僕はウズベキスタンを一週間ほど一人旅したのですが、首都タシケントの空港の免税店であるものを見つけまして。それがどうもずっと気になっています。

どうしても気になって少し吐き出したくもあるので、ここでタシケント空港で見つけたものについて考えたことを書いていきます。

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タシケントの空港で見つけたもの

サマルカンドのグリ・アミール廟の中庭

時は2018年9月。僕がウズベキスタンを一週間ほどの旅程で一人旅をしていて、その度も終わろうとしていた時のこと。

そのウズベキスタン一人旅は、

  • 飛行機で首都タシケント入り(だいたいみんなこのルートでウズベキスタン入りするはず)
  • サマルカンド、ブハラといった観光地を巡り
  • タシケントに戻って飛行機で出国する

という流れでした。

前から憧れ続けていた都市サマルカンドと、時が泊まったようなエキゾチックなオアシス都市ブハラでの観光を終えてタシケントに戻り、そのタシケント滞在も終わろうとしていたところです。

タシケント空港の写真
タシケント空港

タシケントの空港に行き、チェックインとか荷物検査等々を終わらせ、発着ロビーに出て、免税店をうろついていた時でした。

その免税店で、思わぬものをみつけました。それが、

タシケント空港で売られていたヴァナタリン
タシケント空港で売られていたヴァナタリンとバルザムス

これ。なんとまあ珍しいものが売ってたものです。

一枚目はヴァナタリン(Vana Tallinn)というお酒で、二枚目はバルザムス(Balzams)とか、リガ・ブラック・バルザム(Riga Black Balsam)と呼ばれるお酒。

この2つのお酒、みなさんご存知ですか? たぶんよほどのお酒好きか、バルト三国に行ったことがないと知らないと思う。

まずヴァナタリンというのは、ヨーロッパのバルト三国最北の国・エストニアのリキュール。そう、エストニアですよ。

ジャマイカ産のラムをベースに、オレンジ油、シナモンやヴァニラなどのスパイスから作られた、アルコール40~50%のリキュール。

種々のハーブが奏でる複雑なフレーバーと下にまとわりつくような甘さが特徴の、大人な感じの飲み物です。僕は正直あまり好きではありません。

そしてバルザムスというのは、バルト三国でエストニアの南にある国・ラトビアの伝統的なリキュールです。エストニアときて今度はラトビアです。

ビルベリーやラズベリー、ショウガ、ナツメグなど、24種類の材料から作られているのだそう。

ハーブ等ボタニカルな材料を含んだお酒らしく、まるで薬のような味がします。それこそ中世に使われていそうな。こちらも僕はあまり好きではないんですが。

旧ソ連構成国どうしのつながり?

……そう。遠いバルト三国の、おそらくそこまでポピュラーではないリキュールが、中央アジア・ウズベキスタンの空港の免税店で売っていたんですよ。

もう珍しくて、思わず写真を撮ってしまったくらい。

しかし、エストニアとラトビアという、遠い遠い東ヨーロッパ(分類によっては北ヨーロッパ)の国と、中央アジアの国ウズベキスタンを結び付けるものは何でしょう? 興味が湧いてきました。

エストニアとラトビア(というかバルト三国一般)とウズベキスタンの共通点と言えば、旧ソ連を構成する社会主義共和国だったということ。

確かに、かつて同じ東側陣営に属していたともなれば、その国同士のつながりが今も保たれているというのはあり得る話。

だけど、ぶっちゃけ旧ソ連の抑圧的な状況を考えると「うーん……?」という感じ。実際旧ソ連の国の中ではロシアと距離をとりたがっている国も多いし。

それなら、もしかしてエストニアとラトビアは、ウズベキスタンと政治的ではなく経済的につながりが強いのかも? と思って調べてみたものの……

輸出入の関係や、国別のウズベキスタンへのインバウンドの人数を見てみても、正直言ってエストニアとラトビアの存在感が強いわけでもありませんでした。

(まあラトビアからウズベキスタンへの輸入が1%くらいはあるみたいだけど)

しかもソ連から最初に独立したバルト三国は、ウズベキスタンがメンバーになっているNIS諸国に加えられていないし、独立国家共同体(CIS)に加わってもいません。

となると、「かつて旧ソ連下の社会主義共和国だった」ということ以外、バルトとウズベキスタンのつながりはあんまり感じられないような。うーん、全く分からん。

でもでも、ウズベキスタンの空港でエストニアとラトビアのお酒が売っていたのは事実なので、ひょっとしたら何か理由があるのかも知れません。

わりとウズベキスタンはロシアから距離を置きたそうな感じだし、バルト三国は思いっきりEU寄りなので(特にエストニアとラトビアはそう)、そういう政治的態度を象徴しているのかも……?

タシケント空港で売られていたフィンランディアウォッカ

そういえば、同じ免税店に北欧フィンランドのウォッカ・フィンランディアもありました。

これはフィンランドが西側ヨーロッパの中でも比較的ソ連に近い立場にあったことを表しているのか、それともフィンランディアが単にポピュラーなお酒なので置いてあるだけなのか(こっちの説のほうが濃厚)。

うーん、謎は深まるばかりです。

でもまあ、色々なところを旅していると、こういう発見があって面白いですね。

以上です。なんだかくだらないことを長々と書きました。これにて失敬。

ウズベキスタン旅行記は↓のページにまとめてありますので、よろしければどうぞー。