エスノローグというサイトによる、世界で最も話されているランキングはこちら(第二言語を含む)。
- 英語……約12億6800万人
- 北京語……約11億2000万人
- ヒンディー語……約6億3700万人
- スペイン語……約5億3800万人
- フランス語……約2億7700万人
- 標準アラビア語……約2億7400万人
- ベンガル語……約2億6500万人
- ロシア語……約2億5800万人
- ポルトガル語……約2億5200万人
- インドネシア語……約1億9900万人
これを見ると、世界で最も話されているヨーロッパ言語は英語になります。
では、「ヨーロッパではどうだろう?」と思い、調べてみました。
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ヨーロッパで話されている言語
見つかったのはBabbel、Tandem、WorldAtlasの3つのサイトのランキング。
Babbel(バベル)とTandem(タンデム)は語学学習関連のサービスのサイトで、WorldAtlas(ワールドアトラス)は世界の地理なんかに関する情報が載っているサイトです。
話者数に関しては特にソースは示されていないので、信憑性には疑問が残りますが。まあ大体これくらいのサイズ感だと思ってもらえれば。
話者数が母語話者かどうかについては、BabbelとTandemについてはおそらく全て母語話者。
WorldAtlasでは母語話者かどうか明記されてないんですが、BabbelとTandemのランキングと数がまあり変わらないあたり、まあ母語話者と思っていいでしょう。
あとは「ヨーロッパってどこからどこまでよ?」っていう問題については、端的に言えばランキングによって違います。
いちおう3つのサイトのどれもロシアの一部はヨーロッパに含めているみたいだけど、トルコは含めたり含めなかったり……そんな感じです。
ロシアはどこからどこまでをヨーロッパとしてるんだろう。「だいたいあの辺」っていうのは分かるんだけど……
Babbelのランキング
では語学学習サービスを運営するBabbelのランキングから。ここではトルコもヨーロッパに含まれてます。
- ロシア語:1億2000万人
- ドイツ語:9500万人
- フランス語:8000万人
- 英語:7000万人
- トルコ語:7000万人
- イタリア語:6900万人
- スペイン語:4500万人
- ウクライナ語:4500万人
- ポーランド語:4000万人
- オランダ語:2200万人
(出典:What Are The 10 Most Spoken Languages In Europe? – Babbel Magazine)
ロシア語が堂々トップ。ヨーロッパ一の大都会・モスクワと、ロシア第二の都市サンクトペテルブルクは含まれてるはずなんで、さもあり何といった感じ。
世界最大の領土を持つ国ロシアの最大都市と第二の都市があるわけですからね。ロシア全体の人口はヨーロッパのどの国よりも多いのでまあ当然っちゃ当然かと。
あと意外だったのはスペイン語よりもイタリア語の方が人口が多いこと。スペイン語って世界規模で見ればイタリア語より人口が全然多いはずなので、そのイメージがこびりついてる感じ。
ウクライナも大きいんだなあ。ポーランドより人口多かったのか。
Tandemのランキング
つづいて言語交換(ランゲージエクスチェンジ)のマッチングで有名なTandem。ここでもトルコがヨーロッパに含まれてます。
- ロシア語:1億2000万人
- ドイツ語:1億人
- フランス語:8000万人
- 英語:8000万人
- トルコ語:7000万人
- イタリア語:6900万人
- スペイン語:4500万人
- ウクライナ語:4500万人
- ポーランド語:4000万人
- ルーマニア語:2300万人
(出典:The 10 Most Spoken Languages in Europe)
やっぱりロシア語が1位。10位がオランダ語ではなくルーマニア語になっている以外はほぼ一緒。数字が若干違うくらい。
オランダとルーマニアって面積は全然違うけど、人口ではけっこう競ってるんですね。どんだけ人口密度多いんだ、オランダ。
WorldAtlasのランキング
世界の地理なんかに関する情報が載っているWorldAtlasのランキング。ここではトルコはヨーロッパに含まれていません。
- ロシア語:1億600万人
- ドイツ語:9700万人
- フランス語:6600万人
- イタリア語:6500万人
- 英語:6000万人
- ポーランド語:3850万人
- スペイン語:3800万人
- ウクライナ語:3600万人
- ルーマニア語:2200万人
- オランダ語:2200万人
(出典:The Most Widely Used Languages In Europe – WorldAtlas)
ランキングの顔触れは他の2つとあまり変わらないですね。
特筆すべきはフランス語の話者数がかなり低く見積もられていること。ロシア語も、他2つと比べると同じくらい少なくなってます。
トルコ語を除外したせいで、10位を競っていたルーマニア語とオランダ語がそろってランクインした感じですね。
……余談なんですが、このページのサムネ画像、ロシア国旗があるのにベラルーシ語が書いてある笑 画像作るほうもちゃんと確認しようよ。
キリル文字ならなんでもロシア語なわけじゃないぞ。
EUで最も話されている言語
ついでにヨーロッパ連合(EU)加盟国内で最も話されている言語も調べてみました。
ちなみにEU加盟国を地図で表すと↓のようになります。
見つかったのは英語版ウィキペディアのページのみ。EU加盟国の人口の総数にたいして、何%の人がその言語を話しているか、というふうになってます。
ちなみにここではその言語を外国語としてではなく「第一言語として話す人」の割合です。
- ドイツ語:20%
- イタリア語:15%
- フランス語:14%
- スペイン語:9%
- ポーランド語:9%
- ルーマニア語:6%
- オランダ語:5%
- ハンガリー語:3%
- ポルトガル語:2%
- ギリシャ語:2%
- スウェーデン語:2%
- チェコ語:2%
- ブルガリア語:2%
(出典:Languages of the European Union – Wikipedia)
同率がかなり多いのでリストの番号ははずしました。
EU加盟国内では、ドイツ語がトップ。スイスが抜けても健在です。
「ヨーロッパ」ではなく「EU加盟国」となるとロシアその他が抜けるので、ランキングの顔触れがそれなりに変わってきますね。
……といってもロシア語とウクライナ語が抜けるくらいか。
そして非印欧系ヨーロッパ言語の星ことハンガリー語が浮上。ハンガリー語ウラル系言語のなかで唯一、話者数が1000万人を超えるのでまあ当然ですね。
このランキングをみて一瞬「あれ? 英語は?」と思った方、僕と一緒です。
いちおうニュースは毎日見てますが、どうしてもイギリスがまだEU内にあるような感じが残ってる。
というか「ヨーロッパ」と「EU」が似て非なる概念なので、気を抜いてるとごっちゃになるんですよね。
イギリスが抜けたことで、現在EUに加盟している英語圏の国はアイルランドだけになりました。
アイルランドは人口500万くらいなので、1%になっています。
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公用語に採用している国が多い言語
言語の大きさを比べる時、基本的には話者数の大小で比べることが多いですが、ついでにこちらも。
「公用語に採用している国が多い」というのはかなりミスリーディングなので、あくまで自分の好奇心を満たすためですが。
ヨーロッパで
- 1位:ドイツ語、6ヶ国(ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン)
- 2位:フランス語、5ヶ国(フランス、スイス、ベルギー、ルクセンブルク、モナコ)
- 2位:セルボ・クロアチア語、5ヶ国(セルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロ、コソヴォ)
- 4位:イタリア語、4ヶ国(イタリア、スイス、バチカン、サンマリノ)
- 5位:英語、3ヶ国(イギリス、アイルランド、マルタ)
- 6位:ロシア語、2ヶ国(ロシア、ベラルーシ)
- 6位:アルバニア語、2ヶ国(アルバニア、コソヴォ)
- 6位:オランダ語、2ヶ国(オランダ、ベルギー)
- 6位:ギリシャ語、2ヶ国(ギリシャ、キプロス)
- 6位:スウェーデン語、2ヶ国(スウェーデン、フィンランド)
- 6位:ルーマニア語、2ヶ国(ルーマニア、モルドバ)
- 6位:トルコ語、2ヶ国(トルコ、キプロス)
7位より下は1ヶ国だけなので除外。
話者人口でみたランキングとは顔ぶれがけっこう違いますね。
セルボ・クロアチア語は、セルビア語とクロアチア語、ボスニア語、モンテネグロ語を1つの言語として扱ったもの。
一応お互い意思疎通はできるそうなので、言語学的には単一の言語として扱うことがよくありますね。
「言語は政治的なもの」というのをまざまざと見せつけてくる例です。
トルコ語は、トルコが場合によってヨーロッパに加えられたり加えられなかったりするので一番下に。
EU加盟国内で
- 1位:ドイツ語、4ヶ国(ドイツ、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク)
- 2位:フランス語、3ヶ国(フランス、ベルギー、ルクセンブルク)
- 3位:英語、2ヶ国(アイルランド、マルタ)
- 3位:オランダ語、2ヶ国(オランダ、ベルギー)
- 3位:ギリシャ語、2ヶ国(ギリシャ、キプロス)
- 3位:スウェーデン語、2ヶ国(スウェーデン、フィンランド)
ひとつ前のランキングにくらべてだいぶスリムになりました。
まとめ
以上、今回はヨーロッパで最も使われてる言語についてまとめました。
「ヨーロッパの言語」と聞くとやはり独仏伊西語あたりが浮かんできて、事実ランキングでも上位に来るんですが、最初に浮んで来にくい東欧なんかにも人口の大きい言語がkっこうあって、それがランキングを彩っている感じですね。
人によっては、ロシア語が1位だというのが意外だ、と言う人もいるかもしれないですね。
日本では圧倒的な英語の、次いでフラ語ドイツ語スペイン語が外国語として人気が高いからかな。大学の二外だとロシア語ってかなり影薄い印象あるし。
まあロシア語がほんのちょびっと分かる僕にはそこまで意外じゃなかったけど。
とにかく、僕としてはランキング5位以下あたりが面白かったです。トルコ語の人口も含めて。
以上、今回はヨーロッパで話されている言語のランキングについて思ったことを適当に書きました。
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