海外留学。やはり気になるのは、お金のこと。
留学を前にしている方は情報収集に明け暮れているかと思いますが、それでも現地での生活については、実際に現地で生活してみないと分からないもの。留学前は色々な不安があると思います。
そういう方の助けになればと思い、僕がヘルシンキにいた頃の1ヶ月の生活費を公開します。
その他毎月でなくとも留学のためにかかる費用も書いておきましたので、現地での出費さらには留学全体にかかる費用のイメージがつけばいいなと思います。
なお上でも書きましたが、これはヘルシンキに学生として住んだ場合の生活費です。ヘルシンキ以外の町ではもちろん家賃など諸々の細かい事情が違ってきますし、学生は色々と優遇されていて働いている人より安く済む場合が多いので、そこはご留意ください。
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フィンランド、ヘルシンキ留学中の1ヶ月の生活費
この「とある月」は、時期としては留学生活にもある程度慣れて、勝手がわかるようになって落ち着いてきたころです。
ライフスタイルとしては、カフェに時折通いつつ、勉強にいそしんでいる。中心街のバーで飲んだりとかパーティーに行ったりとかはせず、旅行にも行かずに静かに過ごしている感じです。
なので僕がヘルシンキで過ごした10ヶ月の中では、出費が安く済んだ方です。遊びに行きまくったり旅行に行ったら当然出費はかさみますので注意してください。
家賃
- 約5万円(毎月)
家賃は決まって毎月414ユーロでした。ただ年明け(因みに僕は9月出発です)から417ユーロに値上がりしましたが。
水道電気光熱費さらにネットも込みで約5万円なので、場所によっては東京で学生するより安いと思います。
冬に暖房を使う関係で冬の間だけ家賃が上がる場所もあるようですが、ここではそういった値上がりもありませんでした(上の3ユーロの値上げはたしか別の理由でした)。
僕が住んでいたのはHOASという業者が提供していたシェアフラットです。シェアフラットというのはキッチンとバスルーム、トイレ、居間といった共有スペースと各個人の個人部屋あわさった形式の住まいです。
シェアフラット全体の面積は75平米ほどで、3人でシェアする形。個人部屋の面積は13平米強。
僕の家があった場所はヘルシンキの東の端っこにほど近い、メリ=ラスティラ(Meri-Rastila)という地区です。ヘルシンキメトロの終点であるヴオサーリ(Vuosaari)の一つ手前。
中心街から離れてはいるのですが、メトロの駅は家のドアから歩いて1分。大学のある中心街へは駅からメトロ20分ほどで行けるので、なかなかの好立地でした。しかもすぐ近くに森があるくらいなので非常に静かで居心地のいい住まいでした。それを考えるとこの家賃は決して高くないです。
もちろん住む場所や業者によって事情は異なるので、あくまで参考程度に。ヘルシンキ大と直接提携しているのはHOAS以外にもUnihomeという業者がありますが、こちらは一人部屋がメインのため高くなりがちです。
そしてもちろん、アパートの場所が町中に近づくにつれ高くなります。安く抑えたい人は、中心街からそれなりに離れた場所の、シェアフラット辺りを検討しましょう。
食費
- 合計約3万6070円
- うち、外食やカフェで使ったお金……4,925円
一人暮らしの食費にしては高いですね。
僕はいわゆる学食であるユニカフェ(UniCafe)のヘビーユーザーだったので、ランチは基本的にそのユニカフェで食べていたので結構食費がかさみました。平日の昼間は基本的に大学にいて昼食は作れないので、しょうがないといえばしょうがないかな……
ユニカフェ以外にも、ヘルシンキ大学駅近くのスーパーで昼食にサンドイッチを買ったりもしていました。正直安くはないです。
ただし、朝食と夕食は毎回自炊でした。僕は結構な大食らいなので、あまり作りだめとかはしなかったですね。よく作ったのはパスタ。たまにピザやインスタント焼きそば(日清のSOBAというものがあります)を食べたりはしていました。
それなら食べる量減らせばいいだろと思うかもしれませんが、何分腹が減っては戦ができない性質でして。
ちなみに食品を買うならS-Market、K-Market、Alepaなどのスーパーが一般的ですね。ドイツ系のLidlではこれらの3つのスーパーよりも安く買えますが、たまに質の悪いものがあるので注意が必要です。
日用品
- 合計約1,935円
僕の場合、石鹸とかシャンプーなどの消耗品の消費スピードが
驚くほど 遅いようので、あまり頻繁には買いませんでした。
この時買ったのも、あったら便利だなーと思った輪ゴムとか、ちょうど切らしていたトイレットペーパーやシャーペンの芯、BBQで使う紙皿くらいのものでしたし。
携帯料金
- 約2,200円(毎月)
通信費とくに携帯料金は、留学前いくら情報収集しても自信が持てなかったことの一つでした。
実を言うと、フィンランドでは携帯料金が安く済みます。それもデータ量無制限で。
フィンランドでは基本的にSIMフリーの携帯にSIMカードを入れて使うのが一般的。僕は日本にいた頃からSIMフリーのAndroidを使っていたので、その携帯をそのまま使いました。
SIMカードのブランドはいくつかありますが、僕が使っていたのはエリサ(Elisa)という会社のSaunalahtiというSIMカードです。そこでネットのみの月額19.9ユーロのプランに申し込みました(Saunalahtiユーザーならこちらのページで申し込み&支払いができます)。
僕は電話をほとんどしないし、したとしてもラインやWhatsApp等のアプリを使ったので、ネットのみのプランで何も問題ありませんでした。料金設定はどのブランドも大差ないと思われます。
それでいてデータ量無制限なので、町中でいくらYouTubeを観ようが大丈夫。その点、フィンランドのIT先進国ぶりを感じましたね。
日本でありがちな2年契約とかもないです。1ヶ月単位で契約できます。これ、日本でも広まるといいなあ。
ちなみに僕のようにネットのみの場合、当たり前ですが電話は別料金になります。Saunalahtiのサイトでクレジットカードを使ってお金をチャージできますので、電話をしたい時のためにある程度チャージしておきましょう。チャージはスーパーのレジでも可能です。
交通費
- 約2,818円(毎月)
僕は住んでいるところが中心地から遠かったので、通学定期券のようなものを買いました。最初のオリエンテーションの時に半年分一気に買った(11,980円ほど)ので、それを6で割った値段がこちらです。
この定期券をもっていると、ヘルシンキ市内の公共交通機関をいくらでも乗り回せます。
公共交通機関はHSLが運営するメトロ、トラム、バス、そしてスオメンリンナ島へ行くフェリーの4種類。ヘルシンキ中央駅から出る長距離列車も、ヘルシンキ市内から出ないかぎり追加料金なしで乗れます。
なので歩き回って足が疲れた時や、ヘルシンキ市内でもちょっと遠い所に行きたい時は、その辺を走っているバスやトラムにひょいっと乗っていくこともできます。
ただ、ヘルシンキ市から出てしまうと別途追加料金が必要になります。例えばお隣のヴァンター市内にあるヘルシンキ・ヴァンター空港に行くときや、あるいはエスポー市にあるアールト大学に遊びにいく時など。
乗った駅から降りる駅までの距離で運賃を計算する日本とは方式が異なるので、注意してください。慣れるととても便利なものですよ!
服飾費
- 約500円。
服はほとんど日本から持って行ったものを気通したので、現地ではほとんど買っていません。
この時はH&Mで冬用のニット帽を買っただけです。寒くなると耳がキンキンに冷えて痛くなるので購入しました。冬が長いフィンランドでは非常に重宝しましたね。
交際費
- 約800円。
サウナ代。どこのサウナかは忘れました。おそらくヘルマンニ地区の公共サウナに友達と行ったときのものだと思いますが、正直はっきりとは分かりません。
僕は外で遊ぶよりかはバーでまったり飲んだり旅行したりする方が楽しい人種なので、「交際費」という括りではそんなにかからないです。
医療費
出発前に海外留学保険の分を払った以外はゼロでした。
フィンランドは医療費が無料でかかからなかったという訳ではなく、僕が病院にかからなかったためです。留学中の僕は数回風邪ひいた以外は健康そのものでした。
毎月じゃないけど必要な費用
海外留学保険(全員必要)
- 13万7730円(1年間)
海外に留学に行く人は、全員保険に入ることが必要になります。保険に入っていないとビザの審査にも響くので、必ず保険には加入するようにしましょう。
僕は大学が推薦している海外留学保険をそのまま使いました。探してみれば、おそらくもっと安いものがあると思います。
ビザ(在留許可)申請料金(全員必要)
- 3万8400円(電子申請)/4万6100円(書面での申請)
- 2万8200円(18歳未満)/3万2000円(書面での申請)
在留許可の申請料金については全く覚えておらず記録もなかったので、大使館のページで確認しました。2019年1月時点のものです。
ご覧の通り、ネット上で申請するだけで8000円ほどの節約になるので、絶対に電子申請を使いましょう。
ネットだろうが書面で申請しようが結局大使館に1度は赴かなければならないので、遠方に住んでいる人は大使館までの交通費も忘れずに。
※これは2019年1月時点の情報なので、詳細や最新の情報については、大使館のサイトで確認するか、大使館に直接問い合わせてみてください。
パスポート申請料(人による)
- 5年間有効なパスポート……11,000円
- 10年間有効なパスポート……16,000円
当然のことですが、パスポートを持っていない人はパスポートを発行する必要があります。これがないと日本国外に出れませんからね。
僕は高校の修学旅行の時に5年のパスポートを既に作っていたのでかかりませんでしたが、人によっては交換留学が初めての海外という人もいるかもしれません。あるいは既に持っていたパスポートの期限が切れていたという人もいるでしょう。
※これは2019年2月時点の情報です。最新の情報は外務省あるいは各自治体のホームぺージを参照してください。
住居のデポジット(たぶん全員必要)
- 5万8000円(1回)
HOASの住居を選んだ方は、全員デポジット(預り金)を事前に払うことになると思います。だいたい家賃1ヶ月分を余分に払っておいて、契約が終了し出ていくときに住居に何も問題がなければそのまま返還されるお金です。
僕の場合は500ユーロで、およそ5万8000円でした。確かメールが届いてから一週間くらいしか時間がなかったので、焦って銀行の窓口に駆け込んだ記憶があります。
航空券(全員必要)
- 合計14万9880円(往復+α、1回)
もちろんこれは必要。いくらフィンランド留学が決まっても、実際に現地に行かなければどうあがいても留学は始まりません。
僕は初ヨーロッパということもあり、直行便で成田からヘルシンキに行ける便を選びました。キャリアはフィンランド航空です。
航空券自体は往復で13万9880円だった(ユース料金適用)のですが、帰国1ヶ月前に帰国便の日にちをずらすのをフライト予定日の前日までに忘れていたせいで、急に変更したため1万円ほどかかってしまいました……
5月の中旬ごろにフィンエアーのアプリを開いてみたら突然「明日は東京行きの便だよ」と出てきて冷や汗をかいたものです。みなさんはこういったミスはくれぐれもしないように……
あと一時帰国をする人は、その時日本と現地とを往復する分のチケット代がかかりますのでご注意ください。
ホテル代(人による)
- 計2万5520円(推定)
ホテルが必要かは人によります。僕がホテルを使ったのは初日と最終日の前日です。
まずは初日。ちょっと到着日の関係でホテルに泊まらざるを得ませんでした。
HOASの部屋に入居する場合、まずHOASの事務所にカギを取りに行かなければなりません。
ただ僕が到着した日は日曜日だったので、あいにく事務所は閉まっていました。それでその夜に限ってホテルに滞在することにしたのです。一泊1万2760円。まあ今後はそんなに贅沢もできないだろうと、泊まってみたかったホテルで一日だけ観光客気分に浸りました。
そして2度目にホテルに泊まったのが現地最終日の前日。最終日にドタバタするのは嫌だったし、その日もカギを返したり本を売ったりと中心地でやることが結構あったからです。ある意味一時的な拠点として、そして最後の贅沢としてホテルに滞在することにしました。
この時の宿泊料金の記録がどうしても見つからなかったので初日と同じということにしました。ちなみに泊まったホテルはどちらも同じホテルで、ヘルシンキ大学駅のすぐ近くにあるスカンディック・カイサニエミ(Scandic Kaisaniemi、旧Hotel Cumulus Kaisaniemi) です。
定期券
- 1万9800円
定期代については、記事の上のほうで1ヶ月分を算出したものを載せました。
でも、定期券って基本的に何ヶ月分かまとめて買いますよね。
僕はヘルシンキに着いてすぐのオリエンテーションの時に半年分、それが切れた時に3ヶ月分買ったので、合計1万9800円でした。これ9ヶ月分ですよ。神奈川から東京の大学に通う僕の定期券1ヶ月分強です。まあヘルシンキが小さい町だからでしょうが、移動にお金がかからないって良いですね(その分航空券代に飛んでるけどね)!
旅費
旅行に行くのなら、以上の出費にプラスして飛行機代やら宿泊費やら食費やらがかかります。
ヨーロッパに来たのなら旅行ぜひ行きたいものです。ヨーロッパに住んでいれば他のヨーロッパ諸国へはすぐに行けるので、ぜひこの機会を活用してほしいですね。
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生活雑貨はClas OhlsonとFlying Tigerが便利。
ヘルシンキに着きました。いざフィンランド留学が始まろうとしています。でも家には机とベッドフレーム以外何もありません。
……そんな状況だと非常に不安になると思います。生活するにはいろいろと道具がいりますよね。しかも勝手を知らない異国の街となると、何をどこで調達すればいいか分からず不安でいっぱいになります。
食料品なら市内にあるスーパーで何とかなりますが、意外と分からないのが日用雑貨が買える場所。掃除道具とか、キッチン用品とか延長コードとか。僕はどこでそういった日用雑貨の調達場所が分からずかなり困りました。
前置きはここまでにして結論をいいますと、ヘルシンキで生活雑貨を探すならClas Ohlson(クラス・オールソン)かFlying Tigerが便利です。
Flying Tigerは日本でもお馴染み、デンマーク生まれの雑貨ブランドです。ヘルシンキのいたるところに店舗がありますし、何より安くてそれなりに質が良いので助かります。
Clas Ohlsonはスウェーデン生まれの生活雑貨チェーンで、Flying Tigerに比べて店舗数が少ないけれどお店の1つ1つが大きく、基本的に必要なものは何でも揃います。調理道具や延長コードはもちろん、電灯、アウトドア用品、旅行用に役立つグッズに至るまで売っています。
ヘルシンキで新生活を始める皆さん、必要な生活雑貨はこの2つのお店を利用しましょう。
あ、IKEAもいいんですけど、なんせ場所が遠いです(ヘルシンキにはなく隣町のエスポーかヴァンターの辺鄙な場所にしかありません)。無料送迎バスが出ていますがやはり時間がかかるし、遠い分持ち帰りなんかが大変です。
その点、上で挙げたお店なら中心街に出れば行けるので便利ですよ。さすがにベッドとかはIKEAじゃないと買えないけど。
まとめ:留学中の生活費は計画的に
以上、フィンランド留学中の生活費1ヶ月分を公開しました。「毎月じゃないけど必要な費用」を除外すると合計は9万4323円になります。
これ結構少ない方です。この時は旅行のようなお金がかかるようなアクティビティがほとんどなかったため出費が意外と少なくて済みました。逆にそれ以外の月は外食費や交際費がかさんだり、旅行をしていてもっと高くなりました。
最後になりますが、留学する方はぜひJASSOの海外留学支援制度(協定派遣)のような留学のための給付型奨学金を利用することをおすすめします。
留学先によって受け取れる額は変わりますが、僕の場合は毎月8万円ほどもらえました。この月の場合はほとんどの出費を奨学金でカバーできていますね。
このように奨学金などをもらえれば浮いたお金を旅行資金にあてたりもできるので、知らなかった、と言う人は申請してみてください。こういうのは見つけたもの勝ちです。
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