こんにちは。めいげつです。
エストニアの首都タリンは、中世の街並みが残っていて、エストニアで随意つの観光地。フィンランド観光のついでに、日帰りで訪れる観光客も大勢います。
その人気たるや、「エストニアといえばタリン」といえるほど。
ですが、みなさんエストニア第2の都市にして、文化や学術の都市ともいわれる町をご存知でしょうか?
……
それが、エストニア南東部にある都市タルトゥ(Tartu)! エストニアで最も権威ある大学を擁し、こじんまりとしたかわいい旧市街が魅力的な町です。
それに、僕個人としては数年前にリニューアルオープンしたエストニア国立博物館が最高に面白くてたまらない。
そんなエストニア第二の都市にてエストニアの文化都市・タルトゥのようすを写真でお届けします。
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エストニア・タルトゥの基本情報
タルトゥ(Tartu)は、エストニアの南東部に位置する都市で、かつてハンザ同盟都市として栄えた歴史のある町です。
人口は10万人弱。そのうちの8割がエストニア人で、14パーセントをロシア系人口が占めます。
中世の時代にはバルト・ドイツ人が牛耳っていた時代もあったことから、ドイツ語名のドルパート(Dorpat)と呼ばれることも。フィンランド語ではタルット(Tartto)といいます。
タルトゥは、エストニア最古にして最大の大学であるタルトゥ大学を擁する町。エストニア北方のバルト海沿岸にある首都・タリンが経済の中心なら、タルトゥは学問や芸術の中心といった位置付け。
タルトゥ市街を街歩き
タルトゥ新市街を通って旧市街へ
タルトゥのバスターミナル(Tartu bussijaam)は、タルトゥの中心街から離れたところにあるため、中心街へは10分ほど新市街を歩きます。
タルトゥのショッピングモールがあるあたり(Tartu Kaubamaja)。この辺りの街並みには、特筆すべきことはありませんね。
静かでかわいいラエコヤ広場
ラエコヤ広場(Raekoja plats)です。ラエコヤ広場といえばタリンのものが有名ですが、タルトゥにもあります。
こちらのラエコヤ広場はタリンとは違ってこじんまりした感じ。タリンに比べて観光客も全然少ないので仕方ないかな。↑の写真は早朝にとったのでなおさら。
普段はレストランのテラス席なんかもあって活気づいていますよ。タリンのラエコヤ広場ほどじゃないにせよ。
市庁舎がある広場がラエコヤ広場と呼ばれるので、当然このラエコヤ広場にも市庁舎があります。
こちらがタルトゥの市庁舎(Raekoda)。なんとピンク色です。どっしりとしたゴシック様式で建てられたタリンの市庁舎とはかなり趣が違いますね。
市庁舎の中には観光案内所があり、お土産も売っています。
タルトゥ市庁舎前にある噴水には、キスする学生の像(The Kissing Students)という像が立っています。
やはり市街の中心というだけあって、ラエコヤ広場周辺はけっこう活気があります。
エストニア最高学府・タルトゥ大学関連施設も
ラエコヤ広場からすぐのところにある、真っ白な新古典様式の建物がタルトゥ大学本館(Tartu Ülikooli peahoone)。この建物の向かって左側の部分のどこかにタルトゥ美術館が入っているようです。
タルトゥは、1632年に時のスウェーデン国王グスタフ2世アドルフによって創立された、エストニア最大、そしてエストニアで最も権威ある大学(当時のスウェーデンはバルト帝国を築いていた強国でした)。
中もシンプルなものです。
写真の奥の方に「天使の橋(Inglisild/Angel’s Bridge)」という橋があります。特に何の変哲もない陸橋ですが。
まあ天使の橋という名前がついているくらいなので何かしらの変哲はあったとは思いますが、印象が薄すぎでほとんど覚えてません笑
ちなみに、この道をずーっと奥へ行けば悪魔の橋があるそうですが僕も行ってません。
かつてのタルトゥ大聖堂の廃墟
天使の橋のある道を進み、天使の橋をくぐって少し進むと公園があります。
そこにたたずんでいるのが、廃墟然としたタルトゥ大聖堂(Toomkirik)。大聖堂の後ろ側、比較的しっかりした部分はタルトゥ大学博物館になっていて、エストニアでの科学の歴史に関する展示が見られました。
こちらがタルトゥ大学博物館の入り口。
もともとはタルトゥ大学図書館があったそうですが、1981年に図書館が新しい建物に移った時に博物館になったようです。
こちらがおそらくファサードや鐘楼があったであろう場所。屋根は完全に抜け落ちてしまっていますが、もしかしたら元々屋根なんてなかったのかも?
ちなみに大聖堂の塔(写真左奥)は一般に開放されていて、上に登ることが出来ます。入場券などを購入する必要もありません。
こんな風に上へ登る階段が整備されています。なんだか遺跡探検みたいで楽しい。
塔の一番上からの眺め。一面森ですね。
こちらはタルトゥ旧市街の外側。
タルトゥの教会
こちらの煉瓦製の重厚感あるゴシック教会は聖ヨハネス教会(Jaani kirik)。14世紀に建設されたプロテスタント(ルーテル教会)の教会です。
プロテスタントの教会らしく、中は全く飾り気がなくシンプルなものです。天井を見上げると、ヴォールトが結構高くてびっくりします。
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エストニア国立博物館が最高に面白い!
タルトゥの観光スポットはなにも旧市街だけにあるのではありません。
タルトゥ郊外に、1909年創立の「エストニア国立博物館(Eesti rahva muuseum、Estonian National Museum)」があります。この博物館が最高に面白い。
主に民俗学的な展示があるのですが、それが最高に面白い。特にウラル民族についての大規模な展示が見られるのは、おそらく世界でここだけかと。
エストニア国立博物館は、タルトゥの中心部から北東に2.6kmのところにあります。僕は歩いて行ったので、40分くらいかかってしまいました。
閑静過ぎるくらい静かなタルトゥ郊外を歩いていると、突然こんな巨大な建物が姿を現します。
これがエストニア国立博物館の建物で、2016年のリニューアルオープン時に建て替えたもの。
このシックな現代建築の設計には、日本人建築家の田根剛氏、林知充氏が関わりました。とてもかっこいい。
こちらがロビー。シンプル一徹の現代的で格好いいデザインです。
座って休憩するためのベンチもイカしてます。
さて、ここからは地下に降りて、この博物館で二番目に大きい常設展示「ウラルの響き(Uurali Kaja/Echo of the Urals)」にいきます。これが今回のハイライト。
「ウラルの響き」は、ウラル語族の言語を話す民族のなかでも、国を持たない人々の暮らしや伝統についての展示です。
スカンディナヴィアからロシアにかけて居住するサーミ人、ロシアに住むコミ人、ハンティ人などなど、博物館が所有するの全コレクションの10分の1以上を使った、ウラル民族に関する壮大な展示が楽しめます。
ウラル語族って何ぞやという方は、別のウラル語族についての記事をご覧くださいー。
展示ゾーンに入って最初に目に入ってきたのが、ウラル語族の分布を表した地図。
この展示のメインは国をもたない民族なので、そういった民族が分布するエリアが色付けされています。
ちなみに地図で示されている民族名は。
- 水色:サーミ人(SAAMID)
- 黄:カレリア人(KARJALASED)、リーヴ人(LIIVLASED)、ヴェプス人(VEPSALASED)、ヴォート人(VADJALASED)
- 青:モルドヴィン人(MORDVALASED)、マリ人(MARID)
- 緑:ウドムルト人(UDMURDID)
- 黄緑:コミ人(KOMID)、コミ=ペルミャク人(PERMIKOMID)
- ピンク:マンシ人(MANSID)、ハンティ人(HANDID)
- 朱色:ネネツ人(NEENETSID)、セリクプ人(SÖLKUPID)、ガナサン人(NGANASSAANID)、エネツ人(EENETSID)
……です。おそらく聞いたことない名前がずらり。僕は半分以上知ってましたけど。
フィンランドとエストニアはウラル語族の中でも数少ない自分たちの国家をもつ民族なので、グレーで色付けされています。
ウラル語族の系統樹。「魚」という意味の単語が各ウラル語でどんな形になるのかを表しています。
フィンランド語は一番左上の白っぽい黄色のひし形で、同じグループの左下がエストニア語。ハンガリー語は、中央少し右上の紫色のひし形。
こんな風に、各民族の伝統的な服装や住居、食材などの展示があって、ウラル系民族に対する興味をかき立ててくれる内容でした。
あまり写真を撮っていなかったのが残念ですが、とにかくテーマパークみたいで楽しかったですよ。
印欧語族に比べてウラル民族について学べるところって本当に少ないので、とても興味深かったです。
他にウラル民族についての展示があるとすれば、フィンランドのイナリ市にあるシーダ(Siida)というサーミ人博物館ですね。サーミ人限定ですが、こちらも面白いです。
博物館の1階は「遭遇(Kohtumised/Encounters)」という常設展示のエリアになっています。ここではエストニア人の歴史、工芸品などが展示されていました。
まとめ
以上、エストニア第2の都市・タルトゥの町の様子をお届けしました。
こじんまりしたかわいらしい旧市街もさることながら、エストニア国立博物館のウラル民族に関する展示は圧巻。
フィンランドやサーメなどウラル民族に興味のある人にはぜひおすすめです。
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