プリトヴィツェ湖群国立公園は、クロアチアの目玉観光地の一つ。アドリア海の真珠ドゥブロヴニクや青の洞窟などただでさえ魅力の多いクロアチアでも注目を集めるスポット。
僕がクロアチア旅行を計画していた時は、ここだけは絶対に逃すまいと、4日間と短い日程にも拘わらずかなり強引に旅程に組み込みました。
時間にあまり余裕がなかったので、スプリットから日帰りのツアーに申し込みました。
僕がここを訪れたのは5月。初夏、瑞々しい新緑が生き生きと輝く、プリトヴィツェ観光にはうってつけの時期でした。以下、様々な顔を見せるプリトヴィツェ湖群国立公園を写真でご紹介します!
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プリトヴィツェ湖群国立公園とは
プリトヴィツェ国立公園(Nacionalni Park Plitvička Jezera/Plitvice Lakes National Park)は、クロアチア中部、ボスニア・ヘルツェゴヴィナとの国境に近い地域に広がる地域です。
同国で最初の国立公園にして、最も多くの観光客が訪れる国立公園でもあります。ユネスコの世界遺産にも登録されています。
その理由は言わずもがな、大自然が創り出したその美しさ、そして種々多様な動植物たちの棲み家になっていること。
過去には紛争の舞台にもなったこともあり、多くの地雷が設置され危機遺産のリストに入ったこともありました。ですがそんな暗い歴史を感じさせないような見事な自然美は、140万人もの観光客を魅了し続けています。
そんなプリトヴィツェ国立公園に僕が訪れたのは5月という初夏の時期。初夏と言うとこれから観光客が増えてくる時期ですが、一番のハイシーズンは6月以降。思ったほど混雑しておらず、余裕をもって観光できるくらいでした。
むしろ僕らのグループともう1つの団体を除けば、そう何百人もの観光客は来てなかったんじゃないかなーと思います。
スプリットやドゥブロヴニクには観光客がたくさんいたので、意外と知られていないのでは!? と思ってしまったほどです。
これはクロアチア全体に言える話ですが、フィンランドに住んでいた僕にとっては十分すぎるくらいの混雑具合、そして暑さでした。日焼け止めも途中で尽きて少し焼けてしまいました。
次のセクションから、初夏のプリトヴィツェ湖群国立公園の様子を写真で紹介します!
プリトヴィツェへはスプリットから日帰りで行ける
午前7時半、十数人のツアー客を乗せたバスはスプリットという街を出て、プリトヴィツェ湖群国立公園へ向かいます。
アドリア海に面した南部のダルマチア地方には海岸からさほど遠くないところに切り立った山があるのですが、その山の海に面した側は潮風の影響で木々が少なくゴツゴツした岩肌があらわになっています。
一方、こちらはトンネルを抜けて山の向こう側に出た時の写真。見ての通り山の反対側よりも断然緑が多いです。この辺の話はツアーガイドさんがしてくれました。あとは山の頂上の方から強い風が吹き降りてくるとかなんとか(うろ覚え)。
途中の小さな町で軽食&トイレ休憩。プリトヴィツェ湖群国立公園までは4時間ほどの道のりだったと思います。
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森に包まれた湖たちのもとへ
プリトヴィツェ湖群国立公園は16の湖と、7つの滝、2つの川で構成されています。島も1つだけあるようですね。
園内は遊歩道がきちんと整備されており、天気に問題のない日は安全に散策が楽しめます。他のブログでも言及されていますが、天気の悪い日は滑らないようかなり注意がいるとのこと……幸い僕は大丈夫でしたが。
プリトヴィツェ国立公園に到着しました。バスを降りて湖のある方へ歩いてゆきます。この日は天気にも恵まれ絶好の散策日和。葉っぱの隙間から日の光が差し込み、周囲を背の高い木々に囲まれ、とても気持ちがいいです。
美しい湖を前に写真を撮る手が止まらない!
新緑と湖の美しいのコラボレーション
緑に覆われた道を抜けると美しき湖たちの世界へといよいよ足を踏み入れます。そして、最初に出迎えてくれるのがプリトヴィツェ最大の面積と深度を誇るコジャク湖(Jezero Kozjak/Kozjak Lake)。
どうですか? この水の透明度とこの緑色! 湖を取り囲む新緑と相まって良い色を出しています。
コジャク湖は上湖群(Upper Lakes/Gornja Jezera)、つまり標高の高いところに位置する湖の中では最も低い位置にあります。
ツアーはまずこのUpper Lakesを巡り、その後この湖より標高の低い下湖群(Lower Lakes/Donja Jezera)へと向かいます。
時間もかかるしそれ相応の体力が必要なコースですが、やはりせっかく来たしたっぷり楽しみたいのでこちらの散策ルートにしました(たしか最初にガイドさんからどのルートが良いか聞かれた覚えがあります)。
写真には写っていませんが、この桟橋からボートが発着しており、そのボートに乗って向こう岸へ渡ります。
桟橋から湖を覗いてみました。この透き通ったエメラルドブルー。プリトヴィツェに来たことを実感します。
プリトヴィツェの湖たちは周囲を高い山々に囲まれています。
ボートでのクルージングはゆったりと進んでいき、ツアー客の心にワクワクを募らせます。
ボートで対岸へ
対岸へ渡り少し坂を上ると、名もなき小さな池がいくつか遊歩道沿いに現れます。こちらの写真はそこで一番最初に目にした池。
公式サイトのマップにも載っていないくらい小さな池ですが、しっかりエメラルドブルーの美しさを放っています。
湖底に沈んだ木の幹がいい味出していますね。
さらにもう少し登っていくと小さな滝がいくつかお出迎え。ここも小規模で地図には載っておらず名前もつけられてないようです。
水面が近い! ちょっと手を伸ばせば水面に手が届きそうです。
遊歩道を少し進んで坂を上っていくと、先ほどの池に水が注がれているのが見えます。
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高地の美しき湖たちをぐるり
そんな名もなき小さな池たちを見ていくと、今度は大きい湖に出ます。園内で10番目に面積の大きいグラディンスコ湖(Gradinsko Jezero/Gradinsko Lake)。
浅瀬だと水の青さよりも透明度の方がよく分かります。
グラディンスコ湖から少し進むと、崖から降り注ぐ滝が現れました。看板にはヴェリキー・プルシュトヴァツ(Veliki Prštavac)と書いてあります。プリトヴィツェは湖一つ一つの間にかなり高低差があるので、こんな風に大小様々な滝がそこかしこにあります。
遊歩道が初夏のプリトヴィツェの新緑の中へ吸い込まれていゆきます。
先ほどのヴェリキー・プルシュトヴァツよりも小規模な滝が遊歩道の左手に出現しました。細い線を描いて水が流れているさまを見ると、触ってみたらシルクのような感触がしそうな気がします。
大自然の中を横切っている感覚。まあ実際に横切っているんですけど。
ガロヴァチキー・ブーク(Galovački Buk)という名前の滝と滝壺。このさらに上にあるガロヴァツ湖という湖から水が注いでいるのでこの名がついたのでしょう。Bukはクロアチア語で滝という意味。
輝かんばかりに瑞々しい新緑がすばらしい。
ガロヴァツ湖へと向かう道。上り坂を段々と上っていくにつれ胸が高鳴ってきます。
こちらがガロヴァツ湖(Jezera Galovac/Galovac Lake)。園内で3番目の大きさを誇ります。
ここが僕にとってのプリトヴィツェ観光のハイライト。ガロヴァツ湖を高台から眺めた写真です。
何より透き通るブルーの湖面と瑞々しい新緑とのコンビネーションが美しい(何度目)。
そして目の前と頭上に広がる初夏の青空。一生懸命坂道と階段を上った甲斐がありました。
こんな小さな滝もあります。オクルグリャク湖(Jezero Okrugljak/Okrugljak Lake)とヴェリコ湖(Veliko Jezero/Veliko Lake)の間あたりにある、マップにも載っていない波もなき滝たち。橋を渡っているときに聞こえる、大きな滝とは違った軽い水の音に癒されます。
面白くて何となくシャッターを切ってしまった一枚。木の根っこのところに穴が開いていて、大量の水が吸い込まれていました。それもかなりの音を立てて。
しばらく湖のない道を行くと大きな湖が。こちらが園内で2番目の面積を誇るプロシュチャンスコ湖(Prošćansko Jezero/Prošćansko Lake)。
直前に小さな滝の密集地やら大量の水が流れ込む穴やらを見てきたので、ここでは空気が非常に穏やかに感じます。実際、湖面にもほとんど波は立っていませんでした。
エメラルドブルーの低地湖と最大の滝
この後はバスに乗って低地にある湖群、下湖群(Lower Lakes)へと向かいました。
下湖群を巡るコースでは、コラナ川(Korana)という川に沿ってどんどん下へ下へと降りていきます。
プリトヴィツェ最大の湖コジャク湖から注ぐ滝、その名もミラノヴァチキー・スラップ(Milanovački Slap)。この青々としたミラノヴァツ湖(Jezero Milanovac/Milanovac Lake)はコラナ川を構成する湖の一つで、高地の方から低地に入った人が最初に出会う湖。ターコイズのような少し濁りのある青緑色が印象的です。
濁りがあるとはいえ水の透明度は高いので、水中に生息する魚たちも眺めることができます。彼らはこの美しい湖に住んでいることに関して何か特別な感情があったりするのでしょうか。
小さな滝を通り過ぎた先、こちらはガヴァノヴァツ湖(Jezero Gavanovac/Gavanovac Lake)というそうです。なんだか強そうな名前ですね。
実はこの写真、フィルターかけてません。エメラルドブルーだけでなくこういった濃いブルーまで。ここでは日光の強さ加減だったり、湖の深さにより、色々なブルーが楽しめちゃうんです。
下湖群は切り立った崖に囲まれており、高低差をまじまじと感じることができます。
先ほどのガヴァノヴァツ湖と、隣り合うカルジェロヴァツ湖(Jezero Kaluđerovac/Kaluđerovac Lake)の間を突っ切る遊歩道。名前がいちいち強そう。
左手の岩々の間を流れる滝と垂直方向にまっすぐ伸びる水草が印象的です。この辺りで観光客の軍団と遭遇。少し動きづらかったですが、まあ今までが少なすぎたと考えるべきでしょうか。
ちなみに僕の勝手な印象ですが、上湖群のほうが水の透明度が高くて、下湖群の方がブルーの色が濃いような気がしました。どちらもそれぞれ美しいのですが、高地と低地での違いを探ってみるのも面白いかもしれません。
あと下湖群は上湖群に比べて一般的に階段というか段差そのものが少なく(大滝に至る道は例外)、緩やかな坂道が続いていく印象です。
ここからプリトヴィツェ最大の滝のある場所へと下ってゆきます。ここは階段を下っていきます。遊歩道のすぐ隣をこんな風に小さな川が流れていて涼しげ。
坂を下っている途中で見えるのが落差26メートルの滝、サタフツィ・スラップ(Satavci Slap)。なんとなく隠れた秘境のような雰囲気を醸し出しています。
来ました。プリトヴィツェ最大の滝、ヴェリキー・スラップ(Veliki Slap/Great Waterfall)。公式サイトによれば落差78メートルだそうです。今まで見てきた他の滝とは桁違いのサイズでもう圧巻。
滝の手前に少し広い場所があって、そこが遊歩道の終着点。そのど真ん中に大きな岩が鎮座していて、その岩の上に座って滝をバックに写真を撮るのが主流のようです。
降りてきた遊歩道を上って、カルジェロヴァツ湖まで戻ってきました。先ほどとは別方向から眺めるとまた違った風貌が楽しめるので面白いですね。
帰る時間が来てしまいました。非常に名残惜しいですが帰らねばなりません。向こう岸に渡って、ジグザグの坂道を上って帰ります。
一応最もハードなハイキングコースのはずでしたが、大自然の創り出した美しさに魅入っていたせいか、単純に僕が若いからか、疲れはさほど感じませんでした。
少し振り返ってパシャリ。いい眺めです! 湖と滝、そして新緑と切り立った崖。ここだけでもプリトヴィツェの魅力がぎっしり詰まっています。
プリトヴィツェを楽しんだ後は、湖からは少し離れたところにあるレストランBistro Vila Velebitaで食事をとりました(夕食には少々早い時間でしたが!)。メニューはいくつかありましたが、ダルマチア地方とは違った、内陸地方特有のお肉(確かラム)中心の料理を注文しました。
これにてプリトヴィツェ観光は終了。4時間のバス移動が待っています。スプリットへ戻った時にはすっかり暗くなっていました。
以上、クロアチアの目玉観光地、プリトヴィツェ湖群国立公園の初夏の様子を紹介しました。クロアチア観光の際には絶対に外してほしくない、最高の観光スポットですが、初夏の時期には公園内の木々が瑞々しい新緑に覆われるのでエネルギッシュな自然を味わえます。そして園内はどこを見ても絵になるので、最近流行りのインスタ映えには困らない、圧巻の大自然を堪能できます。ハイシーズン直前なので混雑具合は運次第ですが、夏ほどの混雑は見られないでしょう。
僕が今回利用したツアーはTravel Agency Portalというサイトから申し込んだスプリット発の日帰りツアーです。
ツアー料金は人数にかかわらず、一律80ユーロ(オフシーズンのみ)と他のツアーに比べて安め。それで往復の交通費、ガイド付きツアー、入場料、ランチまでついているのでお得です!
プリトヴィツェへの日帰りツアーというと首都ザグレブ出発のツアーが一般的ですが、スプリットからしか行けない……という方もご安心ください。しかし何分遠いので、かなり体力を消費することになることだけは注意して下さいね。
帰り道の景色も綺麗でした!
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