こんにちは。めいげつです。

僕らは日本語を母語として使用する、いわば日本語のネイティブ。僕らネイティブは、日本語の文法なんかを態々理論的に勉強せずとも、無意識に日本語を使うことができます(まあ頻繁に間違いますが)。

ですが日本語ネイティブではない人にとって、日本語にはあらゆる難しい点があります。数詞がその一つです

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数詞とは?

まず、「数詞」とは何なのか見ていきましょう。

すう-し【数詞】

(numeral)数量を量り、または順序を数えるのに用いる語。前者は1・2・3あるいは1個2個3個の類(基数詞という)、後者は1番・2番・3番あるいは第1・第2・第3の類(序数詞という)。

『広辞苑 第六版』©岩波書店

「数詞」と「数字」は異なります。数字とはよくいうナンバーで1234567890……のことですが、「数詞」というと文法上の用語になります。濁点一つの違いですが、かなり異なるんですね。

英語ではone、two、three、序数詞ならfirst、second、third。日本語には序数詞という独立した概念はありません。

日本語の数にはそもそも2通りある

2種類の数字の写真
B360RidingShirts / Pixabay

日本人は知らず知らずに使っていて意識していない人が少なからずいますが、そもそも日本語の数字には2種類あるのです。

一つは大和言葉に由来するもの。ひ、ふ、み、よ……というもので、もう一つはおなじみの漢語に由来するもの。いち、に、さん、し……ですね。

今は漢語由来のが圧倒的に一般的ですが、ちゃっかり大和言葉のものがまざったりしていますね。四と七は、下から数え上げるか上から下がっていくかで「し」と「よん」、「しち」と「なな」が違ったりしますね。

試しに一から十まで数えるときと、十から一まで数えるときで、「四」と「七」の発音がどうなっているか気にしてみて下さい。

……とはいっても大和言葉の数字が廃れたわけではなく、助数詞によっては(「つ」「人」など)大和言葉の方が優勢の場合もあります。このごちゃ混ぜ感も、統一的な数字体系をもつ西欧語話者(僕は西欧語しか知らないので……)には難しそうに感じますね。

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数が多くて非常にややこしい助数詞

日本語には助数詞という概念がありますね。同じ発音でも順番を表す「序数詞」とは異なります(こっちは順番を表す数詞で、日本語にはありません)。

助数詞とは、たとえば「一枚」の「枚」とか、「一個」の「個」、「一匹」の「匹」など数字の後ろにくっつくもので、後ろに続く(=修飾する)モノがどんなモノかによって使い分けます。

今あげた例だと、薄くて面積のあるものなら「枚」、小さめの動物には「匹」を使います。「個」はあまり大きくなければ色々なモノに使えますね。

もちろん英語にも、sheetとかpieceといった単語があります。不可算名詞(物質名詞)に対してsheet of paperとかpiece of informationという言い方をしますね。

ただし「sheet」という単語じたいが普通の名詞として扱われている感があるので、これらを「助数詞」と呼ぶのかは微妙です。

さて日本語の助数詞ですが、何が大変かと言うとその数。日本語の助数詞は本当に数が豊富で、これも日本語を学ぶ一つの障壁となりそうです(もっとも最近はある程度簡略化されて「つ」とか「個」が良く使われますが)。

本、冊、枚、匹といった日常でよく使われ比較的分かりやすいものから、封、尊、柱などあまり使われないため日本人でも「?」となるものまで。

ウィキペディア情報ですが、日本語には500もの助数詞があるそうです。さすがに500種類全部は使わないとはいえ、普段使うものだけを覚えるのでも大変。外国語として学ぶとなると厄介なことこの上なさそうです。

「男一匹」みたいに一見正しくなくても特定のニュアンスを表すために使われたり。最早何でもありですね。

助数詞によっては発音が変わることもある

AlešHáva / Pixabay

前の項で解説した助数詞には、数の多さに加えて、もう一つ非常に厄介な特徴があります。

それが、発音が変わること。助数詞によって、また助数詞の前に来る数字によって連濁や音便といった現象が起き、発音が変わってしまうのです。

代表的なのが「匹」。一匹、二匹、三匹……と数えていきますが、「一匹」と「三匹」の場合では、「匹」の発音がそれぞれ「ぴき」と「びき」となっていて、どれも発音が違います。

「一匹」に関しては「一」も「いち」ではなく「いっ」と発音しますよね。それに合わせて「匹」も「ひき」のままでは発音しづらいため「ぴき」になってしまいます。

音便や連濁が起きる助数詞はほかにも、

  • 個:一個(いっこ)、六個(ろっこ)、八個(はっこ)、十個(じっこ/じゅっこ)
  • 本:一本(いっぽん)、三本(さんぼん)、六本(ろっぽん)、八本(はっぽん)、十本(じっぽん/じゅっぽん)
  • 杯:一杯(いっぱい)、三杯(さんばい)、六杯(ろっぱい)、八杯(はっぱい)、十杯(じっぱい/じゅっぱい)

……など。他にも多くの種類があります。

こうしてみると、「一」「三」「六」「八」「十」がつく場合に発音が変化することが多いようです。

それに人によっては上に挙げた以外の発音をする方もいらっしゃいます(三杯→「さんばい」ではなく「さんはい」とか)ので、日本語を学ぶ人にはとても厄介なものだと感じます。

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数字を置く場所が違う

赤リンゴと青リンゴの写真
StockSnap / Pixabay

そして最後に、意外と気づかない数詞の落とし穴。「数詞を文のどこに置くか」という問題です。

西欧語では、I bought two apples.のように名詞(apple)の前に数詞(two)を置きますよね。

「日本語でも『2つのリンゴ』みたいに前に置くやろ」と思うかもしれません。では、このI bought two apples.を日本語にどう訳しますか?

「私はリンゴを2つ買った」となりませんか。買いましたでも買ったぞでもいいのですが。数詞(2つ)が名詞(リンゴ)の後ろに来る訳になりませんか?

ですが僕の経験では、日本語を学んでいる外国人(まあ自分の経験では大半が欧米人)は「私は2つのリンゴを買いました」と訳す人がすごく多いです。あくまで個人的な印象なのですけども。

ただのtwo applesなら「2つのリンゴ」でもいいかもしれませんが、動詞を含んだ文だと、数詞が名詞の後ろに来た方が自然になったりしますよね。

(個人的には、動詞を含まない文でも、「2つのリンゴ」というより「リンゴが2つ」と数詞を後ろに置いた方が僕には自然に聞こえます。「2つのリンゴ」っていうと何だか絵本の題名のように聞こえませんかね?)

これって欧米系の原語にはない特徴ですよね。少し例を見てみましょう。

  • 英語:I bought two apples.
  • フランス語:J’ai acheté deux pommes.
  • ロシア語:Я купил(а) два яблока.
  • フィンランド語:Ostin kaksi omenaa.

太字が数詞=2つで、下線字が名詞=リンゴです)

基本的にどれも、名詞の前に数詞が来る形になっていますね。これになれた西欧語ネイティブにとっては、数詞が副詞的に名詞の後ろにくるのは

フランス語は中性名詞enを使ってJ’en ai acheté deux.のように代名詞と化した名詞の後に数詞が来ることもありますが、これはまた別の話。

まとめ

以上、日本語の数詞が複雑すぎるポイントを紹介しました。

外国語には、自分の母語とは全く違った特徴があって、厄介ではありつつも面白かったりしますよね。

日本語を勉強している方にはぜひ頑張って頂きたいです。

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