「一万円札」って英語ですらっと言えますか? なら「34万7千円」は?

日本語とヨーロッパの言語の間には大きな違いがありますよね。

特に英語と日本語の違いって大きすぎると思いませんか。さすがユーラシアの東と西で話されている言語なだけあって、発音、語彙、文法、背景の文化も何もかもが違いすぎます。

僕自身英語はある程度話せるのですが、 未だに慣れない違いがあります。

それが数字。単に数字といっても1、2、3とか10、100のレベルではなくて1万とか100万の次元の話です。

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万進と千進

※※万進とは書きましたが「恐れずに突き進む」という意味の邁進(まいしん)とは異なります。万進は命数法(めいすうほう)の1つです。※※

外国語を学ぶんでいると、発音や言葉の意味など様々な点で母語との違いを強く実感しますね。それらの点には「数字」ももちろん含まれます。

1000まではヨーロッパ言語と日本語ではほぼ違いがなく全く問題ないのですが、 問題はそれより大きい数の場合。ヨーロッパ言語と日本語では1万以上になると数字の切り取り方が違ってきます。

日本語英語
1,000thousand
10,0001万ten thousand
100,00010万hundred thousand
1,000,000100万million
10,000,0001000万ten million
100,000,0001億hundred million
1,000,000,00010億billion
10,000,000,000100億ten billion
100,000,000,0001000億hundred billion
1,000,000,000,0001兆trillion

英語を学んだことのある方ならみなさん知っておられると思いますが、こんな風に英語の場合はhundredつまり1000の桁に辿り着いた時点で単位が変わります(one thousand thousand → million)。が一方、日本語では1000の桁まで数えたあとに単位が変わります(1万万 → 1億)。

数字のコンマ打ちは、基本的に英語の数え方に一致しています。

ウィキペディアによると、千より大きな数をいうときに、日本語のように4桁ずつ区切るような数字の呼び方を万進(法)というようです。

となると、英語のように3桁ずつに区切る言い方は千進ともいうべきでしょうか。

英語を学びたての日本人にとっては、この千進がなかなかやっかいです。

英語を書く時ならまだましなのですが、話すとなるとけっこう頭を使います。1万2千だったら、コンマを右に1つずらして12,000に変換しtwelve thousandと言わなきゃいけないし、15万3千なら105,000でone hundred fifty three thousandですよね。ややこしくてたまりません。

千進法は英語だけでなく、フランス語やフィンランド語などの他のヨーロッパ言語でも基本的には同じです。

ショートスケールとロングスケール

先にあげたヨーロッパ語の例をもう少し深く掘り下げてみましょう。

まずフランス語の大きな数字はこんな感じになっています。

日本語フランス語
1,000mille
10,0001万dix mille
100,00010万cent mille
1,000,000100万million
10,000,0001000万dix millions
100,000,0001億cent millions
1,000,000,00010億milliard
10,000,000,000100億dix milliards
100,000,000,0001000億cent milliards
1,000,000,000,0001兆billion

続いてフィンランド語。

日本語フィンランド語
1,000tuhat
10,0001万kymmenen tuhatta
100,00010万sata tuhatta
1,000,000100万miljoona
10,000,0001000万kymmenen miljoonaa
100,000,0001億sata miljoonaa
1,000,000,00010億milijardi
10,000,000,000100億kymmenen miljardia
100,000,000,0001000億sata miljardia
1,000,000,000,0001兆biljoona

フィンランド語は、ウラル語族という英語やフランス語とは別のグループの言語なのですが、英語やフランス語と同じく千進を採用しているようですね。

さてフランス語とフィンランド語の表を見た方、「あれっ?」と思いませんでしたか? 10億のところ。

英語だと10億はbillionなのに、フランス語とフィンランド語はそれぞれmilliardとmiljardi(まあ同語源でしょう)となっていて、1兆になってようやくbillionとbiljoonaが登場します。

おっと、さらにややこしくなりそうだぞ。

上で挙げた3つのどの言語でもmillion単位までは同じですが、十億以上では英語とほかの2言語では異なってきています。

英語のように、millionの次の単位がbillionとなるのをショートスケール(short scale)といい、ここであげたフランス語やフィンランド語のようにmillionの次にmilliardやmiljardiが来るのをロングスケール(long scale)というようです。

milliardやmiljardiはもともとthousand million(一千百万=十億)という意味だったようです。millionを境に単位を代わるベースとなるのが百から千に変わったわけですね。これはややこしい。

ちなみに十億の次は英語ではtrillionですが、フランス語にはbilliardという単語があったりします。まあ数があまりに大きいので耳にする機会もなく、現在使われているのかどうかは不明ですが。

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まとめ:英語を学ぶなら数字の区切り方も意識しよう

……と、結構脱線してしまいましたが、日本語と英語では一万以上のケタの区切り方が違ってややこしいね、という話をしました。

先ほども少し書きましたが、数字を書く時も基本的には千進法の数え方にしたがってコンマをうちますよね。

あれも日本語の数え方と相容れないので、今でも読むのに苦労します(まあ慣れればどうってこともないんでしょうが……)。

僕は小学生の時に日本語の数え方でコンマ打ちを習ったことがあるのですが、日本人にとってはその方が明らかに馴染みやすい気がします。

1,o82,347,598

1o,8234,7598

今は日本語で記事を書いていて頭が完全に日本語モードなので、何となく後者の方が読みやすいなと思ってしまいます。

今日は英語と日本語の数え方について、思ったことを書いてみました。

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