こんにちは。めいげつです。先日、僕の地元神奈川から岩手県へ、夜行バスを使って0泊3日の弾丸旅行をしました。

この時いわて蔵ビールを味わったのに加えて、岩手・盛岡が誇る人気クラフトビールブランド・ベアレン醸造所の見学にも行ってまいりました。僕自身初めてのビール工場見学(ビール好きなくせに)で、それに平泉観光と並ぶ今回の旅の目玉だったので大いに楽しんできました。

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ベアレン醸造所についてちょっとおさらい

ベアレン醸造所とは、岩手盛岡市に醸造所を構えるクラフトビールブランド。創立は2003年。

ベアレン(Baeren = Bären)とは、ドイツ語でクマのこと(複数形)。醸造所のロゴにもちゃんとクマがあしらわれています。

100年前にドイツで造られた銅製の仕込み窯を使い、伝統的な方法でビールを作っているという珍しいブルワリーです。

クラフトビールのブランドとしては一二を争う人気ブランドで、2015年に行われた「世界に伝えたい日本のクラフトビール」コンテストでは国内にある200以上の醸造所の中で堂々1位に輝きました(静岡県のベアード・ブルーイングと同率)。

ベアレンの醸造所見学に行ってきた

ベアレン醸造所の工場へは、実はあまりアクセスがよくありません。最寄りの駅は上盛岡駅ですが、そこから歩いて12分ほど。ただし盛岡駅から上盛岡駅までの電車は本数が少ないので、タクシーが一番便利でしょう。

僕は諸事情で盛岡城址公園から歩いて行ったので、20分ほどでした(盛岡駅からとなると40分くらいかかった)。

ベアレン醸造所への案内看板

上盛岡方面から行くと、途中でこんな看板があります。

盛岡市にあるベアレン醸造所の入り口

この赤いレンガでできた建物がベアレン醸造所です。思いのほか小さいな、というのが最初の印象。

入り口を入るとすぐ受付があるので、名前を告げ、500円を払うと2階で待っているように言われます。イスと机があるのである程度休憩できます。

工場見学開始は16:00の予定でしたが、申し込んだのが僕しかいなかったようで10分前にツアーが始まりました。まずは2階のスペースでベアレン醸造所の歴史と、ビールの作り方をおさらい。創立当初は醸造所の建物を建て直したり、そもそも醸造所を建てる許可が下りなかったりと苦労が多かったのだそう。

それとビールづくりに使うモルトの見本を見せてもらい、ビンに入ったホップ(ペレット状になってる)の匂いを嗅がせてもらえました。ホップの匂いは、確かにビール材料何だろうと分かるような匂いだけれどもどうもまだ洗練されていないような、そんな感じでした。

モルトの入った袋

そして扉を通ると大きな袋が積まれているスペースに出ます。こちらはすべて麦芽が入っていて、一つ25kg。岩手と言えば遠野市がホップの生産で有名ですがほぼ大手と契約されているようで、麦芽は全て輸入しているそうです。輸入先は主にドイツやカナダ。多分チェコからも輸入してるんだっけか……

110年物の、モルトを粉砕する機械

こちらは110年前にドイツで造られたモルトミル。これでモルトを挽いていきます。一介の仕込みに使う麦芽の量は500kgなので、先ほどの25kgの袋が20袋分です。わお。

しかし、いかんせんことモルトミルが古いので、500キロの麦芽を一気に投入すると詰まってしまうのだそう。なので一袋ずつ麦芽を手作業で入れていきます。大変な作業です。そりゃ腕に筋肉がつくわけだ(ガイドしてくれた方の話)。

伝統的と言えば聞こえはいいものの、かなりの重労働ですね。

続いて仕込み室に行きます。

110年前にドイツで造られた銅製の仕込み窯

こちらがベアレン醸造所の仕込み窯。こちらも110年前にドイツで造られたもので、銅でできています。銅製のものは熱伝導が良かったりといくつかのメリットがあるそう。

しかしベアレン醸造所のように流通量の多いビールブランドとなると、仕込み窯ももっと大きいものがあるんだろうと思っていました。写真で見ると大きく見えるかもですが、実際に見るとおそらく皆さんが期待しているより小さく感じるはずです。

ベアレン醸造所の仕込み室

奥にももう一つ釜があります。あっちは確か、手前の釜で煮沸したものを一旦移し濾過するようなことを言っていましたが詳しくは忘れました。で、その後もう一度手前の釜にただ直し再度煮沸します。

どちらの釜も掃除がえらく大変だそうです。

ベアレン醸造所の発酵室

こちらが発酵室。ここでは珍しくフタのないタンクで発酵させています。こうすることで酵母のエネルギー源である酸素と触れさせることができ、発酵が促進されるということです。

発酵室の奥の壁には鏡が取り付けられていて、タンクの中のようすを見ることができます。素人目にはよく分かりませんが、ガイドさんによれば「1時間前よりも泡立っている」みたいです。

発酵させている時は部屋の酸素濃度が低下するため、僕みたいな素人がふらりと入ると酸欠になるそうです。なので基本的には熟練のぶるわーさん以外は入れません。まあふらりと入ることはないんだけど。

この後は階段を下りて一階に行きます。

ベアレン醸造所で熟成が行われる場所

一階に下ります。写真に写っているのは熟成タンク。ビールの種類によって熟成の期間は異なります。

僕がついたタイミングで、ちょうどタンクの清掃がされていました。タンクの中に人が入ってせっせと掃除をしていました。こりゃ大変な作業ですな。

この後は瓶詰めです。

ベアレン醸造所のボトル洗浄機

まずはこちらの機械で瓶の洗浄をします。

ベアレン醸造所のボトル詰めをする機会

そしてすぐ右隣りにあるこの機会に瓶が流れていき、ビンがビールで満たされます。この後ラベリングがされたビールは、工場の隣にある倉庫で一時保管され、箱詰めされます。

ベアレン醸造所の倉庫前に積まれた樽

樽です。これは空のやつかな。

ベアレン醸造所の倉庫

倉庫は工場とは別の建物なので、一度外に出る必要があります。

ベアレンクラシックを試飲

工場見学じたいは30分もかからずに終わりました。

見学が終わったら試飲の時間です。ベアレン醸造所を代表するビール・ベアレンクラシックのドラフトを頂けます。相変わらずウマいです。市販のよくあるピルスナーよりも重厚感のあるお味。僕はアルトの方が好きですが。

ビール工場の見学+ビールの試飲で500円はかなりお得じゃないでしょうか。

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まとめ

以上、ベアレン醸造所見学の様子をお届けしました。

僕にとっては人生初のビール工場見学だったので、ベアレンクラシックも飲めたしで満足でした。ただしアクセスの悪さがネックなので、盛岡駅からタクシーで行くことをお勧めします。間違っても雪が舞う寒空の下、40分歩くような愚は冒さぬよう……

次は、地元のキリンビールの工場見学にでも行こうかなと思います。大企業の工場も見てみたいです。

<ベアレン醸造所>
〒020-0061 岩手県盛岡市北山1丁目3-31
公式サイト: https://www.baerenbier.co.jp