こんにちは。めいげつです。

大学で、日本語教育の授業をいくつかとりました。留学先で日本語を教えられたらと思ってのことです。

その中のとあるクラスで、学習者それぞれの特性にあわせた学習方法についてディスカッションをしたことがあります。

(自分は興味深々だったが周りのモチベがめっちゃ低くてロクな議論にならんかったけど)

それから後になって『医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン』という本に出合って、その日本語教育の授業の内容とあわせて、外国語の勉強のしかたについて色々と得るものがあったのでシェアしようと思います。

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6つの認知特性

同じものを見たとしても、その解釈の仕方は人によって違う。それはおそらく、みなさん経験したことがあることだと思います。

その理由の一つが、「感覚を通して受け取った情報を解釈するやり方(=認知特性)が、人によって違う」から。

僕が読んだ『医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン』(光文社新書)の著者・本田真奈美さんは、この「認知特性」を6つに分けています。

(下の表の最右列に関しては、本の内容コピペではなくある程度語句を変えてます)

視覚優位者写真(カメラアイ)タイプ写真(二次元)として記憶する。細かい特徴を把握できる。目で見た情報処理が早い
三次元映像タイプ映像として記憶する。三次元的に捉える。前後の時間や体験を含めたエピソード記憶として記憶する
言語優位者言語映像タイプ言語を映像化、映像を言語化するのが得意
言語抽象タイプ言語を通して入ってきた情報を図式化するのが得意
聴覚優位者聴覚言語タイプ言語を聴いてそのまま覚えたり理解する、音声言語を扱うのが得意
聴覚&音タイプ音階や音色など音のイメージを処理するのが得意

この本にある認知特性テスト(本田35式認知テスト)の35の質問に答えて、答えに応じてスコア化していくと、自分がどの認知特性に優れているかがわかります。

自分は、「聴覚&音タイプ」が低い以外は平均的(著者のいう「グレーゾーン」)。「三次元映像タイプ」と「言語映像タイプ」が少しだけグレーより高い感じでした。

たしかに通った道なんかは映像のように思い出せるので、三次元映像タイプらしさが出ています。

「言葉尻をとらえるのがうまい」のも当てはまっています(笑)し、小説とかを読んでいる時はその場面の視覚的なイメージ(風景とか映像)を思い浮かべます。典型的な「言語映像タイプ」です。

……こんなふうに自分の特性を把握すれば、言語を含めてもろもろの学習方法を探しやすくなりますね。

スマホに繋がったヘッドセットの写真
Karolina Grabowska / Pixabay

ただ、この6つの認知特性が全てではありません。これ以外にも

  • 五感の敏感さ
  • ワーキングメモリ(短期記憶)の強弱

などの要素もあります。

自分はおそらく聴覚が特に敏感なので、会話(外国語に限らず日本語でも)の最中に雑音が入ったりした途端に聞こえなくなることがあります。救急車の方向とかも、近づいてこないうちはあんまり分かんないし。

言語優位者だからって必ずしもリスニングが得意というわけでもないんですよね。悲しいかな。

単純に視覚と聴覚のどちらが優位かを考えてみる

机の上に積まれた洋書の写真
Rousseau / Pixabay

僕がここで紹介した本では認知特性を6つに分けられていましたけど、そこまで細かくしなくてもいいし、また別の要素を取り入れてもいいと思います。

まずは、単純に自分が視覚と聴覚のどちらが優位かを考えてみるとか。

自分の今までの経験などを鑑みて、自分は視覚を使いがちなのか、あるいは聴覚の方が優れているかというのをざっくり考えてみます。

たとえば「記憶を写真や映像のようなイメージで保っている」とか、「読むより聞く方が理解しやすい」など。

前者は視覚優位、後者は聴覚優位になりますね。

視覚優位の人は文字から入ったほうが覚えやすいとか、聴覚優位の人は音を中心に言語を学んだ方が入ってきやすいとか。そんな単純な話。

みなさん意識していなくても、今まで生活する中で自分の特性にあったやり方で色々行動しているはず。それを外国語学習に応用するんです。

たとえば僕はどちらかというと視覚寄りなので、

  • 文字での学習が中心(文字を見た方がとらえやすい)
  • 読書を中心にする
  • 発音記号を覚えて対応させる

こんな感じ。

リスニングなど音を使った学習ももちろんしますよ。音で聞いてもわかるし。ただ、文字のほうがやっぱりしっかりと「とらえやすい」んです。

英英辞典の写真
PDPics / Pixabay

発音を学ぶときも、音声と発音記号を対応させたほうが記憶に残りやすい。新しい言語を学ぶときは必ず発音記号を覚えます。

最初に発音記号を覚えたのは、たしか中学生のころだったかな。

僕は『「頭のよさ」テスト』を読む前からこの学習方法でやってきていたので、自分の適性をある程度把握できていたんですね。

聴覚優位の人の場合は……とりあえず音声のインプットをたくさんしてみる、という感じでしょうか。

まあ結局言語というのは「読む・書く・聞く・話す」4大技能を体得しなきゃいけないので、文字も音声も両方学ばなきゃならないんですけど。

ただ初級者の段階だったり、あるいは上級レベルになってその外国語を使って情報収集するといったときに、視覚優位者なら文字、聴覚優位者なら音声でのインプットが中心になるのでしょう。

ちなみにこの「自分の認知特性を把握する」ことは、何も外国語学習にだけに当てはまるものではありません。ありとあらゆる「学習」で使うことができますね。

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まとめ

以上今回は、自分の認知特性にもとづいて、自分にあった外国語の学習方法を見つけることについて話しました。

色々書きましたが、重要なことは「自分の認知特性を知り、自分に合った学習法を見つける」ということ。

言語学習に長けた人は、おそらくこれを本能的にというか、知らず知らずのうちにやっているんだと思います。

外国語学習でなくとも、単に認知特性テスト(本田35式認知テスト)だけでも十分に興味深いので、ぜひ手に取って頂けたらと思います。

Thumbnail Image Credit: Wokandapix / Pixabay