語学と旅行がテーマの個人ブログ

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未知なる世界をちょっとのぞき見する。おすすめ外国語エッセイ5冊

「日本は単民族国家」とか、「日本は単一言語の国」といった言説を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか(本当はそんなことないんだけれど)。

確かに、日本で日本語を母語とする日本人として生まれると、あまり外国語を身近に感じる機会は(自分から探さない限り)あまり多くないかも知れません。それだからか、外国語というのは何となくロマンを感じさせるテーマです。

そんな外国語に興味のある方、外国語の世界を少しのぞいてみたい方に、おすすめのエッセイを集めました。

読書好きのための「読書×脳×人類史」のお話『プルーストとイカ』感想

読書好きな人はたくさんいる。短期間に何十冊何百冊も読むのファナティックもいれば、冊数は少ないけれどじっくりゆっくり読む人もいる。何を隠そう僕も本好きのひとりだ。

人が本を読んでいるとき、あるいは文字を読んでいるとき、脳の中では一体何が起こっているのだろう? こうした疑問に答えるのがメアリアン・ウルフ著・小松淳子訳『プルーストとイカ』

一見支離滅裂なタイトルだけれど、要は「読むことに関する本」だ。

読書という行為について、脳の発達という観点から詳しく見ていける面白い本だったので、感想や引用を交えて紹介したい。

フィンランドについて知りたい方におすすめな本7冊

スタイリッシュかつ機能的なデザイン、政治の透明性、国民の幸福度などで他の北欧諸国と共に注目されるフィンランド。フィンランドはまた、飛行機で9時間半ほどで行ける「日本に一番近いヨーロッパの国」でもあります。

今回のテーマは、「フィンランドという国について知りたい方におすすめな本」。フィンランドという国や社会を様々な観点からを知ることができるブックリストです。

最後の1冊は学術書ですが、それ以外の本を通読すればフィンランドという国に対して一通りの知識が身につくと思います(最後の1冊もすごく面白いですけど)。

『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか』教育を中心にフィンランド社会を知られる良著

フィンランドが衝撃のPISAランキング1位(読解力の3分野)を果たしてからはや20年。『国際競争力レポート2001』で初の1位を飾ってからは19年。

最近のPISAランキングにおけるフィンランドはその当時に比較すると少し奮わないけど、それでも世界レベルで見れば全きトップクラス。

2000年代前半当時に比べて「フィンランド教育」が話題になることも少なくなってきた印象。それでもフィンランドといえば教育という人は一定数いるのでは。

当方フィンランドに留学していながら、当地の教育事情についてはそこまで詳しく把握していなかったので、フィンランド教育に関する本『フィンランドの教育はなぜ世界一なのか(岩竹美加子著、新潮社)』を読んでみた。

結論から言うと、この本は明らかにタイトルで損してる。教育というテーマを中心にフィンランドの社会や歴史を俯瞰し、著者の経験も交えて伝えられる興味深い良著だった。

『カレワラ』は途方もなくファンタジック&どうしようもない神話

北欧神話と言えば、トールやロキといった多神教の神々、そしてラグナロクなどの用語になじみのある人も多いと思います。

けど、それはスウェーデンやアイスランドなどゲルマン(ノルド)系の北欧の話。フィンランドは少し違います(まあフィンランドにはスウェーデン語系もいるし、何なら言語の問題じゃないんだけど)。

そう、フィンランドの神話は上記の「北欧神話」ではなく「カレワラ(Kalevala)」と呼ばれ、世界観も登場人物(?)も全く違います。

『古代スラヴ語の世界史』――一様なようで実は多様なスラヴ人の歴史

ヨーロッパの言語を大きく3つに分けるとしたら、おそらくこうなる。ゲルマン、ラテン(イタリックあるいはロマンス語)、そしてスラヴ。

(これは言語の特徴を踏まえた分類(いわゆる「語派」)なんだけれど、もちろんこれ以外にもケルトやバルトなどの語派、そして単一で語派を作るアルバニア語、ギリシャ語、アルメニア語もある。ここでは触れない)

このなかで英語とドイツ語を擁するゲルマンとフランス語やスペイン語、イタリア語というザ・ヨーロッパ的な大言語の属するラテンは、日本人にとってかなりなじみがある気がする(これらの言語をちゃんと学んでいる/話せるかはさておき)。

ただ、問題なのは残りのスラヴだ。

インド・ヨーロッパ語族の原郷を巡る壮大な旅への招待--『馬・車輪・言語』

歴史とか考古学が好きな人って多いけど、その理由に「ロマンがあるから」という言う人は案外多いんじゃないかと思う。

一方でその歴史学と考古学っていうのは気の遠くなるような地道な作業で出来ていて、緻密な論理で固められているという面ももちろんあると思う。そしてそれは僕が好きな言語学にもあてはまる。

そのロマンと、それを裏付ける証拠の山と果てしない論理を両方一緒くたに楽しめる本を紹介。筑摩書房の馬・車輪・言語(デイヴィッド・W・アンソニー著、東郷えりか訳)だ。

都市は多層的なパッチワークだけど、そのほとんどは目に見えない。『複数形のプラハ』

「言語や文字というものにはある種のイメージが付きまとう」ってことは、それを頭で理解しているかはともかく、みんなある程度気づいていると思う。

アフリカーンス語にはどうしてもアパルトヘイトのイメージが付きまとったり(BBCの英文記事にそんなことが書いてあった)、キリル文字を共産主義と結びつけてしまう人もいる(残念ながら僕もこれは否定できない)。一部の過激な人は、ハングルを見ただけで嫌悪感を催すようだし。

東京をTokyoと書いたり、「日本の早稲田から、世界のWASEDAへ」という標語があることからも窺えるように、非ラテン文字言語を使う僕らには、ラテン文字を使うという行為には「世界へ開かれる」的なイメージがあるのかも(ほら「『世界の』WASEDAへ」って書いてあるし)。

……と感じたのは『複数形のプラハ』(阿部賢一著、人文書院)の冒頭を読んだから。偶然市の図書館のサイトを見ていたところたまたま目にして、そのタイトルから思わず手に取ってしまった。

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