こんにちは。めいげつです。

英語を学んだことのある人なら、butという単語を知っていることでしょう。日本語で言う「しかし」とか「~けど」といった意味の、「逆接の接続詞」です。

逆接の接続詞はフィンランド語にももちろん存在するのですが、実は2つあるのです。それがmuttaとvaan。この2つがどう違うのか解説します。

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muttaとvaanの使い方

muttaとvaanは両方とも接続詞で、二つの文を論理的につなげる役割があります。

ちなみに発音は、あえてカタカナ表記にするならmuttaが「ムッタ」、vaanが「ヴァーン」となります。フィンランド語は書いたとおりに発音しますが厳密にはカタカナ発音とは違うので、発音について詳しく知りたい方は「」をどうぞ。

mutta

muttaは英語でいうbutで、逆接を表すのに使います。逆接とはつまり、最初の文で表されたことから予想される結果でないものが、次の文で表されること。

I wanted to McDonald’s, but it was closed.「マックに行きたかったけど、閉まってた」のように、最初の文からはマックに行くことが予想されるけれど、その予想に反してマックに行けなかったことを表しているわけです。

後で説明するvaanの前には否定文しか来ませんが、muttaの前には肯定文と否定文のどちらも立つことができます。前の文の内容を正すというニュアンスはなく、単純に予想に反する結果が表されます。

  • Minä osaan kirjoittaa englanniksi, mutta en osaa puhua.「私は英語で書くことはできるけど、話せない。」
  • Minä matkustan, mutta veljeni jää kotiin.「私は旅行に行くけど、弟は家に残る」
  • Minä en mene, mutta siskoni menee.「私は行きませんが、姉(妹)が行きます」(前の文を正しているというより、情報を補足しているニュアンス)

ちなみに、muttaは直後に否定動詞が来たら融合して一つの単語になることができます。muttaのあとにen/et/ei/emme/ette/eivätのいずれかが来た場合、融合してmutten/muttet/muttei/muttemme/muttette/mutteivätという形になるのです。vaanではできません。これも違いの一つですね。

vaan

続いて、vaanの使い方です。vaanも英語にするとbutですが、muttaとは違う文脈で使われます。

英語では「○○ではなく△△」と言いたい時にbutを使いますよね。I am not Chinese, but Japanese.「私は中国人ではなく日本人だ」という風に。vaanはこういう場合に使われます。

「最初の文とは違う結果が次の文に来る」という点では共通していますが、vaanは最初の文の内容を否定し、次に正しい内容を付け加えるのに使います。

vaanの前に来る文は否定文が多いです。というか、ほとんど否定文しか来ません。

  • Minä en ole kiinalainen, vaan japanilainen.「私は中国人ではなく日本人だ」
  • Minä en matkustanut Ranskaan, vaan Saksaan.「フランスじゃなくてドイツに旅行したんだよ」
  • Minä en mene, vaan siskoni menee.「私じゃなくて姉(妹)が行くよ」(前の文を正しているニュアンス)

また、muttaの項でも触れましたが、vaanは否定動詞とくっつくことはできません。


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以上、フィンランド語の「2つのbut」の違いでした。フィンランド語を始めてそろそろ5年になるものの、不真面目な僕は未だにmuttaとvaanを間違えることがあります。意識して直さないといけないですね。

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