こんにちは。めいげつです。

日本人はよく外国語が苦手だといわれます。こと英語に関しては、中学校高校の計6年間勉強するのにいざとなったら話せない、という方も多いのでは。

第一外国語である英語ですら苦労している我々を脇目に、世界には「ポリグロット(polyglot)」と呼ばれる人たちも存在します。果たして彼らはどんな人々なのでしょうか。

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ポリグロットとは、複数の言語を話す人

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ポリグロット、マルチリンガル、モノリンガル

ポリグロット(polyglot)とは、複数の言語を話せる人のことをいいます。国語辞典でも、こう定義されています。

多言語に通じている人。多言語使用者。

ポリグロットとは – コトバンク

一つの言語だでではなく、たとえば日本語と英語とフランス語を話せます、といった人を「ポリグロット」と呼ぶのですね。話せる言語が2つ以上なら、ポリグロットと名乗ってもよさそうです。

字面からわかるように、ポリグロットは英語から入ってきた言葉です。英英辞典の定義をいくつか載せておきましょう。

someone who can speak or use several different languages

POLYGLOT | meaning in the cambridge english dictionary

​a person who knows, uses or writes in more than one language

Oxford learner’s dictionaries

こちらでも、「複数の(2つ以上の)言語を話せる、あるいは使える人」という説明がされています。

ちなみにpolyglotという単語は形容詞としても使うことができるほか、ポリグロティズムpolyglotism(=多言語使用)という派生語もあるようです。

もともとの語源は古代ギリシャ語で、「多い」という意味のπολύς(ポリュス)と「舌」や「言語」という意味のγλῶττα(グロッタ)またはγλῶσσα(グロッサ)を合わせた単語です。

似たような言葉に、マルチリンガル(multilingual)やプルリリンガル(plurilingual)という言葉がありますね。英語ではlinguist(言語学者という意味も)も同様の意味で使えます。ちなみにこれらは全てラテン語由来です。

ポリグロットとマルチリンガルとの違いは、おそらく細かいニュアンスかと。日本語でも英語でもマルチリンガル(multilingual)の方が全然よく浸透していて、polyglotは少しカタい響きがあるかも。なお日本語でポリグロットと言ってもほぼ分かってもらえないかと思います。

ポリグロットの反対語は、おそらく「一つの言語しか話せない」という意味でモノリンガル(monolingual)が妥当でしょう。日本語で「単一言語話者」とか「一言語話者」になりそうですが、少しカタいですね。

日本人はモノリンガルが多いと言われますが、そこに英語を足しさえすれば立派なポリグロットになれますね。

ポリグロットの新しい意味づけ

言語をいくつか話せる人の界隈では、近年「ポリグロット」という言葉に対して新しい定義づけがされているように思います。

30言語も話すといわれるポリグロット界隈のスター・Richard Simcott氏が、イギリスのBBCドキュメンタリー「BBC The Superlinguists」で「ポリグロット」をこう定義しています。

It’s somebody who learns languages that they don’t necessarily need for their lives, but just out of enjoyment, pleasure, or fascination with another language or culture.

「(ポリグロットは私にとって)自分たちの生活に必ずしも必要でない言語を、楽しみや喜び、他の言語や文化への興味を持って学ぶ人のことです」

BBC Documentary – the superlinguists, the polyglots

ようするに仕事で使うからとか、どこか外国に転勤になったからという理由でなく、単純に興味関心を持って、言語学習やコミュニケーションそれ自体を楽しみながら外国語を学ぶ人たちなのでしょう。

趣味で外国語をいくつか学んでいる僕のような人が当てはまりますね。

このコンセプトは毎年開かれるポリグロットの祭典「ポリグロット・カンファレンス(Polyglot Conference)」にも採用されています。

2019年のポリグロット・カンファレンスは、なんと日本の福岡で開かれました。僕も現地に行ったのでそのようすをレポートしています。

色々なポリグロットたち

ここでは、ポリグロット界隈でも有名な方々を数人、勝手に紹介します。

ポリグロットたちは、自身が色々な言語で話す様子をよくYouTubeにあげているので、見てみてはいかがでしょう。きっと彼らの向上心にインスピレーションを受けるはず。

Steve Kaufmann

Steve Kaufmann(スティーブ・カウフマン)氏はカナダ出身。日本語も話せる数少ないポリグロット。中国や日本に在住経験があるとのこと。彼の日本語は言葉選びが自然で、通常の日本語学習者とは一線を画している印象です。

Tim Doner

THNKRやNY Times、The Economistなどのメディアで「20言語話せるティーンエイジャー」として紹介された方。中東の言語が強いみたい。僕が多言語をやるきっかけになった人です。

Richard Simcott

Tim Doner氏とも共演

この記事の前半部分でも紹介したRichard Simcott(リチャード・シムコット)氏。イギリス出身、30言語以上学んだという強者で、現在は北マケドニア在住だそうです。Polyglot Conferenceを主催している人。

秋山燿平

続いては日本出身の秋山燿平(あきやまようへい)さん。フジテレビの「さんまの東大方程式」に登場して話題になりました。現在は中華圏を中心にインフルエンサー活動をしているそう。

Lýdia Machová

Lýdia Machová(リーディア・マホヴァー)氏はスロバキア出身のポリグロットです。Polyglot Gatheringという集まりを主催していて、TED talks等のイベントにも度々登壇しています。彼女が紹介している学習法はとっても参考になります。

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おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はポリグロットの意味と、個性豊かなポリグロットの方を数人紹介しました。

当方も一応5言語(日本語、英語、フランス語、フィンランド語、ドイツ語)を解するので一応ポリグロットですが、世界にはまだまだすごい方がいるものです。僕も定期的に彼らの動画を見てインスピレーションを受けています。

では頑張って言語学習に励みましょう。では!

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