「サウナ発祥の国」と呼ばれるフィンランド。人口530万に対してサウナは200万と、人口の半分に迫るほど多くのサウナがあります。
サウナはホテルにも、コテージにも、アパートにも。サウナはフィンランドの生活に根付いており、それはフィンランド語のサウナ関連語彙の多さにも反映されています。
全てがサウナだけの単語という訳ではありませんが、サウナに行くときに役立つかもしれない単語集です。
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サウナの基本編
sauna
サウナといえばこれははずせません。サウナそのものです。
サウナは おそらく最も知られているフィンランド語単語でしょう。フィンランド語由来と知らずに使っている人も多いと思います。
古くはサウナは神聖な場所。フィンランドの伝統に根付いたサウナは神話にも登場します。
またサウナは非常に清潔な空間であるとされ、お産もサウナの中で行われたそうです(フィンランドの第8代大統領のウルホ・ケッコネンもサウナで生まれたとか)。
saunoa(サウノア), saunominen(サウノミネン)
フィンランド語には「サウナに入る」という意味の動詞もあります。それがsaunoa(サウノア)。saunominenは「サウナに入ること」とか「サウナ入浴」のこと。
löyly(ロウリュ)
löylyはサウナを代表する言葉。
サウナの「水蒸気」という意味でもあるし、サウナに満ちたあの心地良さを表す言葉でもあります。heittää löylyä(ヘイッター ロウリュア)といえば、熱々の石に水をかけるということ。
僕はこのlöylyという言葉が大好きなんですが、それは意味も発音もフィンランドらしいから。löylyという単語を聞けばサウナの中での心地よい雰囲気が蘇ってくるし、発音はフィンランド語独特のもので外国人にはかなり発音しづらいから。
ちなみに水蒸気自体ははhöyry(ホウリュ)といいます。カタカナだと何となく似ていますが、フィンランド語では全然違う発音ですよ!
laude(ラウデ)
laude(ラウデ)はサウナの中にある、上に座るための木の板のこと。ふつうlauteet(ラウテート)と複数形にします(まあ一枚だけじゃないですからね)。
サウナの中はたいてい複数段になってるので、ylälauteet(ウュララウテート「上の段」), alalauteet(アララウテート「下の段」)となります。
löylyhuone(ロウリュフオネ)
sauna(サウナ)はかつて、今でいうサウナを含む建物全体を表す言葉でした。
その当時は今でいうサウナ風呂をlöylyhuone(ロウリュフオネ)、またはsaunahuone(サウナフオネ)と言ったそうです。
savusauna(サヴサウナ)、sähkösauna(サハコサウナ)
savusauna(サヴサウナ)はスモークサウナのこと。薪を使って火を焚く伝統的な様式です。
一方sähkösauna(サハコサウナ)は電気ストーブを使ったサウナのこと。現代ではもっぱらこのsähkösaunaが主流で、公共サウナはほとんどが電気式サウナです。ヴァンターにあるカフェ・クーシヤルヴィ(Cafe Kuusijärvi)などは伝統的なスモークサウナもあるのでおすすめです。
道具編
suihku(スイヒク)
フィンランドのサウナには基本的にシャワー(suihku)があります。日本のふろと同じです。サウナに入る前にはシャワーを浴びましょう。
kiulu(キウル) & kauha(カウハ)
kiulu(キウル)は取っ手がついた桶のようなもの。場所によってバケツ(sanko)の場合もあります。
これに水を汲んで、スプーンのような形のkauha(カウハ)を使って、ヒーターの上の熱々の石に水をかけます(これがheittää löylyäです)。
すると一気に熱々の湯気が部屋中にわたって一気に温度が上がります。
フィンランドの人たちはサウナ慣れしているので、結構温度を上げてきます。サウナ初心者の方は、頃合いを見て外に涼みに行きましょう(湖の飛び込むのもアリ!)。
lämpömittari(ランポミッタリ)
lämpömittariは全てのサウナに必ずあるアレ。そう、温度計です。
サウナの温度はたいていセ氏80~90度。heittää löylyäすれば熱された湯気が充満するので体感温度はもっと高くなるでしょう。
僕はサウナが好きですが、90度を越えるとものすごくきつくなります。
kiuas(キウアス)
kiuas(キウアス)はサウナの隅っこにある、サウナを暖めるヒーターのこと。ヒーターの上には石(kiuaskivi)が積み上がっています。
熱々になった石に水をかける=heittää löylyäすることで熱い湯気が充満しサウナが温められます。温度が下がってくると、よく「heitä vaan(かけてかけて)!」と言われるので水をかけてサウナを熱くしましょう。
vasta(ヴァスタ), vihta(ヴィヒタ)
テレビ等のサウナのシーンで、よく人が木の枝で叩かれているのを見たことがありませんか?
その木の枝がvasta(ヴァスタ)です。西フィンランドではvihta(ヴィヒタ)というそうですね。
vasta/vihtaはシラカバとうフィンランドではそこら中に自生している木の枝。これで体を叩くとお肌に良い効果があるのだとか。
laudeliina(ラウデッリーナ), pefletti(ペフレッティ), istuinalunen(イストゥイナルネン)
laudeliina(ラウデッリーナ), pefletti(ペフレッティ), istuinalunen(イストゥイナルネン)と3つの単語が連続して出てきましたが、意味は全て一緒。木の板(lauteet)の上に敷く布のことです。
サウナの中では、木の上に直接座ることは絶対にお勧めしません。板は高温になっているので下手をすれば火傷します。なので布を板の上に敷くか、水着を着用してサウナに入りましょう。
saunatuoksu(サウナトゥオクス), löylytuoksu(ロウリュトゥオクス)
saunatuoksu(サウナトゥオクス), löylytuoksu(ロウリュトゥオクス)は、最右アの湯気に香りを付けるためのもの。サウナでアロマを楽しみたい人には必須のアイテムです。
石に水をかける=heittää löylyäするときに、水に数滴まぜて使います。
僕は使ったことがないのですが、ローズマリー、ミント、タイム、松など香りは様々で、サウナの雰囲気が変わって楽しくなりそう。なんとサルミアッキの香りもあるみたいです……!
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サウナの外編
avanto(アヴァント)
最後にフィンランドならではのサウナの楽しみ方を。
冬のフィンランドでは湖が一面氷に覆われます。その氷に穴をあけて泳げるようにしたのがavanto(アヴァント)です。サウナで体を温めた後は、このavantoに飛び込んで泳ぐavantouinti(アヴァントウインティ)を楽しんでみましょう。
一瞬死ぬかと思うけど、その後病みつきになりますよ。僕も心臓が止まるかと思いましたが(水底に足着かないし)、サウナと凍った湖の間を結局5、6回往復しました。
以上、フィンランド語のサウナ・ボキャブラリーでした! 日本にいた時のように毎日お風呂に浸かることはできないフィンランド生活。サウナはリラクセーションの場であると共に、交流の場でもありました。
一週間以内の短い旅行でも、宿泊施設であればサウナは必ずついていますのでぜひ利用してみてください!
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