こんにちは。めいげつです。
ここでは僕が留学していたフィンランドのヘルシンキ大学をサラッと紹介いたします。
ヘルシンキ大学とはどんな大学かをに知りたい人向けに、ヘルシンキ大学留学経験者の僕がヘルシンキ大学の雰囲気を大まかに書いてみました。
学生数などヘルシンキ大学の基本的なデータから、ヘルシンキ大学の歴史、建物や授業の雰囲気などを書いています。とびきりオシャレな図書館だってありますよ。
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ヘルシンキ大学ってどんな大学?
ヘルシンキ大学は、フィンランドの首都ヘルシンキにある総合大学。フィンランドで最大の教育機関です。
フィンランドの公用語と英語での「ヘルシンキ大学」の名前は、
- フィンランド語ではHelsingin yliopisto(ヘルシンギン・ウュリオピスト)
- スウェーデン語ではHelsingfors Universitet(ヘルシングフォシュ・ウニヴェルシテート)
- 英語ではthe University of Helsinki
です。
総学生数は31,312人ほどの、フィンランドにおけるマンモス大学。学生数のうち63.3%にあたる19,826人が女性で、(交換ではない)留学生数は1,872(すべて2017年の統計)。
日本人の交換留学生は、僕が留学していた当時で10人強でした(僕が知っている人だけですが)。
Annual Reportによると交換留学生の出身国は、上から順にドイツ、フランス、イタリア、スペイン、中国がtop 5。
スタッフ数は7,783人いて、こちらも半分が女性だそうです。
ヘルシンキ大学に限らずフィンランドでは教員になるためには修士号が必須となっており、しっかりと訓練を受けた教員が質の高い教育を提供してくれます。
ヘルシンキ大学は、もとはフィンランド南西部の都市トゥルクに1632年に創立されたオーボ王立アカデミー(トゥルクのスウェーデン語名はÅboオーボ)。
ロシア帝国時代の1828年に、ヘルシンキに移されました。移転されたときにアレクサンドル帝国大学と改名されました(トゥルクには現在トゥルク大学やオーボ・アカデミーという別の大学があります)。
創立当初からフィンランド共和国独立頃まではラテン語やスウェーデン語で授業が行われていました。
が、1920年代頃に大きな運動があった結果、ヘルシンキ大学ではフィンランド語とスウェーデン語の両方で授業が行われています。
もちろん、英語の授業だってたくさんありますよ!
フィンランドでもトップの総合大学だけあって、ヘルシンキ大学は著名人を多く輩出しています。
- フィンランド初の女性大統領タルヤ・ハロネン
- 『フィンランディア』で有名なジャン・シベリウス
- Linuxを開発したリーナス・トーバルズ
- 『カレワラ』を蒐集したエリアス・リョンロート
など。
2018年の世界大学ランキング(上海ランキング)では57位についています(2018, 日本の大学だと東京大学が22位、京都大学が35位、名古屋大学が83位)。
デンマークのコペンハーゲン大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所に次いで、北欧の大学としては3位。健闘していますね!
ヘルシンキ大学にはITにも力を入れているよう。2018年には、インターネット上で完全無料のAI入門コース「Elements of AI」を公開したことで話題になりました。
ハードルが高いと思われがちなAIについて、洒落たデザインと完全無料のプラットフォームでコースを公開したのは素晴らしいことだと思います(ちなみに僕は最初だけやって放置状態です汗)。
フィンランドは外国人も含めて学費が無料ということで有名でしたが、数年前にEU圏外から来た学生に対しては学費を徴収するようになりました。うーん残念。
大学名 | ヘルシンキ大学(Helsingin yliopisto/Helsingfors universitet) |
---|---|
設立 | 1632年 |
所在地 | ヘルシンキ(フィンランド) |
学生数 | 31,312 |
留学生数 | 1,872 |
スタッフの人数 | 7,783 |
世界大学ランキングの順位 | 57位 |
↑ヘルシンキ大学の基本的な情報をまとめました。
ヘルシンキ大学の学部とキャンパス
ヘルシンキ大学には12の学部があり、ヘルシンキ市内にキャンパスがいくつか存在します。日本の大学と同じように、入る学部によって通うキャンパスが異なります。
ではキャンパスごとにヘルシンキ大学の学部を見ていきましょう。
- シティセンターキャンパス(City Center Campus)
- 人文科学部(Faculty of Arts)
- 教育科学部(Faculty of Educational Sciences)
- 法学部(Faculty of Law)
- 神学部(Faculty of Theology)
- 社会学部(Faculty of Social Sciences)
- スウェーデン語社会科学部(Swedish School of Social Sciences)
- ヴィーッキキャンパス(Viikki Campus)
- 農業森林学部(Faculty of Agriculture and Forestry)
- 生物学・環境科学部(Faculty of Biological and Environmental Sciences)
- 薬学部(Faculty of Pharmacy)
- 獣医学部(Faculty of Veterinary Medicine)
- メイラハティキャンパス(Meilahti Campus)
- 医学部(Faculty of Medicine)
- クンプラキャンパス(Kumpula Campus)
- 科学学部(Faculty of Science)
ヘルシンキの外では、
- フィンランド中西部のヒューティアラ(Hyytiälä)
- ラップランドのヴァッリオ(Värriö)とキルピスヤルヴィ(Kilpisjärvi)
- アフリカのケニア
といった場所に生物学や森林学の研究所を持っているようです。
まあ文系の方ならば、シティセンターキャンパスで学ぶことになるかと思います。僕が通っていたのは人文科学部(Faculty of Arts)で、こちらもシティセンターキャンパスにあります。
一方理系だと、ヘルシンキの中心街からは離れる形になりますね。
シティーセンターキャンパスの建物
ヘルシンキ大学のシティーセンターキャンパスは、建物がヘルシンキの中心街に点在している形になっています。主な建物は、
- 元老院広場に面した本館(Päärakennus)
- オリエンテーションの行われるポルタニア(Porthania)
- 学生サービスのあるメッツァタロ(Metsätalo)
- 大聖堂のすぐ後ろのトペリア(Topelia)
- 図書館に接するランゲージ・センター(Kielikeskus/Språkcentrum)
- 少し離れた、教育学部の入るシルティス(Siltis)
- カイサニエミ地区の植物園(Kasvatustieteellinen Puutarha)
建物1つ1つに名前がついてるのが面白いですね。
ちなみにPorthaniaやTopeliaは、19世紀フィンランドを代表する学者ヘンリク・ガブリエル・ポルタン(Henrik Gabriel Porthan)やザクリス・トペリウス(Zachris Topelius)らの名前からとられています。
本館やポルタニアでは色々な授業が行われています。トペリアではアジア関連の授業(日本語の授業の一部含め)が多い印象です。
教育関連の授業は主にSiltisで行われます。映っているのはMinervaと呼ばれる建物で、Siltisの本館のような場所。
シティーセンターキャンパスは結構特殊でして、建物がすべて町の中に溶け込んでいます。日本の大学にあるような、町とキャンパスとの境がないのです。一般の方でも、入ろうと思えればフラっと入れます。
大学の建物が点在しているのに伴って、学食が食べられるユニカフェ(UniCafe)も色々な場所にあります。大学の建物それぞれに併設されているのと、ヘルシンキ中央駅の近くに1つあります(UniCafe Ylioppolasaukio)。
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ヘルシンキ大学のおしゃれでかっこいい図書館
ヘルシンキ大学には最高に格好いい図書館があります。
セリナ・アンッティネン(Selina Anttinen)氏とヴェサ・オイヴァ(Vesa Oiva)氏の設計によるカイサ・タロ図書館(Kaisa-talo)。
カイサニエミ地区の重厚感ある古い町並みと、現代の幾何学的な美しさがマッチした素敵な建物です。
カイサニエミ通り(Kaisaniemenkatu)に面した大窓の近くの席が僕のお気に入りでして、カイサニエミ通りの茶色いレンガの渋い町並みを観ながら勉強するのが乙な瞬間でした。
ちなみにヘルシンキ大学の図書館は、メトロのヘルシンキ大学駅と繋がっていて(駅の真上にある)、エレベーターを使って駅から直に図書館へ行くことができます。
さらにヘルシンキ大学図書館はポルタニアやランゲージ・センターと繋がっており、さらにそこからメトロの駅まで行けちゃいます。メトロに乗りさえすれば、雨に濡れずに図書館までたどり着けるのです。
カフェだってありますよ。
かっこいい。ほれぼれ。
ヘルシンキ大学の授業の様子は?
授業中に写真は撮らなかったので、YouTubeから引っ張ってきました。ヘルシンキ大学の公式YouTubeチャンネルから。
1:24当りから講義での、2:17ころからユニカフェ(学食)での様子が紹介されています。映っているのはクンプラキャンパスですが、講義やユニカフェの雰囲気はシティセンター・キャンパスでもおおかた同じです。他のキャンパスでの様子は分かりかねますが。
ちなみに僕がとった授業は講義形式が多かったものの、外国語科目や、10人以下の超少人数のクラスもありました。
フィンランド語の授業だってあります。正規学生向けのクラスは、文法や単語、表現に重きをおいた日本でもおなじみのスタイルでした(交換留学生用のコースは受けたことないのでわかりません)。
多少の会話練習はあってもほとんど日本の大学での外国語科目と大差ありません。
ちなみに学期の初めにフィンランド語のクラス分けテストがあるので、「フィンランド入国前にフィンランド語ある程度やったよ」という方は受けてみましょう。
僕はフィンランド語を事前に勉強していたので、秋学期に正規学生向けのレベル4(CEFRのA2くらい)の、次の学期にはレベル6のクラス(B1くらい)を受講することになりました。
長期の留学が難しいって方には、サマースクールに参加するという手段もありますね。夏の間にフィンランド語を学ぶことができます。
交換留学の授業が始まるのは9月からなので、秋学期の前にサマースクールに参加しておく、というのも大いにアリですね。夏のフィンランドは綺麗ですし、すごく楽しそう! 時間があいたらコース仲間と観光とか最高ですね。
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イベントだって盛りだくさん
ヘルシンキ大学の学生組合(HYY)や、ESN Helsinki(International Exchange Eramus Student Network Helsinki)といった団体が、年間を通してたくさんのイベントを開催しています。
ESNはよくFacebookページでイベントの告知をしています。
たとえば、
- 秋学期のオリエンテーションが始まる前のマラソン
- フィンランド式野球・ペサパッロ大会
- 冬のラップランド旅行
- Sitsitパーティ
などなど。
Sitsit(シッツィト)というのはフィンランドの大学で伝統的に行われる、長テーブルに座って会話やゲームを楽しむパーティーのこと。
特に留学生活の最初の時期は友人も少ないでしょうし、みんな友達を作りたがっていますから、こういったイベントごとやパーティが好きならどんどん参加していきましょう。
僕もナイトクラブに行ったり、sitsitに参加したりとキャラに合わないことをしました。
ヘルシンキ大学ではないですが、隣町エスポーにあるアールト大学には日本(語)クラブがあるので、定期的に開催されるサウナパーティには頻繁に通っていました。
人によってはサークルに入ったりしていたので、自分の興味関心に合わせて色々顔を出してみるのが良いでしょう。
ヘルシンキ大学留学に必要な英語力は?
ヘルシンキ大学では、英語で行われる授業が多くあります。ヘルシンキ大学の学生が科目登録で使うWebOodiで探してみると、英語のコースが豊富にあることが分かります。
ヘルシンキ大学留学に必要な英語力ですが、参考までに僕の通う大学の例をお見せします。
ヘルシンキ大学へ留学するには、最低でもTOEFL iBTで79点(ITPではなくiBTですよ)か、IELTSで6のスコアをとらなくてはなりません(2015年時点)。TOEICでいうと800点台に相当します。
一見すると非常に高い英語力が求められているように思えますが、英語圏の大学に比べると良心的なスコアでしょう。フィンランド人は英語がうまいと言っても、やはりノンネイティブです。
ただ、留学スタート時の英語力は高めておくに越したことはないので、ぜひ留学出願前からも英語力に磨きをかけてください。その方が勉学だけでなく、現地で友達を作る際にもハードルが下がりますので。
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参考になるサイト
最後に、ヘルシンキ大学について知るうえで役に立つサイトを載せておきます。
サイトでなくとも、たとえば『フィンランド語は猫の言葉』などヘルシンキ大学に留学した人の著書も出ています。
このブログでもヘルシンキ留学に関するコンテンツがありますのでよろしければご覧ください。
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