こんにちは。めいげつです。
「聖地巡礼」ってありますよね。小説やアニメに登場した場所を現実で訪れること。好きな小説家がいれば、その出身地を訪れる聖地巡礼もまた乙なものです。
今回は、ノーベル賞を受賞したドイツ生まれの作家ヘルマン・ヘッセ(Hermann Hesse)の故郷、カルフ(Calw)を訪れた記録です。
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1日目:チェコからの長い長い旅路
本来の予定と実際の旅程
チェコのプルゼニ(Plzeň)からカルフへの道のりは、それはそれは長く辛いものでした。とりあえずチケット通りの予定はこちら。
- インターシティ(IC)でプルゼニからチェコ=ドイツ国境近くの町ヘプ(Cheb)まで行く。1時間20分
- 12分待つ
- ヘプでドイツ国鉄の地方電車でニュルンベルクへ。1時間50分
- 20分待つ
- ニュルンベルクからICでシュトゥットガルトへ。2時間10分
- 39分待つ
- シュトゥットガルトからプフォルツハイムへ。30分
- 5分待つ
- プフォルツハイムからカルフへ。30分
計画通りに行けばまだ良かったんです。ところが、
- プルゼニ~シュトゥットガルトまでは概ね予定通り
39分待つ→予定の電車がなぜかなくて1時間10分待ち- シュトゥットガルトからプフォルツハイムへ。30分
5分待つ→電車遅延で乗り遅れ1時間待つ- プフォルツハイムからカルフへ。30分
一番ひどかったのがシュトゥットガルト~カルフ間でのこと。まず乗るはずだったシュトゥットガルト発の電車がなぜか存在せず、30分後の電車に乗る羽目になったせいでプフォルツハイム~カルフの電車に乗れなくなる。
そしてその「30分後の電車」が遅延したせいでプフォルツハイム~カルフ間の次の電車にも遅れ、1時間も待ちぼうけ。ホテルに電話したところチェックインを快く受けて下さったので事なきを得ましたが、さすがにキレました。
シュトゥットガルトを垣間見る
さて、閑話休題。
シュトゥットガルトではある程度時間があった(30分くらいだけど)ので、少し町の様子を見ることが出来ました。
あまり時間を潰し過ぎて電車に乗り遅れるのも嫌なので、新宮殿のあたりまで行って引き返すことに。
バンベルクの新宮殿と様式が似ている気がします。
ネオクラシック様式の宮殿かなと思いきや、こちらはモダンなショッピングモールでした。
変なオブジェがあると思ったら、こちらは現代美術館でした。
目抜き通りを行ったり来たりしただけですが、シュトゥットガルトはなんとなく安全で雰囲気がよさそうな気がしました。短い時間でも町の雰囲気を感じられて良かったです。
もしかして辿り着けない?
ただこの後駅に戻ってみると、乗る予定の電車が電光掲示板に表示されていない……! 「このままじゃたどり着けない……!」と思い慌ててインフォメーションで確認すると、30分後=19時ごろの電車に乗れることに。
つまり、その次にプフォルツハイムで19時過ぎに乗る予定だったカルフ行きの電車にも乗れなくなるってこと。
重いバックパックを背負いながら30分時間を潰しました。そしてようやく電車に乗れたと思ったら、その電車も見事に遅延し本来の到着時刻よりも6分ほど遅れてプフォルツハイム駅に到着。
カルフ行きの電車、また逃しちゃった。これカルフまでたどり着けるのか……? 着いてもホテルに入れないんじゃ……?
ホテルのチェックインは本来19時までだったので、事前に20時まで待ってもらうことに調整していました。ダメ元で電話したところ、到着時に電話すれば入れてもらえるとのこと。よかった。
次の電車が来るまで1時間ほど、プフォルツハイム駅で待ちぼうけです。近くのドイツ料理レストランに行こうかと思ったものの、遅くなると困るので駅のベーカリーでサンドを買って駅で食い漁りました。
20時半ごろようやく電車が到着。21時過ぎにカルフへ到着しました。本来7時間半ほどの旅路だったはずが、出発から9時間経っていました。長かったなあ。
ホテルについたところで電話。すると女性がやってきて扉を開けてくれ、無事チェックインできました。ドイツ語オンリーだったので少し大変だったけど。
その後はここから少し離れた、坂の途中にあるショッピングモールに入っているスーパーREWEで食料を買いディナーとしました。
2日目:ヘッセの美しき生まれ故郷を散策する
木組みの家々が美しい旧市街
こちらが今回カルフで泊まったホテル、Alte Post(アルテ・ポスト)。実は『車輪の下』の主人公ハンス・ギーベンラートの家なんだとか! 知ってて予約したわけではないので、何たる偶然……!
窓の上の看板には「Gasthaus zur Post von H. Giebenrath」と書いてあります。
ただ、小説を読む限りだとこんな大きい家だっていうイメージはなかったなぁ。
小さな礼拝堂とヘッセの銅像があるのはニコラウス橋(Nikolausbrücke)。『車輪の下』でも頻繁に登場し、ハンスが釣りを楽しんでいる橋はおそらくここでしょう。
ちなみにHotel Alte Postの真ん前にあります。
ヘッセは、僕より少しだけ背が高かったです。彼の視線の先は、もしかしたらマルクト広場にある彼の生家でしょうか?
ここはヘルマン・ヘッセ広場(Hermann-Hesse-Platz)という名前の広場。木組みの家々が可愛らしい。ここにはカフェやホテルなんかもあります。
マルクト広場(Marktplatz)です。この日はとても天気が良く、その上広場には多くの露店がでていて活気がありました(人は少なかったけど)。
実はこの写真に映っている右から2番目の家が、ヘッセが生まれた家。その入り口の脇には、
ここのモニュメント(記念碑?)が。
一番上にはヘッセの横顔、真ん中には「この家にヘッセ家が1874~1881年の間住んでいました」と書かれていて、一番下には「この家で1877年7月2日にヘルマン・ヘッセが生まれました」とあります。
現在この家は、Mode Schaberという衣料品店が入っています。(どうせならここをヘッセ博物館にすればよかったのに)
旧市街の中心部には町の模型があります。
カルフ市の福音協会。ここでヘッセは洗礼を受けたようです。残念ながらウィルスの影響で閉まっていました。
ヘルマン・ヘッセ博物館
ヘルマン・ヘッセ博物館(Hermann Hesse Museum)。この家は1813年に建てられた、通称「シュッツ邸(Haus Schütz)」。
入場料は大人一人5ユーロ=610円。日本語の音声ガイド付きです。
ロッカーにリュックを預けてさあ観光。ここではヘルマンヘッセの祖父や両親から、ヘッセ自身の生涯を、彼の残した手稿や写真などとともに詳細に知ることが出来ます。
僕がヘッセ作品で最も好きな『シッダールタ(Siddhartha)』もありました。
今回来られなかったヘッセファンの友達へのお土産に、ドイツ語で書かれたヘッセの詩集を購入。
その後は旧市街の北にあるスーパーで食料を調達し、ホテルの部屋でランチにしました。そして睡眠不足を補うために少し午睡をしました。
「黒い森」を散歩する
さて、旧市街はある程度散策したし、ヘッセ博物館も行ったしで割と手持無沙汰に。まあせっかく有名な黒い森=シュヴァルツヴァルトの近くまで来たので、森の中を歩いてみることにしました。
これまでずっと町中にいたからか、30分も歩いてなくても、気分がかなりすっきりしました。森林浴ってやっぱりいいですね。
雰囲気のある小径。見て分かる通り教会のわきに出ます。
ヨーロッパの旧市街って、夜のとばりが落ちつつあるくらいの時間帯が一番好きだったりします。まだ完全に暗くはなってないけれど、温かい明かりが点き始める時間帯。
日が出ている間はあれだけ露店で賑わっていたマルクト広場も、さすがにほとんどの店が撤収して静かになっていました(まあ昼間もうるさくはなかったけど)。
昼間に行ったスーパーで食材とビールを買い、ホテルの部屋で食って寝ました。明日は出発です。
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3日目:カルフ出発
チェックアウトは11時まで。カルフ発ハイデルベルク行電車の出発は11:50発。それまでの時間、受付でホテルの管理人さんご夫妻と会話を楽しんでいました。日本語版のヘッセの本を見せたりして。
そういえばこのカルフの綴り(Calw)って、全然ドイツ語っぽく見えないよね。
さあ、2両編成の短い電車に乗って出発。プフォルツハイムとカールスルーエで乗り継ぎ、ハイデルベルクへ向かいました。
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