こんにちは。めいげつです。

ヨーロッパの国々では、ユーロという一つの通貨を共通して使っているとか、国境を越える時のパスポート審査がないとかよく聞きますよね。僕もヨーロッパに初めて降り立つまでは、そう思っていたものです。

こういった言説に深く関係しているのが、「EU」と「シェンゲン協定」、そして「ユーロ圏」といった概念。

僕はEUの加盟国と非加盟国、シェンゲン協定加盟国および非加盟国、ユーロ圏&非ユーロ圏の国々を旅行しました。こうした個人的体験も含め、「EU」「シェンゲン協定」「ユーロ圏」の違いを、旅行者への影響という観点でお話します。

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EU(ヨーロッパ連合)

ヨーロッパ連合(EU)加盟国の地図
FotoshopTofs / Pixabay

そもそもEUとは

ヨーロッパといえば真っ先に思い浮かぶのがEU、すなわちヨーロッパ連合(European Union)だと思います。

ではそもそもEUとは何なのか。

欧州連合(EU)は、独特な経済的および政治的協力関係を持つ民主主義国家の集まりです。EU加盟国はみな主権国家であるが、その主権の一部を他の機構に譲るという、世界で他に類を見ない仕組みに基づく共同体を作っています。現在28カ国が加盟しています。

euとは – 欧州対外行動庁

EUの存在によって市場が単一化され、EU地域内の移動が非常に容易となるなど、EUはある意味一つの国家のような振る舞いを見せています(通貨は統一されてません。詳細は後述)。

ヨーロッパを統合するという思想そのものは100年以上前からあり(中でも有名なのが、クーデンホーフ光子の子クーデンホーフ・カレルギーの汎ヨーロッパ主義ですね)。

EUの加盟国は以下の28ヶ国(左から順にアイウエオ順)。

アイルランド イギリス(2019年4月現在) イタリア エストニア オーストリア オランダ キプロス
ギリシャ クロアチア スウェーデン スペイン スロベニア スロバキア チェコ
デンマーク ドイツ ハンガリー フィンランド フランス ブルガリア ベルギー
ポーランド ポルトガル マルタ ラトビア リトアニア ルーマニア ルクセンブルク

加盟国の公用語全て(ただしルクセンブルク語を除く)がEUの公用語となっています。

20世紀に台頭したアメリカやソ連といった大国に対抗してヨーロッパを統合を目指し、現在ではEUはアメリカに次ぐ経済圏を作り上げました。

しかしEUという枠組み自体は、われわれ旅行者には直接的にはあまり影響してきません

ヨーロッパを旅行する人にとって重要なのは、次からお話しするシェンゲン協定とユーロ圏の方。この2つもEUにおいて定められたルールのようなものですが、ヨーロッパを旅行するくらいならこれらをおさえるだけで十分でしょう。

シェンゲン協定

シェンゲン協定加盟国の地図
濃い青で塗られた部分がシェンゲン協定加盟国。made by
Rob984 from Wikimedia Commons

シェンゲン協定とは

シェンゲン協定(The Schengen Agreement)は、ヨーロッパ諸国の人とモノの移動についての取り決めのこと。

1990年にフランス、西ドイツ(当時)、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの5ヶ国がルクセンブルクのシェンゲン村で調印した協定がもとになっています。EUそのものよりも歴史があるようですね。

ヨーロッパを旅行する人に直哲的に影響があるのは、EUではなくこちらのシェンゲン協定の方

シェンゲン協定に加盟している国(「シェンゲン・エリア(Schengen Area)」と呼ばれます)同士を行き来するときは、国境での審査が撤廃されています。

シェンゲン協定調印国は以下の26ヶ国。非EU加盟国は赤字にしています。

アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロヴェニア、スロヴァキア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク

EU加盟国ではイギリス(2019年4月現在加盟国)、アイルランド、キプロス、クロアチア、ブルガリア、そしてルーマニアが調印していません。

一方、EUに加盟していない国でもシェンゲン協定に加盟している国(アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)もあるのがややこしいところ。

つまりヨーロッパの国を複数旅行する場合は、定在先の国がシェンゲン協定加盟国かどうかをちゃんと知っておく必要がありますね。

僕の個人的な体験ですが、シェンゲン協定加盟国からイギリスとクロアチア(シェンゲン協定未加盟)に行ったときは、現地の空港で審査を受けました。この2ヶ国に行ったときは特に緊張したのを覚えています。イギリスは入国審査が厳しいというし、クロアチアに行ったときも久々のシェンゲン協定外への旅行だったので……

結果どちらでも大して何も起こらずクリア。どちらもフィンランドでの在留許可カード(当時の僕は交換留学生)と帰りの航空券を見せれば大丈夫でした。ただイギリスの方がはるかに時間がかかりましたが。

ちなみに僕は10ヶ月ほどフィンランド(シェンゲン協定加盟国)に留学しヨーロッパ18ヶ国を旅行したのですが、パスポートにスタンプが押されたのはフィンランド、アイスランド、クロアチア、イギリスのみです。これだけ旅行したんだからもっとスタンプ欲しかったなあ。

日本人はどのくらい滞在できるのか?

日本人の場合は、シェンゲン協定加盟国内では「あらゆる180日の期間内で最大90日間」の滞在が許されています。

相変わらずこういう文章って無駄に分かりづらいことが多いですよね。

調べてみたところ、どうやら過去180日の間にシェンゲン協定加盟国に滞在した場合はその日数が加算され、その日数が90日までならokということのようです。

そしてパスポートが10年以内に発行されたもので、なおかつシェンゲン地域を出国する日から3ヶ月以上有効でないといけません。ここも意外と見落としがちなので注意ですね。

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ユーロ圏

moerschy / Pixabay

最後にお話しするのがユーロ圏(Euro zone)。ユーロ圏とは、EUの共通の通貨単位であるユーロを採用している国々の事です。

ざっくりいえばユーロが使える国ということ(これも厳密には正確ではないのですが)。海外旅行をする時は基本的に現地通貨を使うことになりますから、これも旅行者に大いに影響してきますね。

ややこしいのが、EU加盟国全てがユーロを導入しているわけではないこと。EUとシェンゲン協定と同じく、これも勘違いしやすい点です。

EUに加盟していても独自の通貨を持っている国はありますし、逆にEUに加盟していなくてもユーロを導入している国もあります。

ユーロを採用している国は以下の25ヶ国。非EU加盟国は赤字にしています。

アイルランド、アンドラ、イタリア、ヴァチカン、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、コソヴォサンマリノ、スペイン、スロヴェニア、スロヴァキア、ドイツ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、マルタ、モナコモンテネグロ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク

ユーロを導入していない(=非ユーロ圏の)EU加盟国では以下の独自通貨が使われています。

国名通貨名
イギリス(2019年4月現在加盟国)ポンド(pound)
クロアチアクーナ(kuna)
スウェーデンクローナ(krona)
チェココルナ(koruna)
デンマーククローネ(krone)
ハンガリーフォリント(forint)
ブルガリアレフ(lev)
ポーランドズウォティ(złoty)

しかしユーロは結構強い通貨だからか、チェコなどユーロがを採用していない国でもユーロが使えることたまにあります。これが先ほど言った「ユーロ圏=ユーロが使える国」が厳密には正しくない理由です。

ただこれはあくまで「たまにユーロを受け付けてくれるお店がある」くらいのことです。なのでそういったことは基本アテにせず、ちゃんと現地通貨を持って行くか、クレジットカードやプリペイドカードなどを携行するようにしましょう。

余談ですが、「EUに加盟しているヨーロッパの国=ユーロが使える国」という勘違いはけっこう広まっているようです。僕も「チェコの通貨はユーロじゃなくてコルナだよ」と言っても信じてもらえなかったことがあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はEU、シェンゲン協定、ユーロ圏を旅行者への影響という観点からざっくり解説しました。

EUがあること自体は旅行者にあまり直接的に影響してきません。しかしシェンゲン協定とユーロ圏は直接響いてきますので、ヨーロッパの複数国にまたがる旅行をする方はちゃんとおさえておきましょう。

と偉そうに色々言っていますが、僕自身専門家ではないので間違っているところがあるかもしれません。もし間違いに気づいたら、こっそり教えて頂けると助かります。

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