今までで海外の23ヶ国と74都市を訪れました。基本的には治安のよいヨーロッパの国を旅することが多かったですが、中には少し不安を感じる地域に行くことも何度かありました。

複数人だったことも、一人旅だったこともあります。

それでも23ヶ国と74都市を旅する間、貴重品の管理にはかなり気を使っていた甲斐もあってか、スリに遭ってモノを盗まれたりなどは今のところゼロ。

そんな僕が海外旅行中の貴重品管理のポイントを紹介します。

ちなみにここでいう貴重品とは主に、

  • お金(現金&クレジットカード)
  • パスポート
  • スマートフォン

の3つを指しますが、カメラなど高価なものを含めても良いでしょう(ただしカメラは最悪なくなっても、プロの写真家じゃない限り平気なので判断は任せます)。

【重要】新型コロナウィルスの流行に伴い、各地で入国制限および入国後の隔離等の対策がとられています。詳細は各国大使館等のページを確認していただくとともに、各国の感染症危険状況については、外務省の海外安全ホームページ等をご確認ください。

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現金やクレジットカードは分散させる

ユーロの紙幣の写真
moerschy / Pixabay

海外旅行には、財布を複数用意する。現金を全部取られて途方にくれないための、定番の方法です。

なぜ財布を複数用意させるかというと、現金やクレジットカードを分散させて保管するため。

現金やカード類を一つの財布に集中させてしまうと、もしそれが盗まれたら一巻の終わりになります。

とりあえず用意すべきは、

  • 旅行中にメインで使う財布
  • 分散させるためのサブの財布2~3つ
  • セキュリティポーチ

の3種類。

街歩き用のバッグ(ハンドバッグ)やリュック(デイパック)の中にメインの財布とサブの財布を1つ、サブ財布をバックパックの奥底にもう1つという風に入れておきましょう。

財布それぞれに、何かあった時に足りる分だけの現金やカードを入れておきます。

後の項目でも説明しますが、セキュリティポーチにも現金と予備のクレジットカードを入れておきましょう。

サブの財布やセキュリティポーチに現金をどれくらい入れておくかという問題ですが、とりあえず目的地の国の警察、日本国大使館や領事館に行けるだけの交通費と考えて差し支えないかと。

次の項目でも説明しますが、これだけ財布を使うので、あまり高いものだと大変。

それに、高い(or高そうに見える)ものだとスリをひきつけるなど別のトラブルもあります。財布は安いものを使いましょう。

なんなら財布でなくとも、薄いポーチのようなものでも構いません。

高そうな財布やアクセサリーは使わない

高そうな財布やアクセサリーは、相手に金を持っているよと自ら教えているようなもの。世界的な高級ブランドのものなんてもってのほか。

100均なんかで買った安い財布とかでもOK。なんなら財布でなくとも、薄いポーチのようなものでも良くて、お金を入れられてチャックなどで閉じることが出来ればいいんです。

自分は有名ブランドのものではない革財布を普段用に使ってて、サブ財布に100均の財布やポーチを1つずつ用意しています。

また、必須でないアクセサリーはそもそも持って行かないのが吉。バックパッカーならそもそも持って行かないかもしれませんが。

「アクセサリー」というとネックレスみたいな宝飾品のイメージがありますが、イヤホンとかも当てはまります。

というか、安全のためにも、街歩き中にイヤホンもしない方が得策です。

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セキュリティポーチを使う

みなさんはセキュリティポーチをご存知でしょうか?

旅をする人なら知っているかと思いますが、あまり旅慣れていない人には聞き馴染みがないかも知れません。

セキュリティポーチというのは薄いウエストポーチのようなもので、中に現金やカードなどの貴重品を入れて腰に巻き、その上からTシャツ等を着るものです。

ほぼ完全に体に密着しており、それも着ている服の下にあるものなのでまず盗まれないといってもいいでしょう。

セキュリティポーチには、

  • パスポート
  • 現金
  • クレジットカード

を入れておきます。

「現金やクレジットカードは分散させる」のところでも書きましたが、現金は、たとえば近くの大使館や領事館へ行けるくらいの金額がいいと思います。

ヨーロッパなとカードが普及している国や地域ではカードだけでもなんとかなりますが、念のため現金も入れておきましょう。

最近は防水機能付きだったりスキミング防止機能付きのものもあるので、さらに便利で安心ですね。

ちなみにセキュリティポーチは、むやみに出し入れしてはいけません。セキュリティポーチの中に入れたものは、基本出さないのが鉄則です。

もしどうしてもという時は、かならず人目につかない場所で出し入れするようにしてください。でないとセキュリティポーチの意味がありません。

注意:首から下げるタイプのものは△

セキュリティポーチというと、小さなポーチを首から下げて使うタイプのものを想像する方もいらっしゃるかもしれません。

僕は、この首から下げるタイプのセキュリティポーチはおすすめしません。その理由として、

  • 首のあたりにヒモがあるのが見えてしまう(夏など薄着のときは特に)
  • 首からヒモでぶら下がってるだけなので、服の中で揺れたり動いたりする

冬なんかで重ね着している時は良いですが、夏場など熱い/暖かくて薄着でいる時にこういうことが起きると、ここに大事なものがあるよと周囲に教えてしまうことになりかねません。

そういう意味も込めて、腰に巻くタイプのセキュリティポーチをおすすめします。

スマホや財布は絶対にポケットに入れない

rieo / Pixabay

日本では、スマホや財布などをポケットに入れて出歩いている人をよく見かけますよね。

僕も日本にいる時はたいてい、スマホは基本的にズボンの前ポケットに入っています。

長財布をズボンの後ろのポッケに突っ込んで、半分くらい出ている状態で歩いている人とか(日本でもやめた方がいいと思うけど)。特に若い男性に顕著のように感じます。

これ、海外ではまずやらない方がいいですね。

もしなんらかの事情でスマホ等をポケットに入れなきゃならない時は、入っているポケットに常に手を入れておくなどしておきましょう。

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バッグやリュックは体の前か、少なくとも横に

前に抱えたリュックの写真
Free-Photos / Pixabay

バックパッカーの場合、街歩きをするときはたいてい、重いバックパックを宿に置いてバッグ(ハンドバッグ)やリュック(デイパック)を使うかと思います。

ウエストバッグでも背負うタイプのカバンでも何でも良いですが、基本的に死角になる体の後ろには持って行かないように。

バッグよりもリュック派な僕は、リュックを体の前か、あるいは最低でも体の横にくるようにしています。

横というのは片方の肩で背負うということ。いつでも体の前に回して物が取れる状態になっています。

こうするとファスナーと自分の距離が近くなるので、何か取り出していときにもサッと取れるし、防犯上この方が安心できるから。

ポイントは、リュックのファスナーのツマミを自分の体の前側に近いところに配置すること。

それにプラスして、ツマミのある部分を腕で巻き込めば、容易にリュックの中に手を出せなくなります。

バックパックやリュックのファスナーには南京錠をつけておく

南京錠の写真
Gadini / Pixabay

リュックなどを後ろに背負わざるを得ないときも、南京錠が活躍してくれます。

こうすれば自分が警戒していることを周囲にアピールできるし、何せ簡単には開けられません。駅から宿の移動中など、重いバックパックを背負う時にも有効な手段です。

また、バックパックを宿の相部屋などに置いておく時も、きちんと南京錠をかけておきましょう。

僕が数年来愛用しているCabin Zeroという大容量バックパックは、ファスナーのツマミに南京錠を取り付けやすいデザインになっています。

44Lという圧倒的大容量なのも便利。

Cabin Zeroのファスナーにつけた錠前
[キャビンゼロ]CABIN ZERO バックパック CLASSIC 44L AbusoluteBlack/CZ061201
CabinZero(キャビンゼロ)

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相部屋にバックパックを置いていく場合は南京錠とワイヤーロックを

バックパック1つで旅している場合、ドミトリーのような安宿の相部屋に泊まることもあるかと思います。

そんななか、街を観光する時に荷物の全てが入ったバックパックを持ち歩くのは大変。街歩き用に小さめのリュック(デイパック)等を用意している方も多いでしょう。

その場合は、荷物の大半が入ったバックパックを相部屋に置いていくことになります。

ウズベキスタン・タシケントのドミトリー

貴重品はデイパックに入れていくのを前提として、バックパックはワイヤーロックでベッドなどに固定し、ファスナーに南京錠をかけて開けられないようにしておきましょう。

ワイヤーロックはトラベル用のものでも、よくある自転車のロックでも大丈夫です。頑丈なものを選びましょう。

カギを無くすことを考えたら、カギ式よりも番号式のほうが良いですね。

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基本的に旅行者はマナーが良いことが多いのでドミトリーでスリとかはあまり起こりません(僕は今のところ被害に遭っていません)。

が、こうしておくことでより安心して街歩きを楽しめます。

街歩き中はバッグやリュックの口をつねに握りしめておく

リュックのファスナーの写真
Alexas_Fotos / Pixabay

バックパッカーの方は、軽めのバッグ(ハンドバッグ)やリュック(デイパック)を持って観光に出かけますよね。

荷物の安全は気になるけれど、リュックによっては南京錠を付けられなかったり、荷物の出し入れが多いために南京錠が邪魔になることも。

そういうときにできるささやかな防犯が、バッグやリュックのファスナーの開く部分をつねに握りしめておいたり、腕にからめておいたりすること。

街歩きをしている最中、ファスナーのツマミを2つ(大抵2つありますよね)ガシっと握っておけばよいのです。

「余計なストレスがかかるじゃないか」とのお叱りを受けそうですが、何かを盗まれるよりはるかにマシではないでしょうか?

それに、片手でファスナーの口を握っておくだけなので、意外とストレスはかからないものですよ。

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交通機関で寝落ちしない

ドイツで乗った電車の車内

日本の交通機関ではよく見かけますよね。座席で居眠りをしている人。仕事終わりのサラリーマンとか、授業やサークル終わりの学生とか。

これ、日本ではわりと普通の光景ですが、海外ではやめたほうが良いです。なぜなら寝ている間に盗まれるから。

これは、治安が比較的良いヨーロッパでも同様です。

どうしても眠ってしまう人は、たとえばカフェインを多めに摂取しておくとか、定期的にスマホのまぶしい画面を見るとか、窓の外の景色を食い入るように見つめるなどして対策しましょう。

治安の悪い国や都市、治安の悪い地区を訪れない

わりと理屈が逆転しているような印象を持たれるかもしれませんが、「治安の悪い国や都市、治安の悪い地区を訪れない」のも大事なポイントです。

「治安が良くない場所での身の振り方を知りたいんだろうが」とお叱りを受けそうですが、そもそも治安に不安があるような場所は行かないのがベストです。

冒頭でもお伝えした通り僕は23ヶ国74都市を訪れたのですが、治安が悪いと言われるような国や都市へはほとんど行っていません。

せいぜい、スリなどが頻発するというイタリアのローマやギリシャのアテネくらいのものです。「23ヶ国」の大半も、治安のよい北欧や中東欧が中心。

そもそも治安が良い国や地域(都市)というのは、外務省の海外安全ホームページの地図上で色が塗られていない地域のこと。

地図上で真っ白になっていなくても、「レベル1(黄色)」に分類されているような場所までが妥当でしょう。

東アジアや東南アジアの一部、欧米が「治安がいい地域」に該当しますね。

カルフのマルクト広場の写真

同じ国の中でも、都市や地方によって治安の良さに差が出てきます。人口が少な目の地方都市は、人口の多い大都市に比べて治安のよい場合が多いですね。

また、目立った観光地のある都市も少し注意が必要です。

ヴェネツィアのサンマルコ広場

こんなところや、

プラハの天文時計に集まる人だかり

こんなところとか。

ようは大勢の人が一か所に集まる場所は警戒が必要です(もっとも人通りがなさすぎる場所も注意が必要ですが)。

観光地は強盗とか誘拐など目立つ犯罪がが頻発しない反面、スリのように隠れて行う軽犯罪が横行しがちなので。

また同じ場所でも、時間によっては他の時間よりも思い切り混雑する場合もあります(正午のプラハの天文時計のような)。

治安のよい国に来たとはいえ、油断は禁物です。

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まとめ:盗まれてショックを受けるより、常に緊張感を持ちながら楽しむべき

以上、海外旅行時の貴重品管理のコツをお伝えしました。いかがでしたでしょうか。

これだけ注意事項があるとストレスフルに感じますが、海外旅行とはそういうものです。

気を抜いた状態で観光して、後で盗まれたのが分かってショックを受けるよりも、常に緊張感を持ちながら楽しむべきでしょう。その方が結果的に良いはずです。

最後ですが、一つ重要なことを。

それは、僕が男性であることです。スリなどの軽犯罪は、もちろん男女関係なく起こります。男でも気を抜いているのを察知されたらふつうにスられます。

ただし、女性の方がスリを含めた犯罪の標的になりやすいのも事実です。それは、世界でも治安が良いと言われる日本でもあてはまります。

僕は男性なので、女性の方がどういう対策をすべきかを講じることはできません。が、ここで挙げたポイントは、女性の方でも使えることだと思います(つまりプラスアルファで対策が必要になる)。

以上、海外旅行での貴重品管理のコツでした。

Thumbnail Image Credit: Chebanoo_Natasha / Pixabay