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語学と旅行がテーマの個人ブログ[レヴォントゥリア]

カテゴリー: 乱読メモ Page 1 of 2

インド・ヨーロッパ語族の原郷を巡る壮大な旅への招待--『馬・車輪・言語』

歴史とか考古学が好きな人って多いけど、その理由に「ロマンがあるから」という言う人は案外多いんじゃないかと思う。

一方でその歴史学と考古学っていうのは気の遠くなるような地道な作業で出来ていて、緻密な論理で固められているという面ももちろんあると思う。そしてそれは僕が好きな言語学にもあてはまる。

そのロマンと、それを裏付ける証拠の山と果てしない論理を両方一緒くたに楽しめる本を紹介。筑摩書房の馬・車輪・言語(デイヴィッド・W・アンソニー著、東郷えりか訳)だ。

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都市は多層的なパッチワークだけど、そのほとんどは目に見えない。『複数形のプラハ』

「言語や文字というものにはある種のイメージが付きまとう」ってことは、それを頭で理解しているかはともかく、みんなある程度気づいていると思う。

アフリカーンス語にはどうしてもアパルトヘイトのイメージが付きまとったり(BBCの英文記事にそんなことが書いてあった)、キリル文字を共産主義と結びつけてしまう人もいる(残念ながら僕もこれは否定できない)。一部の過激な人は、ハングルを見ただけで嫌悪感を催すようだし。

東京をTokyoと書いたり、「日本の早稲田から、世界のWASEDAへ」という標語があることからも窺えるように、非ラテン文字言語を使う僕らには、ラテン文字を使うという行為には「世界へ開かれる」的なイメージがあるのかも(ほら「『世界の』WASEDAへ」って書いてあるし)。

……と感じたのは『複数形のプラハ』(阿部賢一著、人文書院)の冒頭を読んだから。偶然市の図書館のサイトを見ていたところたまたま目にして、そのタイトルから思わず手に取ってしまった。

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ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』

乱読メモ第8弾は古典のようなものを読んでみた。

最近日本語訳が出版されたヴァーツラフ・ハヴェルの『力なき者たちの力』。チェコスロバキア最後の大統領、のちにチェコ共和国の初代大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルが描いたエッセイ。

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『100の傑作で読む新約聖書ものがたり』欧州観光するなら目を通すといいかも

外国に旅行をするなら現地の文化や歴史(と可能なら言語)を最低限でも勉強しておく、というのは大半の旅行者にとって当たり前のことだと思う。

もちろん旅行先の地域に関する知識がなくとも旅行それ自体は楽しめるものの、歴史や文化を知っておくことでさらに深く楽しむことができる。たとえば大学受験で世界史を学んだ人なら、ドイツのヴァルトブルク城やイタリアのカノッサで興奮を抱かずにはいられないと思う。実際に僕(世界史選択)も、ウフィツィ美術館やシェーンブルン宮殿を訪れて感動を覚えた。

しかしそれでも、ヨーロッパの文化のベースにありながらほとんどノータッチだった分野がある。それを補うために、今回は『100の傑作で読む新約聖書ものがたり: 名画と彫刻でたどる』(マルグリット・フォンタ著、遠藤ゆかり訳)を読んでみた。

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ヘッセ『ペーター・カーメンツィント』―人は皆故郷に焦がれるのだろうか?

読書感想文第6弾。「乱読メモ」としては第2弾。

「乱読メモ」と題したものの、最近は「ドイツ」「宗教」「ヘッセ」にテーマを絞って本を読んでいる。2月末から予定しているドイツ~チェコ~ベルギー旅行に行く前に、予備知識を備えておこうという算段。

今回はヘルマン・ヘッセ著『ペーター・カーメンツィント』を読んでみたのでその感想を簡潔に書こうと思う。ネタバレあり。

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