こんにちは。めいげつです。
ウラル語族に属するフィンランド語は、インド=ヨーロッパ語族である英語やフランス語とは全く違った数詞体系をもっています。
ですが心配なさらず。数字自体はとてもシンプルなので、覚えることは案外少ないかもしれません。
<記事は広告の後にも続きます>
フィンランド語の数詞
0から19まで
数 | 単語 | 発音(発音記号) | 発音(カナ) |
---|---|---|---|
0 | nolla | /nolːɑ/ | ノッラ |
1 | yksi | /yksi/ | ウュクスィ |
2 | kaksi | /kɑksi/ | カクスィ |
3 | kolme | /kolme/ | コルメ |
4 | neljä | /neljæ/ | ネルヤ |
5 | viisi | /viːsi/ | ヴィースィ |
6 | kuusi | /kuːsi/ | クースィ |
7 | seitsemän | /seitsemæn/ | セイッツェマン |
8 | kahdeksan | /kɑhdeksɑn/ | カハデクサン |
9 | yhdeksän | /yhdeksæn/ | ウュフデクサン |
10 | kymmenen | /kymːenen/ | クュンメネン |
11 | yksitoista | /yksitoistɑ/ | ウュクスィトイスタ |
12 | kaksitoista | /kɑksitoistɑ/ | カクスィトイスタ |
13 | kolmetoista | /kolmetoistɑ/ | コルメトイスタ |
14 | neljätoista | /neljætoistɑ/ | ネルヤトイスタ |
15 | viisitoista | /viːsitoistɑ/ | ヴィースィトイスタ |
16 | kuusitoista | /kuːsitoistɑ/ | クースィトイスタ |
17 | seitsemäntoista | /seitsemæntoistɑ/ | セイッツェマントイスタ |
18 | kahdeksantoista | /kɑhdeksɑntoistɑ/ | カハデクサントイスタ |
19 | yhdeksäntoista | /yhdeksæntoistɑ/ | ウュフデクサントイスタウュクスィ |
1から10は、基数詞の一番大切なパート。これさえ押さえてしまえば、8割り型覚えたも同然(あとは格変化を覚えるだけです!!)。
11から19の数字は、1から9の数字にtoista(トイスタ)をつけるだけと非常にシンプル。数字は格変化しますが、toistaの部分は格変化せずtoistaのままなので注意。
20から99まで
数 | 単語 | 発音(発音記号) | 発音(カナ) |
---|---|---|---|
20 | kaksikymmentä | /kɑksikymːentæ/ | カクスィ |
21 | kaksikymmentäyksi | /kɑksikymːentæ/ | カクスィウュクスィ |
22 | kaksikymmentäkaksi | /kɑksikymːentæ/ | カクスィクュンメンタカクスィ |
23 | kaksikymmentäkolme | /kɑksikymːentækolme/ | カクスィクュンメンタコルメ |
30 | kolmekymmentä | /kolmekymːentæ/ | コルメクュンメンタ |
40 | neljäkymmentä | /neljækymːentæ/ | ネルヤクュンメンタ |
50 | viisikymmentä | /viːsikymːentæ/ | ヴィースィクュンメンタ |
60 | kuusikymmentä | /kuːsikymːentæ/ | クースィクュンメンタ |
70 | seitsemänkymmentä | /seitsemænkymːentæ/ | セイッツェマンクュンメンタ |
80 | kahdeksankymmentä | /kɑhdeksɑnkymːentæ/ | カハデクサンクュンメンタ |
90 | yhdeksänkymmentä | /yhdeksænkymːentæ/ | ウュフデクサンクュンメンタ |
この辺りから数詞がかなり長くなってきます。
が、構造自体は非常にシンプルなもの。20~90は、1~9にkymmentäをつけるだけで完成です。
表では省略したけれど、各kymmentäのあとに数字をつければ、34、87みたいな2桁の数字も簡単に作れます。特に格変化などさせる必要はありません。
100台の数字
数 | 単語 | 発音(発音記号) | 発音(カナ) |
---|---|---|---|
100 | sata | /sɑtɑ/ | サタ |
101 | satayksi | /sɑtɑyksi/ | サタウュクスィ |
110 | satakymmenen | /sɑtɑkymːenen/ | サタクュンメネン |
200 | kaksisataa | /kɑksisɑtɑː/ | カクスィサター |
300 | kolmesataa | /kolmesɑtɑː/ | コルメサター |
400 | neljäsataa | /neljæsɑtɑː/ | ネルヤサター |
500 | viisisataa | /viːsisɑtɑː/ | ヴィースィサター |
600 | kuusisataa | /kuːsisɑtɑː/ | クースィサター |
700 | seitsemänsataa | /seitsemænsɑtɑː/ | セイッツェマンサター |
800 | kahdeksansataa | /kɑhdeksɑnsɑtɑː/ | カハデクサンサター |
900 | yhdeksänsataa | /yhdeksænsɑtɑː/ | ウュフデクサンサター |
100台に突入しましたが、数字の構造はいたってシンプルなままです。
もっと大きい数字(1,000~)
数 | 単語 | 発音(発音記号) | 発音(カナ) |
---|---|---|---|
1,000 | tuhat | /tuhɑt/ | トゥハト |
1,001 | tuhatyksi | /tuhɑtyksi/ | トゥハトウュクスィ |
2,000 | kaksituhatta | /kaksituhɑtːɑ/ | カクスィトゥハッタ |
3,000 | kolmetuhatta | /kolmetuhɑtːɑ/ | コルメトゥハッタ |
1万 | kymmenentuhatta | /kymːenentuhɑtːɑ/ | クュンメネントゥハッタ |
2万 | kaksikymmentätuhatta | /kaksikymːentætuhɑtːɑ/ | カクスィクュンメンタトゥハッタ |
10万 | satatuhatta | /sɑtɑtuhɑtːɑ/ | サタトゥハッタ |
20万 | kaksisataatuhatta | /kaksisɑtɑːtuhɑtːɑ/ | カクスィサタートゥハッタ |
100万 | miljoona | /mijloːnɑ/ | ミルヨーナ |
200万 | kaksimijloonaa | /kɑksimijloːnɑː/ | カクスィミルヨーナー |
10億 | miljardi | /miljɑrdi/ | ミルヤルディ |
20億 | kaksimiljardia | /kɑksimiljɑrdiɑ/ | カクスィミルヤルディア |
およその数
フィンランド語で「およそ6」とか「約10個」と言いたい時は、基本的にnoin(ノイン)+数字と言います。
- noin kuusi「およそ6」
- noin kymmenen「約10」
しかしフィンランド語には、この「およその数」を1語であらわすことができる単語があります。
- kolmisen(コルミセン)
- nelisen(ネリセン)
- viitisen(ヴィーティセン)
- kuutisen(クーティセン)
- seitsemisen(セイツェミセン)
- kahdeksisen(カハデクスィセン)
- yhdeksisen(ウュフデクシセン)
- kymmenisen(クュンメニセン)
3から10までしかありませんが、kolmisenkymmentä「30くらい」のように組み合わせることで幅が広がります。
「~人で」
数字にstaanをつけると、「~人で」という意味の副詞になります。
- kahdestaan「2人で」
- kolmestaan(kolmistaan)「3人で」
- neljästään(nelistään)「4人で」
- viidestään「5人で」
- kuudestaan「6人で」
7以上の数字にも使えるとは思いますが、ウラがとれていないし使ったこともないのでここでは載せないでおきます。
- Mentiin kolmistaan kahville.「私たちは3人でコーヒーを飲みに行った」
数量を表す他の単語
moni、monta、monet「多くの」
「多くの」を表す最もオーソドックスな単語、moni(モニ)。monta(モンタ)、monet(モネット)とうい形でも使います。moniとmontaなら後ろの名詞は単数の分格になりますが、monetの場合は複数形の主格です。
- Monet suomalaiset tykkäävät saunasta.「多くのフィンランド人がサウナ好きだ」
- Montako ihmistä tuli bileisiin?「パーティーには何人来ましたか」
muutama「いくつかの」
muutama(ムータマ)はそんなに多くないものの、具体的な数は分からない/指定しない場合に使います。英語で言うa fewですね。
- Aloin opiskella suomea muutama vuosi sitten.「数年前にフィンランド語の勉強を始めた」
paljon「多くの」とvähän「少しの」
paljon(パルヨン)は「多くの」でvähän(ヴァハン)は「少しの」。paljonは少し特殊で、後ろに来る名詞が加算名詞の場合は複数の分格になります。
- Junassa on paljon ihmisiä.「電車には人がたくさんいる」
- Jussi juo paljon kahvia joka päivä.「ユッシは毎日コーヒーをたくさん飲む」
kuinka paljon/paljonko…?「どれくらい~?」
先ほどのpaljonの疑問形。これで何かの量や個数を聞くことができます。
- Kuinka paljon/Paljonko tämä maksaa?「これはいくらですか」
- Paljonko ihmisiä asuvat kotikaupungissasi?「あなたの故郷(出身地)には何人住んでますか」
- Kuinka paljon kahvia sinä juot joka päivä?「毎日どれくらいのコーヒーを飲みますか」
kaikki「全て」
kaikki(カイッキ)はフィンランド語で「全て」という意味。後ろに来る名詞は、可算名詞なら複数形、不可算名詞なら単数形です。
- Söin jo kaiken kakkuni.「ケーキを全部食べた」
- Olemme poimineet kaikki marjat puutarhasta.
- Kaikki japanilaiset eivät osaa tehdä susheja.「日本人全員が寿司を握れるわけではない」
- Kaikki meistä opiskelevat suomea.「私たち全員フィンランド語を勉強しています」
ちなみに一番最後の文のmeistäは、me「私たち」の出格(「~から」という意味の形)。こういう風に数量詞+出格の形で「~うちいくつ/何人etc」とう表現ができます。
余談ですがこのkaikkiという単語、日本人なら難なく発音できるものの、外国人の多くには結構難しいようです。
puoli「半分」
puoli(プオリ)「半分」という意味。後ろに来る名詞は単数分格になります。
- Söin puolen kakkua.「ケーキを半分食べた」
- puoli miljoonaa ihmistä「50万人」
時間を表す数字と使うと、30分前という意味になります。
- puoli viittä「5時の半分=4時30分」
puolitoista「1.5」
puolitoista(プオリトイスタ)は「1.5」を1単語で表します。珍しい単語のように思えますが、エストニア語(poolteist)やロシア語(полтора)にもあったりします。後ろに来る名詞は単数分格。
- Olen opiskellut suomea puolitoista vuotta.「1年半フィンランド語を勉強しています」
enemmänとvähemmän
こちらは比較級。enemmän(エネンマン)は「より多くの」でpaljonの比較級、vähemmän(ヴァヘンマン)は「より少ない」でvähänの比較級となります。
- Tänä vuonna enemmän ulkomaalaisia tulivat Japaniin kuin viime vuonna.「今年は去年よりたくさんの外国人が日本に来た」
- Matka kesti odotettua vähemmän aikaa.「思っていたより移動に時間がかからなかった」
pari「2、3の」
pari(パリ)は英語で言うcouple。単純に「2人組」という意味でも使いますし、英語のa couple ofのように「2、3の~」とうい意味でも使えます。
- Olen käynyt Suomessa pari kertaa.「フィンランドに2、3回行ったことがある」
重さや長さなどの単語
- gramma「グラム」
- litra「リットル」
- kuppi「コップ」
- lasi「グラス」
- lusikallinen「スプーン1杯」
これらの重さや量などを表す単語も、ここであげた数量詞と同様に扱えます。つまり後ろに来る名詞が分格になります。
- Ostin 300 grammaa lohta.「サケを300グラム買った」
- Lisää kaksi lusikallista sokeria.「砂糖をスプーン2杯加えてください」
<記事は広告の後にも続きます>
例文と、数詞を使う時の注意点
フィンランド語は単数を複数を区別する言語。なので「1」が基盤になっている数字(yksi、kymmenen、sata、tuhatta、miljoona、miljardi)は、原形のまま使いましょう。
しかし1以上の数字のすぐ後ろにくる名詞&形容詞(つまり英語やフランス語だと複数形になる部分)は、すべて単数分格になります。数量詞は、ものによって変わります。
複数を表しているのに単数の格を使うなんて少し不自然に感じますが、そういうものと思って覚えちゃいましょう。
- Minulla on kaksi kissaa.「私は猫を2匹飼っている」
- Minä ostin kaksisataa grammaa sokeria.「私は塩を200グラム買った」
- Minun kaksi poikaa on lukiolaisia.「私の二人の息子は高校生です」
このように、後ろに続いている名詞と形容詞はすべて単数の分格になっています。
実はよく見るとkymmentä、sataa、tuhattaはすべてこの原則に従っています。kymmenen→kymmentä(単数分格)、sata→sataa(単数分格)、tuhat→tuhatta(単数分格)
- tuhatkaksisataa「1200」
- kaksisataakaksikymmentätuhatta「2200」
しかし複数のモノがいつも分格になるわけではありません。次の場合はちゃんと複数形になります。
- 複数ではあるが、数を明言しない時
- 複数形でしか使われない名詞
1はMonet ihmiset tykkäävät Suomesta.「フィンランドが好きな人は多い」のような場合。
2に関して、フィンランド語にはsakset「はさみ」など複数形でしか使われない名詞があって、これに数字を付ける場合は分格にせず、kahdet saksetのように複数形の主格にします(もちろん場合によって他の格にもなります)。
コメントを残す