので、冬季には北部の観光地でオーロラツアーが度々敢行されます。

フィンランドは北国なので言わずもがな、気温は非常に低くなります。夏のヘルシンキは気温が30度に到達する日もあるそうですが、たいがい20度台前半と言った感じ。湿気が少なく、基本的には夏でも涼しいです。

一方、特に北部や内陸部では、冬には気温がマイナス30度まで下がることもあります。北部のラップランドではマイナス40度を下回ることもあります。

僕の個人的な体験でいうと、気温が低いだけならまだ良いのですが、風が強いと寒さよりも痛みで苦しむことになります(外に出て20秒で顔が真っ赤になりヒリヒリするくらい)。冬のフィンランドを旅行する際は、防寒と防風は十分にしてくださいね。

それにフィンランドで厄介なのが、北国ゆえに冬が長いこと。日本と同じく四季のあるフィンランドですが、冬以外の季節はそうそう長く続いてくれません。

早くて10月末から雪が降り積もり始めます。これがフィンランドの冬の始まり。そこから暗く寒い冬が続き、遅いと5月に雪が降り積もることもあるのです(国内でも最南部に位置するヘルシンキでの話です)。

冬の間は低い気温や雪もさることながら、日照時間が極端に短いので注意が必要です。朝の8~9時頃に日が昇り、16時を過ぎればもう夜です。冬に敢行で訪れる方は、かなり行動時間が制限されますのでご注意を。

暗くて寒さの厳しいフィンランドの冬にうんざりしそうになったら、その辺にあるサウナでも入ってリラックスしましょう(フィンランドの国民一人当たりのサウナの数は世界一)! そこからその辺にある湖や海で泳いだらさらにエキサイティングです!

フィンランドって「のどかな」国

ポルヴォーの風景
ヘルシンキからバスで1時間の古都ポルヴォー

フィンランドの人口はおよそ550万で日本の20分の1以下。ですが面積はヨーロッパの中でも大きく、約34万平方キロメートルで日本よりもわずかに小さいくらい。1平方キロメートル当たり16人しかいない計算になります。日本の人口密度の21分の1です。

なので、フィンランドで一番人口の多いヘルシンキでさえ人が少ないです。ヘルシンキのメトロが東京の通勤ラッシュ時の電車並みに混むことなんて、一度もなかったかと思います。ヘルシンキのメトロは一本しいあないわりにいつも空いているので、たいてい席に座れます。

ヘルシンキが東京並みに混雑するのはクレイジーデイズ(Hullut Päivät/Galna Dagar)と呼ばれるのセールの日のストックマンデパートくらいのものです(それでもデパートの中のみですが!)。あの時は人が多すぎて10分経つか経たないかくらいで退散しました。それでもおしゃれなマフラーという戦利品を獲得できました。

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フィンランドって実は「新しい」国

フィンランド独立100周年記念の旗
1917年にロシアから独立したフィンランド共和国は、2017年に建国100周年を迎えた

フィンランドは、2017年に独立100周年を迎えました。

そう、「フィンランド」という「国」ができたのは第一次世界大戦直後の1917年12月のことなのです。それ以前はロシア帝国の中の自治領、さらにその前はスウェーデンの一部でした。なので、国としてのフィンランドの歴史は100年ちょっとということになります。北欧ではアイスランドの次に新しい独立国家です。

ちなみに、第二次世界大戦(冬戦争・継続戦争)終戦までのフィンランドってもう少し大きかったんですよ。

それこそ、北部では北極海へ陸路でのアクセスも持っていたし、南部ではサンクトペテルブルクに近いラドガ湖の半分くらいまでがフィンランドの国土でした。

ヴィープリ(Viipuri、現在はロシアのヴィボルグ)っていう当時フィンランドでもかなり大きかった都市も含むエリアです。まあ、今ではどっちもソ連にとられちゃいましたがね。現在はロシア領です。

そして、平成が終わる今年2019年には、日本とフィンランドの国交樹立から100周年を迎えます。【日芬国交100周年】日本とフィンランドの交流が垣間見られる8つの事実という記事で、過去400年の間に起こった日本とフィンランドの交流をまとめたので、そちらもどうぞ。

フィンランドって「バイリンガルな」国

フィンランド語とスウェーデン語が書かれた道路標示の写真
上がフィンランド語、下がスウェーデン語。VirveK / Pixabay

「フィンランドの公用語って何? フィンランド語?」という質問をよく受けます。もちろんフィンランド語はフィンランドの公用語です。しかしそれだけでは、フィンランドの言語事情を正確に言い表せていません。

フィンランドの公用語は、フィンランド語とスウェーデン語の2つ。スウェーデン語が今でも公用語になっているのは、フィンランドが19世紀始めまでスウェーデンの一部だった名残。

今でも、スウェーデン語が母語のフィンランド人(南東部の沿岸地域に多い。「スウェーデン人」ではないので注意!)は一定数いらっしゃいます。僕の友達にも数名いるくらいです。

よく「スウェーデン系フィンランド人」という表記をみかけますが、正直この表記が正しいとは思えません。スウェーデン語が母語でも、彼らはフィンランド人なんです。なので当ブログでは、特別に言及しなければならない場合に限り「スウェーデン語系フィンランド人」とうい言い方をしています。

フィンランドはフィンランド語話者とスウェーデン語話者が同等の権利を持っていることが憲法で保障されている正真正銘のバイリンガル国家なので、それが色々なところで見られます。

たとえば地名。ラップランドより南の地名のほとんどが、フィンランド語名とスウェーデン語名があります。ヘルシンキはスウェーデン語で「ヘルシングフォルス(Helsingfors)」だし、トゥルクはオーボ(Åbo)というスウェーデン語の名前があります

フレドリク通り(フ:Fredrikinkatu、ス:Fredriksgatan)やヘルシンキ・メトロのシーリティエ駅(フ:Siilitie、ス:Igelkottsvägen)などの小さな地名にもちゃっかり両言語での名前があります。

間違ってはいけないのが、フィンランド語名とスウェーデン語名のどちらも正式名称であることです。国の名前を冠しているからってフィンランド語名だけが公式ではないのでお間違えないように。

日本でも近年日英中韓などの複数言語表記がよく見られるようになりましたが、地名レベルでバイリンガリズムが浸透しているのは珍しいことではないでしょうか。

まあ、中欧など現地語&ドイツ語&ハンガリー語名があったりと、また違った事情もつ地域もありますが。

ラップランド北部に行くと、今度はスウェーデン語の表記はなく、フィンランド語とサーミ語のバイリンガル表記がなされている場所もあります(サーミ語にもいくつか種類があるので常に「バイ」リンガルとは限りませんが)。ラップランドに行った際は気にして見てみると面白いですよ。

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フィンランドって「おしゃれな」国?

フィンランドは北欧の国。北欧といえば北欧デザイン! という方も多いのではないでしょうか。

欧デザインの国と言えば世界最大の家具メーカーIKEAを擁するスウェーデンが筆頭ですが、もちろんフィンランドも負けてはいません。フィンランドにも非常に優れたおしゃれなブランドがたくさんあります。

たとえば、テキスタイルブランド・マリメッコ(Marimekko)やグラスや食器類のメーカー・イッタラ(Iittala、より正確にはイーッタラ)。この2つは日本にもお店があるのでなじみのある人も多いかもしれません。ちなみにムーミンのマグカップで有名なアラビア(Arabia)はイッタラ傘下のブランドです。

そして現代建築に詳しい人ならおそらくご存知の、アルヴァ・アールト。彼の手掛けた家具を扱っているのがアルテク(Artek)。滑らかな曲線を描いた木材を使ったイスなんかは有名ですね。

それ以外にも、陶磁器ブランド・ペンティク(PENTIK)、テキスタイルブランドのヨハンナ・グリクセン(Johanna Gullichsen)ラプアン・カンクリ(Lapuan Kankurit)など、まだまだ隠れたブランドはたくさんあります。

ヘルシンキのデザイン地区(Design District)には小さなお店が軒を連ねているので、お好みのブランドがきっと見つかるはず!

ペンティクについては、僕のおすすめのテーマを紹介した記事を書いてます。よろしければそちらもご覧ください。

……とフィンランドの有名ブランドを色々と挙げてみましたが、フィンランド人がみんなおしゃれかというと正直そうでもないです。服装だけ見れば結構地味な服を着ている人も多いし、外でもスウェットみたいなのを履いている人もいるし。マリメッコの洋服を町で見かけたのはほんの数回程度でした。

が、現代建築やインテリアなどのデザインはさすがと言っていいでしょう。ヘルシンキ大学図書館や、ヘルシンキ現代美術館(キアスマ)などはシンプルかつ洗練されたデザインでめっちゃ格好いいです。さすが、かのアルヴァ・アールトを生んだ国ですね。

ヘルシンキ大学図書館の内部
これがヘルシンキ大学の図書館だ。かっこいい。

フィンランドは「青い目がごろごろいる」国

フィンランドには本当に青い目の人がたくさんいます。僕がヘルシンキに到着したときの印象がまさにこれ。

フィンランドは北欧の国。北欧と言えばもっぱら金髪碧眼で背の高い(全員ではないですが)ゲルマン系民族というイメージではないでしょうか。

フィン人は言語的には全くゲルマン系ではないのですが(フィンランド語は「ウラル系」)、やはり地理的な理由で見た目も非常に似ています。しかもお隣スウェーデンに比べて移民が少ないので人種もかなり均一だったりします。

僕がヘルシンキに到着した当日、初めてのヨーロッパということもあって、青い目をした人の多さに驚愕しました。これが北欧かと思いましたね。

前にアメリカで青い目の人が減っているという話を何となく聞いたことがあったのですが、それはフィンランドでは全く問題になっていないように思えましたね。さすが北ヨーロッパの国です。

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フィンランドって「自然が近い」国

ヌークシオ国立公園の池
ヌークシオ国立公園の池。フィルターかかってるように見えるけど実はノンフィルター

フィンランドと言えば森と湖の国。国中には大小あわせて18万を超える数の湖があり、面積の森が占める割合はソースにもよりますが、フィンランド森林協会のサイトによれば驚異の86%こちらのランキングでも、堂々とトップに躍り出ています(このランキングでは72%になっていますが)。

フィンランドは、ヨーロッパで最も森に覆われた国家なのです。

首都のヘルシンキには、全て自然が作り出したものではないでしょうが、中心地だけでも37の公園があります。

またヘルシンキの中心街から1時間ほどで行けるヌークシオ国立公園(Nuuksion kansallispuisto)やシポーンコルピ国立公園(Sipoonkorven kansallispuisto)などの名所では、手つかずの壮大な自然に触れることができます。

北部のラップランドや海岸の地域ではまた違った容貌をもつ国立公園もあります。こうした自然の名所を回るのもフィンランド旅行の魅力の一つです。大自然を観光するのに個人的におすすめの季節は夏ですが、冬の分厚い雪に覆われた国立公園も良いですよ。

僕はヘルシンキの東のメリ=ラスティラ(Meri-Rastila/Havsrastböle)という地区に住んでいたのですが、家のすぐ裏にも森がありました。暇なときにたまに散歩をしたものです。

それに自然との物理的な距離だけでなく、精神的な距離も近いように感じられます。

ヘルシンキの公園では授業終わりの大学生がゆっくりしていたり、ヴァップ(Vappu、メーデー)にも公園に繰り出したりと学生にとっての身近なイベントでもそう。

それに、フィンランド人は森の中にサマーコテージ(kesämökki)を持っている人が多いのです。バカンスの時期には家族でサマーコテージに行き、自然のど真ん中でサウナに入る&湖で泳いだりします。森と湖の国の民らしく、フィンランド人のメンタリティに自然は欠かせないようです。

以上、個人的に思うフィンランドって「どんな」国かをまとめてみました。また思いついたら追加していきます!

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