こんにちは。リトアニアも何気に好きなめいげつです。

リトアニアには、カウナスの杉原ハウスやシャウレイの十字架の丘、規模の大きな美しい旧市街のある首都ヴィリニュスなど有名な観光名所があります。

それらの有名な観光地と並んでもう一つおさえておきたいのが、ヴィリニュスから少し離れたところにあるトラカイ城。中世ヨーロッパのロマンを感じさせる美しい城で、ぜひ足を運んでいただきたい名所です。しかも3月には、まれに深い霧に包まれたミステリアスな城と化します。

以下、実際に現地で撮った写真と観光情報とともにお届けします。

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トラカイ城の地理と歴史

トラカイ城(Trakų salos pilis)は、リトアニアの目玉観光地の一つ。リトアニアの首都ヴィリニュスから30kmほどの場所にあります。バスでは30~45分で最寄りのバスターミナルに到着します。

トラカイ城はガルヴェ湖(Galvė)という湖に浮かぶ島の上に建っているので、「トラカイ島城」とも呼ばれます(事実、英語ではTrakai Island Castleです)。

城の歴史は、14世紀(1300年代)の後半にまでさかのぼります。城の建築を指示したのは当時のリトアニア大公ケーストゥティス(Kęstutis)といわれ、彼の子であるヴィータウタス大公(Vytautas Didysis)の時代に完成しました。

15世紀初頭に始まったタンネンベルク(グルンヴァルト)の戦い(Žalgirio mūšis/Schlacht bei Tannenberg/Battle of Grunwald)にポーランド・リトアニア連合軍は勝利し、ドイツ騎士団を追い払います。その後はトラカイ城の軍事的な重要性が薄くなり、大公の邸宅としての役割を果たすようになりました。

しかし17世紀半ばのモスクワ大公国とポーランド・リトアニア共和国の戦いの後、城は荒廃。城は再建されることもなく、トラカイの町も廃れてしまいました。そして18世紀末、3度にわたるポーランド・リトアニア分割により、リトアニアは完全に領土を失います。

トラカイ城に転機が訪れたのは19世紀のロマンティシズムが興ったときで、中世に隆盛を誇ったトラカイ城にも興味のまなざしが向けられました。そして前世紀にポーランド人建築家ボロフスキ(Borowski)監督のもと再建工事が行われました。今僕たちが見ることのできるトラカイ城のほとんどは、全盛期に再建されたものなのですね。

6815560 / Pixabay

僕が撮った写真ではありませんが、夏ごろのトラカイ城はこんな感じ。空と湖の色と、お城の赤い色とのコントラストが美しいです。北ヨーロッパのハイシーズンである夏に行けばこのような景色がみられることでしょう。

ですが僕がトラカイ城を訪れたのは3月。バルト三国の冬は寒く天気がすぐれないことが多いですが、また違った風貌を見せてくれます。

僕(と同行者2人)は地図中のバスターミナルでトラカイ行きのバスに乗り、トラカイ城を目指しました。バスの時刻表は、ここから少し離れた市庁舎広場にあるインフォメーションで聞けば見せてもらえるはずです。

夜のヴィリニュス旧市街の中心

夜のヴィリニュス市庁舎広場。近くにインフォメーションがある

トラカイ城への道:森と湖と聖マリア聖堂

トラカイのバスターミナルからトラカイ城まではかなり距離があり、40分ほど森の中を歩く必要があります。

バスターミナルとトラカイ城のちょうど真ん中の辺りに、カトリック教会があります。聖マリア聖堂(Trakų Švč. Mergelės Marijos Apsilankymo bazilika)です。この写真だと小さく見えますが、けっこう大きくずっしりとしています。

こちらが聖マリア聖堂の内部。カトリック教会らしい細かい装飾がところどころにみられますが、聖堂(basilica)と名のつく割には質素な印象。トラカイが小さな町だからでしょうか。大きな町の中心にある大聖堂はまさに豪華絢爛といった感じなので。

トラカイ城までの道中には、このようなレンガでできた建物がいくつかあります。これは普通の家なのか、お城のように何かの役目を持った建物なのかは分かりません。

3月のリトアニアは寒いです。が、湖はほんの一部が凍っているだけだったので、そこまで厳しい寒さではないようです。

 

ここまでモノクロだった世界に、突如現れた赤銅色。トラカイ城が見えてきました。

トラカイ城が建っているのは湖の島の上。そこに行きつくまでに他の島をいくつか経由するので、このような橋を何回か渡ることになります。

リトアニアらしい三角帽子をかぶったような、赤レンガのお城がその威風堂々とした姿を現しました。リトアニアらしいというのは、実はカウナスにあるカウナス城も赤レンガ&三角帽子だったから。

フィンランドに多いタイプの城ともまた違っていて面白いです。

入り口のところで入場料を購入します。大人なら一人8ユーロ、学生や小人は一人4ユーロです。

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中世の城の中を観光する

 

正門を通って中に入りました。中は意外と広々としています。

入り口から正面やや右手にある建物。日本のお城でいう本丸のようなものでしょうか。

この壁にあるドアのいくつかには実際に入ることができて、お城の住人たちが使っていたであろう道具や調度品、そしてお城のミニチュアなどが展示されています。

左の写真にうつっているのはおそらくパイプでしょう。中欧がいかにも貴族が使っていそうな扇子、そして右の写真の、トラカイ城のミニチュア。ここには写っていませんが、食事で使うようなお皿やコップなどの品々もありました。

本丸の手前にある階段を上りました。中庭の全体を見渡せます。すこし霧がかかっていますね。

いざ、本丸に入ります。ボスの棲む城に向かう勇者の気分です。空を分厚く覆った雨雲が物々しさ増加させます。

本丸の中にやってきました。この雰囲気、まさに中世を舞台にしたファンタジー作品に出てきそうです(まあ実際に中世の城なんだけど)。気が付いたら鎧の騎士たちが走り回っていそう。

ここにもトラカイ城のミニチュアが。本丸の建物の中には、中世の時代に使われていた武器や防具が置いてあったり、トラカイ一帯の地域の歴史に関する展示などがありました。

もちろん上の階に登ることもできます。

屋根の方になにか数字が見えたので、カメラでズームをしてみたら1960とありました。何の数字なのかは不明です。

トラカイ城が霧に包まれる

しばらく本丸の内部にいたせいで気づかなかったのですが、外に出ると一面に霧がかかっているのに気がつきました。

霧は最初はそこまで濃くなかったのですが、時間がたつにつれどんどん濃さを増していき、

城を出るころには100メートル先も見えなくなるくらいの濃霧になっていました。

橋の反対側まで行けば、トラカイ城はもうすっかり霧の中。見えるのはレンガの色と城のシルエットだけ。ミステリアスでなかなか乙な写真が撮れました。

 

いかがでしたでしょうか。夏は名一杯の緑と湖とのコラボレーションが美しいトラカイ城。ですが冬の霧に包まれた三角頭のお城もまたミステリアスで面白いと思いませんか。

トラカイ城自体は、とても面白い観光スポットです。見た目も質素ながら格好いいけど、内部の展示物もお城の歴史も面白いです。同行者の片割れはあまりに気に入ったために、数ヶ月後家族が来た時にもう一度訪れていました。僕もぜひみなさんにおすすめしたい観光スポットです。

僕がリトアニアに興味を持つきっかけになったのが、グラフィック社から出ている、口尾麻美さんの著書『旅するリトアニア』。トラカイ城や十字架の街シャウレイだけでなく、リトアニアの様々な地方での旅と人々との触れ合いを描いた本。

この記事で紹介したトラカイ城や、リトアニアのピンク色の冷たいスープ・シャルティバルシチャイを知ったのもこの本のおかげ。シャルティバルシチャイのレシピのあります。素朴で美しいリトアニアの風景を映した綺麗な写真で、読んだ人をこの不思議なバルトの国リトアニアに誘ってくれます。

冬のバルト三国を旅する際は、防寒をしっかりしてください。日によっては尋常でなくくらい寒くなりますので。

トラカイ城(Trakų salos pilis/Trakai Island Castle)
Karaimų Str. 43 C, Trakai, Lithuania
営業時間(時期によって異なる):
3~4月、10月:火~日10:00~18:00
5~9月:毎日10:00~19:00
11~2月:火~日9:00~17:00
http://www.trakaimuziejus.lt/en

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