外国に旅行をするなら現地の文化や歴史(と可能なら言語)を最低限でも勉強しておく、というのは大半の旅行者にとって当たり前のことだと思う。
もちろん旅行先の地域に関する知識がなくとも旅行それ自体は楽しめるものの、歴史や文化を知っておくことでさらに深く楽しむことができる
。たとえば大学受験で世界史を学んだ人なら、ドイツのヴァルトブルク城やイタリアのカノッサで興奮を抱かずにはいられないと思う。
実際に僕(世界史選択)も、ウフィツィ美術館やシェーンブルン宮殿を訪れて感動を覚えた。
しかしそれでも、ヨーロッパの文化のベースにありながらほとんどノータッチだった分野がある。聖書の知識だ。それを補うために、今回は『100の傑作で読む新約聖書ものがたり: 名画と彫刻でたどる』(マルグリット・フォンタ著、遠藤ゆかり訳)を読んでみた。