北欧フィンランドで話されている言語、フィンランド語。みなさんはこのフィンランド語という言語についてどれくらいご存知でしょうか。フィンランド語は非常にマイナーな言語なので、恐らく「そんな言語聞いたことない」という人がほとんどかもしれません。

でも中には「モイ=こんにちは」や、サウナがフィンランド語だということは知っているかもしれません。北欧雑貨に興味ある人は「スオミ」とか「ウニッコ」くらいの単語なら知っているのかな。

僕は今からちょうど3年前、大学1年生の夏にフィンランド語の勉強を始めました。理由はいたってシンプルで、面白そうだったから。それで大学の制度を利用してフィンランドへ交換留学までしました。

フィンランド語は悪魔の言語、つまりもの凄い難しい言語(最早世界で一番?)だという噂があります。確かに、フィンランド語は難しいです。一方で、日本人には簡単だというのもちょくちょく聞きます。

本当のところはどうなのか、どんなところが難しいのか、フィンランド語歴3年の僕が考えてみたいと思います。

言語の難しさはその人の母語や今まで勉強してきた言語などによって違うため一概には言えないので、今回は英語を勉強したことのある日本語母語話者を想定しようと思います。難しいかどうかの結論はここでは出しませんが、一つの参考にして頂ければと思います。

今回はフィンランド語の難しさを言語間の距離発音文法の観点で判断してみました。あくまでフィンランド語という言語そのものの特徴についての話なので、「勉強できる環境」や「教材の数」などのファクターは除外しています。

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Introduction – 言語の難しさランキング

世界には色々な本当に言語があります。「どの言語が難しくて、どの言語が簡単なのか」とか、「世界で一番難しい言語はどの言語か」という質問への答えが気になる人は案外多いかもしれません。

東南アジアのインドネシア語は「簡単な言語」としてよく登場します。共通点が多いのか、日本人にとっては韓国語が簡単だというのはよく聞く話ですね。

逆に難しい言語というのもよく出てきます。60以上のクリック音(所謂舌打ち)を使い分けるコイサン諸語、動詞に色々な要素をくっつけて1つの文を1単語で作り上げるアイヌ語エスキモー諸語、子音が80もあるウビフ語……などなど。

メジャー言語もマイナー言語も含め、この手の言語は枚挙に暇がありません。

そして、自分の母語の難しさは自分のアイデンティティだか誇りとかに繋がっているように思えます。人は自分の母語が一番難しい言語だと信じたくなるようです。

現に、「日本語は世界一難しい言語?」とか、「外国人が思う日本語の難しいところ○選」のような記事を時折見かけますし。

で、こういう類の記事によく出てくるのが、アメリカ外交官養成局(The Foreign Service Institute, FSI)が発表している(英語以外の)外国語の難易度ランキング(英語のサイトです)。英語ネイティブがある外国語を習得するのにかかる時間を、カテゴリーI~IVの4つに分けてランキング化したものです。

カテゴリーIの言語が習得にかかる時間が最も少なくて(600~750時間)済み、カテゴリーIVが最難関で最も時間がかかる(2200時間)言語のグループになります。

このランキングによると、フィンランド語が入っているのはカテゴリーIII、習得までに1100時間を要する言語のグループです。一番難しい言語のグループがカテゴリーIVなので、それよりも難易度が1段下がった形になります。

このカテゴリーには他にも、数百年前の文法を保持しているといわれるアイスランド語や、南インドで話されるタミル語、コーカサス地方で話される能格・絶対格言語ジョージア(グルジア)語が含まれています。フィンランド語はアメリカ人にとってかなり難しい言語のグループに入るようです。

(余談ですが、日本語はアラビア語、北京語、広東語、韓国語とともに最難関のカテゴリーIVです)。

ですがこのランキングは、あくまで英語ネイティブから見たものにすぎません。

言語の難しさと言うのはその人の母語や、学習したことのある外国語、さらには語学の才能によっても変わってきます。今回のテーマはフィンランド語が日本人(日本語のネイティブ)にとって難しい言語かどうかなので、日本語との比較した観点から見ていこうと思います。

……あ、「フィンランド語は世界一難しい言語」というのはここで否定しておきますね。「世界一」を決定づける証拠なんてどこにもないですので。

フィンランド語はどんな言語?言語間距離

フィンランドの国旗
OpenClipart-Vectors / Pixabay

それではフィンランド語とはどんな祖先をもつ言語なのか。これは言語間距離の問題に直接関わってきます。

まず前提として、ヨーロッパにある言語は少数の例外を除き全てが「インド・ヨーロッパ語族」というグループの言語です。皆さんよくご存じの英語やフランス語、ロシア語、ギリシャ語、スウェーデン語などがそうです。

対してフィンランド語はその少数の例外の一つで「ウラル語族」という言語グループに属しています。近いのはエストニア語やハンガリー語、そしてフィンランド北部の先住民サーミ人が話すサーミ語などなど。他にも西ロシアのヴェプス語やヴォート語、ロシア北部のネネツ語など色々。

つまり何が言いたいかというと、そもそもなじみの深いメジャーなヨーロッパ言語とは祖先が全く違うのです。

それがどういうことかというと、言語距離が遠くなります。インド・ヨーロッパ語との共通点が少なくなります。

それがさらにどういうことかというと、知らない単語の意味を推測するのが極めて難しくなります。今まで習った英語やフランス語等の知識が役に立たないということです(全く役に立たない訳でもないんですが)。

言語間の距離はなにも同じ語族の言語かどうかだけでは決まりません。グループの異なる言語どうしでも歴史的に交流があったり、共通の言語からの借用語(≒外来語)がたくさんあれば距離は縮まります。

ヨーロッパ言語ならラテン語由来の単語が多いし(勿論フィンランド語にも)、東アジアなら中国語からたくさんの言葉が入ってきています。最近では、英語の単語が世界中の色んな言語に入っていっていますね。

英語とフランス語の場合、単語の綴りが全く同じことだってあります。possibleとかcruelなど枚挙に暇がありません(「faux amis」と呼ばれる、綴りが同じ/似ていても意味が違うっていう罠もありますが)。これは英語とフランス語がそもそも同じ祖先を持つ上に、英語にフランス語の単語が大量に流入した歴史があるから(ノルマン・コンクエストは世界史を勉強した人にはお馴染みですね)。

では、フィンランド語の場合はどうでしょう?  ちょっと他のヨーロッパ言語と比べて比べてみます。

日本語電話機新しい空港サッカー伝統
英語telephonenewairportsoccer/footballtradition
フランス語téléphonenouveauaéroportfootballtradition
ドイツ語TelefonneuFlughafenFußballTradition/
Überlieferung
スウェーデン語telefonnyflygplatsfotboltradition
フィンランド語puhelinuusilentoasemajalkapalloperinne

(日本語も全然違うやんってつっこまないでね)

これだけ違うんです。おそらくフィンランド語について何の知識もなければ、表のフィンランド語の単語は意味が全く分からないでしょうね。

「空港」以外の単語はほかの4言語が非常に似通っている(というかほぼ同じ)のに対して、フィンランド語だけが全く違う形になっています(これは外来語をできるだけフィンランド語化したせいでもある)。

フィンランド語は他のメジャーなヨーロッパ言語とは共通点が少なく、ラテン語系の単語(外来語)もいくつかはあるものの、できるだけ外来語を取り入れないよう努力しているようです。なので、単語を覚えるのは容易ではありません

言語間距離については以上です。

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意外と簡単? フィンランド語の発音

何かを喋っている人の写真
RyanMcGuire / Pixabay

言語が難しくなる理由の一つ、発音

発音は完璧にする必要はありませんが(そもそも完璧な発音などないと思いますが)、言語の難しさを判断する上ではかなり大きなファクターになります。日本語にない音は発音しづらいし、発音が間違っているとちゃんと理解してもらえません。

それでフィンランド語の発音ですが、僕自身は非常にやさしいと思っています。フランス語、ロシア語、中国語の発音なんて難しすぎじゃないですか??

ていうか、僕は正直にいうと英語の発音さえ日本人には激ムズの部類だと思うんです。それに比べたらよっぽど簡単。

フィンランド語の発音の全体的な特徴としては、母音が多いです。例えば「Meidän pitää ottaa voileipiä mukaan ja mehua.」。

無理やりカタカナにすればメイダン・ピター・オッター・ヴォイレイピア・ムカーン・ヤ・メフア。これでも充分呪文みたいですが、ほぼローマ字読みなのが分かりますでしょうか(äはローマ字にない字ですが)。

これを英語にするとWe have to take sandwiches and some juice with usとなりますね。どうでしょう、フィンランド語の文には母音が多く、英語の文には子音が多いと感じませんか。

実際フィンランド語では、英語のstrengthとかtwelfthsみたいに子音の連続がかなり少ないか、あっても非常に単純な場合が多いです。ただしpresidenttiやtreffitのような、比較的最近に英語やスウェーデン語などから来た外来語は例外。

単語の途中でも子音が3つ以上続くことはまれ(例外:myrsky、konkreettinenなど)ですし、単語の最後で子音が2つ以上続くのは聞いたことがありません。

なので、フィンランド語は子音が続きやすい英語やロシア語に比べてかなり発音の簡単な言語だと思います。カニ(kani)だのシカ(シカ)だのクルクルパ(kulkulupa)だの、ネット上でネタになるくらいに日本語のような響きを持つ単語もたくさんありますし。

ですが、もちろん注意すべき点もいくつかあります。

日本語にない子音

フィンランド語は日本語に比べて子音の数が少ないのですが、注意すべき子音がいくつかあります。

  • LとR……フィンランド語でもLとRを区別します。
    • Rは巻き舌。rと単独で登場した時は軽く舌先を震わす程度で大丈夫ですが、rrと2つ重なった場合は強め長めに発音しましょう。
    • 一方Lは、英語ができる方なら大丈夫でしょう。下の先端を歯茎の裏にくっつけて舌の両脇を押し付けるようにして発音します。
  • ng……not good ではなくnの次にgがきたやつです。これはちょっとコツがいるかも。
    • ngと綴られたときはgを「ガ」とはっきり発音せず、鼻に空気が通って柔らかい音になります。鼻濁音というものです。人によっては「カンガク」の「ンガ」をこの鼻濁音で発音しますよね。その要領です

それと、フィンランド語には日本語の促音、「小さい”つ”」に相当する音があります。長い子音です。seppäとかkattoとかkissaの-pp-とか-tt-とか-ss-といった二つ重なった子音がそうです。これは日本語にもあるので余裕です。

ただ、rやlの長い音(herra、pöllöなど)、長い母音+長い子音(päättää、saakkaなど)、子音+長い子音(kinkku、kelkkaなど)は日本語にはなかったり、もしくは非常に珍しい発音なので結構クセモノです。

日本語にない母音

日本語は母音がアイウエオの5つありますが、フィンランド語にはaeiouyäöの8個の母音あります。

  • a……舌の後ろのほうで発音する少し暗いア。アメリカ英語のallのaに近い。
  • u……唇を強く丸めながら、舌の後ろのほうで発音するくぐもったウ([u])。
  • y……唇をすぼめたままイを発音([y])。
  • ä……舌の前の方で発音するア。英語のcanのaに近い([æ])。
  • ö……唇をすぼめたままエを発音([ø])。

ちょっと難しいような気がしますが、先ほども述べたようにフィンランド語は母音が強いので一つ一つ発音できちゃえばなんてことはありません(何なら少し間違っていても大丈夫だし)。

あと母音にも長短の区別がありますが、これは日本人には慣れたものでしょう(「区」と「食う」など)。

フィンランド語のアクセント

これは超簡単。フィンランド語は常に単語の最初の音節にアクセント(正確にはストレスあるいは強勢と言います)が来ます。はい終わり。

Suomiならオミだし、karpaloならルパロ。sireeniはスィレーニ。先ほどの例文なら、イダン・ター・ッター・ヴォイレイピア・カーン・ヤ・フア。最初の母音を強く発音すればOK。

英語やロシア語、ギリシャ語みたいに単語や変化形によってアクセントの位置が変わったりなどはしません

疑問文をつくるときも普通の文と変わらないイントネーションでします。「あんた何やってんの?」みたいに文の終わりのほうで声を高くしたりしません。Mitä sinä teet? (タ・スィナ・ート⤵)

難しさの根源? フィンランド語の文法

辞書の「grammar」のページ
PDPics / Pixabay

フィンランド語の格変化

フィンランド語には悪名高い名詞と形容詞の格変化(かくへんか)というものがあります。

格変化とはラテン語やロシア語、ドイツ語にもある「名詞の形が変わること」です。ラテン語やロシア語なら12、ドイツ語なら8個。

フィンランド語の格変化ですが、数の多さが段違い。フィンランド語には、一つの単語に対して単数形が12、複数形が14の計26もの格変化があります。minä(私)やte(あなたたち)みたいな人称代名詞には単数13複数13でこれも26格。

主格、属格(≒所有格)などのおなじみのものから、「内格」「出格」「変格」「接格」など一風変わったものまで。

例えば「家」という単語ひとつとっても、「家は」「家の」「家で」「家から」「家に」……などの変化形が26あるというわけです。複数形もあわせてね。

……そう聞くと恐ろしく難しいイメージがありますが、実はそうでもありません。

フィンランド語は「膠着語(こうちゃくご)」というタイプの言語なのですが、これはざっくり言えば「単語の前や後ろに色々くっつけて意味を追加していく言語」。

なので基本的には「格変化語尾」というのを後ろにくっつけるだけでよかったりします。そう、日本語みたいな感じ。たとえば、

  • talo(家、単数形の主格)……talon(属格&対格)、talossa(内格)、talosta(出格)、taloksi(変格)、talolla(接格)、talot(複数形の主格&対格)
  • allas(単数形の)……altaan(属格&対格)、altaassa(内格)、altaasta(出格)、altaaksi(変格)、altaalla(接格)、altaat(複数形の主格&対格)
  • minä(私、単数形の主格)……minun(属格)、minussa(内格)、minusta(出格)、minuksi(変格)、minulla(接格)、minut(単数形の対格)

どうでしょう? -n-とか、ssa、-sta、-ksi、-llaっていうのが共通しているでしょう。格変化語尾自体はほぼ共通しているので覚えること自体は難しくありません。男性女性名詞などがなく一貫性があるので、ロシア語の格変化の方がよほどややこしいくらいです。

ただ、minä→minuとかallas→altaaみたいな語幹のちょっとした変化を覚えるのが少し大変ですかね。

そういった変化にも規則性があるので、ぶっちゃけ侃々諤々するほどの難しさじゃないというのが持論です。要はかなりロジカルで規則的。

そして動詞や前置詞/後置詞の中には、ある特定の格をとるものもあります。たとえば出格(~sta)を要求するpitää「~が好き」だったり、必ず分格の後ろに来るvarten「~のために」などなど。これも覚えてしまいさえすれば問題ありません。

目的格が3つ!?

……とここまで「格変化は実は簡単」という雰囲気をだしたところで、最後にピリッとした余談を。

実はフィンランド語には、人称名詞を除いて「対格(目的語)」という特別な格はありません

そのかわり、数えられる名詞の単数形なら属格と分格が、複数形なら主格と分格が、無人称文と呼ばれる文(命令文や「~しよう」の文)では単数形でも主格が目的語になったりします。

人称代名詞では語幹に-tを付けた形が対格(人称名詞にだけ対格があるんです)になります。たかが目的語でもややこしいですね。ここは気を付ける必要があります。

格変化については、規則性が高く覚えやすいけど、ちょっと厄介ですね。正直一口に難しいか否かを判断するのはかなり困難です。

フィンランド語の格変化について詳しくは、別に説明した記事をどうぞ。

冠詞

冠詞は日本人の外国語学習でネックになるポイントの一つ。

英語のaやtheや無冠詞の使い分けについて四苦八苦している人をよく見かけます。かくいう僕もまだ完全に理解しきってはいないのですが。

フィンランド語に冠詞は基本的にありませんが、それに相当する別のルールがあります。

それが語順。特定のものを指す単語は文の最初に置き、そうでない単語は文の最後に来る、というもの。

たとえば次のような場合。

  • Pöydällä on kissa.(机の上-いる-猫)「机の上には猫がいます」
  • Kissa on pöydällä.(猫-いる-机の上)「(ある特定の)猫が机の上にいます」

どちらの文もネコが机の上にいることを表してますね。ですが微妙にニュアンスが違います。

kissa「ネコ」に注目してみましょう。最初の文ではkissaは後ろに、次の文ではkissaは最初に来ています。

1番目の文(Pöydällä on kissa.)を言うのは主に、今まで猫の話はしておらず「猫」という新しい話題を会話に出すとき。つまり英語でいうa catです。

2番目の文(Kissa on pöydällä.)の場合は、それまでの会話でとある猫のことを話していて、その会話に出てきていた「その特定の猫」は実は机の上にいるよ、ということなんです。つまりthe cat。こんな風に語順がa/theの区別を表すこともあるのです。

……ですが、最近のフィンランド語会話ではse「それ」という単語をtheの要領で使うこともあるそう。上に挙げた文ならSe kissa on pöydällä.といった感じ。こっちの方が簡単なので、僕はこればっか使ってます。

このseを使う場合は、必要に応じでseを格変化させることも忘れずに。sen kissan、sille kissalle……みたいに。

名詞の性

英語にはありませんが、フランス語やドイツ語などを学ぶときに出てくる名詞の性別。男性名詞や女性名詞、ときには中性名詞。スワヒリ語には20以上あったり。

フィンランド語の名詞に性はありません。それどころか代名詞におけるheとsheの区別すらもありません。全て hän一語で片付けられます。口語ならseかtoiです。最初は戸惑いますがけっこう便利です。

文法性がないのは日本人にとってはありがたいことですね。

たくさんの数字のイラスト
geralt / Pixabay

今でこそ慣れましたが、僕も英語を勉強し始めた当初は複数形に苦戦しました。

フィンランド語にも単数形複数形の区別がありますが、英語よりももっと複雑でややこしいです。これがけっこう厳密で、目的語の語形にも関わってきます。以下の表にまとめてみました。

数えられる名詞数えられない名詞
単複単数形複数形
動作は完了する継続する完了する継続するどちらでも
肯定文属格/対格分格主格分格分格
否定文否定文の目的語はすべて分格。
無人称文※主格分格主格分格分格

※「無人称文」とは、命令文とか、「~しよう」の文など主語が明示されていない文のことです。

どうでしょう。目的語一つとってもこれだけのルールがあるのです。ややこしいですね。フィンランド語は、こと数に関しては英語以上に厄介なのです。

「属格」とか「分格」ってなんやねんという方は、格変化についてまとめた記事もあわせてご覧ください。↓

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「悪魔の言語」の救いになれるか。フィンランド語の規則性

フィンランド語の規則性はかなり高いです。ルールはたくさんありますが、そのルールを一度覚えてしまえばかなり楽なもの。

格変化語尾はどんな単語だって内格はいつも-ssaだし(例外:se「それ」)出格はいつも-staだし(例外:se「それ」)。

格変化語尾や所有語尾などなど、後ろにくっつけるものはいろいろありますがその、順番もしっかり決まってます。慣れるまでが大変ですが、慣れてしまえばこっちのもの。

動詞だって、1人称単数複数とか条件法とかややこしいですが、語尾は基本的に決まっているのです。

1人称単数なら-n、2人称単数なら-t、条件法なら-isi-……って感じ。これに関しては基本的に例外はないので、基本的には覚えてしまえばラクなんですよ。

他にも、文字と発音と綴りの関係も至ってシンプル。英語やデンマーク語など綴りと発音が必ずしも一致しない言語とは違い、一文字=一音にほぼ対応していて文字を見れば一瞬で発音が分かります(「ローマ字読み」では多少語弊があるので言わないでおきます)。

逆も然りで発音が分かれば綴りも分かります。地味ですが物凄く重要なところ。僕にとって英語のスペルミスなんて日常茶飯事ですので……

あ、ちなみにフィンランド語は英語と同じようにラテンアルファベットで書きますよ。念のため。

A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, W, X, Y, Z, Å, Ä, Öの28文字。ただQ、W、Z、Åはほぼ使わないので、それらを抜いてしまえば24文字です(英語より2文字も少ない!)。

まとめ:言語はみな等しく難しい

いかがでしたか? フィンランド語を学んでみたいと思いましたか。はたまたこんな激ムズそうなのはご免だと思いましたでしょうか。

今回は、ある言語が日本人にとって難しい理由としてあげられるものをフィンランド語にあてはめて考えてみました。

もしフィンランド語をやってみたいという気持ちになりましたら、ぜひ「フィンランド語学習にヘッドスタートを。初学者におすすめの教材を紹介!(独学用) 」で教材を紹介していますので、ぜひぜひフィンランド語の世界をのぞいてみてください。無料のオンライン教材もありますよ。

ここまで色々書いておいてなんですが、僕の個人的な意見を言わせてもらえれば、言語自体が難しいか否かを問うのはナンセンスだと思っています。すべての言語には簡単なところも難しいところも両方あります。

なので、よくある「(英語ネイティブにとって)難しい言語ランキング」で日本語が上位なのを見て、「日本語って難しいんだ!」って言っても大した意味はないと思います(「日本語が世界一難しい」って証明するのは骨が折れますよ……)。

それのランキングを見ただけで「日本語は優れている」なんて言い出したら世界の終わりです。

結局言語の難しさって、母語とか過去に勉強した言語とか、勉強法、才能や適性によっても違ってくるから。僕はロシア語を勉強しています(挫折しそう)が、チェコ語やクロアチア語の単語や格変化は似すぎていてびっくりします。

なのでここではフィンランド語が難しいかどうかの結論は出さず、ここまで読んでくださった皆様の判断にお任せします。

それでは、よい外国語ライフを。願わくばよいフィンランド語ライフを。Näkemiin!

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