北欧と聞いて、最初に浮んで来るのがおそらくスウェーデンでしょう。人口も面積も、スカンジナヴィアでは最大を誇ります。

そのスウェーデンの首都ストックホルムは、美しい旧市街と、北欧最大の都市にふさわしく発展した市街が特徴的。そんなストックホルムを街歩きした感想を、写真でお送りします。

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ストックホルム基本情報

ストックホルム(Stockholm)は、北欧にあるスウェーデン王国の首都。

スウェーデンの人口は990万人で、ストックホルムは約87万人。

スウェーデンは北欧5カ国の中で人口&面積ともに最大の国で、ストックホルムは北欧で最大の都市になります(もっとも、グリーンランドを含めたらデンマークが最大ですが)。

世界最北の首都の1つで、アイスランドのレイキャヴィーク、フィンランドのヘルシンキ、ノルウェーのオスロ、エストニアのタリンに次いで北にあります。

南北に長いスウェーデンの中では南の方に位置しており(北国では典型的)、国内では温暖な気候といえるでしょう。

空路でのアクセスなら、北側から観光スタート

スウェーデンに飛行機で入国するなら、ほとんどの場合はストックホルムのアーランダ空港(ARN)に到着することになるでしょう。

ストックホルムのアーランダ空港にて

アーランダ空港は、ストックホルム市街の北およそ40キロのところにあり、市街へアクセスする場合は電車かバスで行くことになります。

電車の場合はアーランダエクスプレスという列車が運行しており、市街地まで20分程度でアクセスできます。運賃は149クローナ。

僕はバスで行ったのですが、市街地までは45分ほどかかりました。運賃は139クローナで、オンラインで予約するともう少し安く119クローナになるそうです。

正直時間を考えれば、アーランダエクスプレスが断然お得ですね。

いちおうアーランダ以外にもブロンマ空港という、市街地にもっと近い空港があるのですが、便数はかなり少ない印象。

ストックホルム中央駅
ストックホルム中央駅。
ストックホルム中央駅外観
ストックホルム中央駅の外観

ストックホルム中央駅は、旧市街ガムラスタンの北の対岸にあります。ガムラスタンへ渡る橋へは中央駅からすぐです。

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狭くて迷路のような、可愛い旧市街・ガムラスタン

ストックホルムの観光スポットといえば、何といっても旧市街・ガムラスタン(Gamla Stan)。

ストックホルム中心部に浮ぶ小島の上に、ガムラスタンはあります。

ガムラスタンはストックホルム随一の観光地なだけあって、可愛らしい街並みが特徴。

ストックホルムのとある街角

ガムラスタンの外縁から。まさにヨーロッパの街という感じの佇まいです。

ストックホルムのとある街角

こんな風に道がカーブして行っているのも、中世の街らしさを感じます。

狭い道幅、高さのある建物が並ぶ通り

ガムラスタンの路地は結構狭いところが多くて、ある程度高さのある建物が並んでいるところが多い印象。

なので、けっこう狭苦しさを感じます。それもまた、非日常の空間に迷い込んだ感じがして楽しいです。

人の少ないストックホルムの通り
ストックホルムの教会への狭い通り

旧市街は意外と起伏がある

ガムラスタンを歩いていると、決して平たんな地形ではなく、意外と起伏に富んでいることがわかります。

一つ前の教会の写真を見てみても、上り坂になっているのが分かるでしょう。

ストックホルム旧市街の大通り

ガムラスタンでは比較的大きな通り。写真の奥に行くにつれて下って行ってますね。

ストックホルムの聖ジョージの像

ドラゴン退治をする聖ジョージの像があるところでは、こういう風にガクッと高さが変わっています。

隣国フィンランドの首都ヘルシンキの中心部は道幅が広い&わりと平坦な場所が多いので、その対照が面白いです。

旧市街の中心の広場Stortorget

旧市街ガムラスタンの中心には、Stortorgetという美しい広場があります。

ストックホルムの広場

東山魁夷の絵画にも描かれた、カラフルな建物が並んでいます。なんだかおもちゃの国に来たみたい。

この広場にはお土産屋さんやレストランが並びますが、その中心にあるのが、ノーベル博物館

ストックホルムのノーベル博物館

有名な話だと思いますが、ノーベル賞で知られるアルフレッド・ノーベルはスウェーデン人。

彼自身はダイナマイトを発明し、巨万の富を得たとされます。ノーベル賞は、彼の遺言にもとづいて設立されました。

ノーベル博物館では、過去の受賞者やその実績、ノーベル自身についての展示を見ることができます。

ストックホルムの観光名所、ガムラスタンの中心Stortorget

重厚なおもむきの王宮と議事堂

ガムラスタンの北岸にどっしりとたたずむこの重厚な建物が、ストックホルム王宮

ストックホルム高級の外観

そういえばスウェーデンは王国なので、もちろん王様がいるわけですね。ふだんはストックホルム郊外のドロットニングホルム宮殿に住んでいるようですが。

ちなみに北欧(=スカンジナヴィア)の5ヶ国のうち、スウェーデンとノルウェー、デンマークの3ヶ国が王政を採用している王国ですね。

フィンランドと、大陸から遠く離れたアイスランドの2ヶ国が共和国。現代では王国よりも共和国の方が多いので、王国と聞くとなんだか不思議な感覚になります。

まあ日本も、広い意味でいえば王国と言えるかもしれませんが。日本には大統領もいないですし。

ストックホルムの王宮
ストックホルムの議事堂

こちらはスウェーデンの国会リクスダーゲンが入る議事堂。こちらも重厚な趣きで、どっしりと構えています。

議事堂はガムラスタンの北側にある小島に立っていて、ガムラスタンから短い橋をあたってアクセスします。

旧市街の中心にあるドイツ人教会

ガムラスタンの狭い路地を歩いていると、きれいなゴシック様式の教会が見えてきます(先ほどの写真にも映っていました)。

ストックホルムのドイツ人教会

ドイツ人教会(Tyska kyrkan)というプロテスタントのルーテル派の教会です。ルーテル派と言えば、北欧諸国の伝統的な宗派ですね。

ストックホルムのドイツ人教会

ステンドグラスと装飾が印象的な教会でした。

ストックホルムのドイツ人教会の中

僕がストックホルムを訪れた日は実は……

僕がストックホルムを訪れたのは3月の中旬ごろでしたが、偶然、ある有名な祝祭日に当たっていました。

それが、聖パトリック祭(St Patrick’s Day)。セント・パトリックス・デー。

聖パトリック祭で人で一杯のストックホルムの通り

緑の帽子や洋服を身に着けていた人々が大勢、通りを闊歩していました。

人で一杯のストックホルムの通り

聖パトリックと言えばアイルランドの守護聖人。アイルランドの国旗もいたるところで見かけました。

まあスウェーデンにはあまり関係ない祝日だけれど、聖パトリック祭は世界中で祝われていますよね。これだけ人が集まっていると、おおっとなります。

水との距離が近い、「水の都」

ストックホルムは「水の都」と呼ばれるほど、市内に運河などの水系が多く、また同じ水の都繋がりで「北方のヴェニス」と呼ばれることもあるんだとか。

ストックホルムは水が多いので海に面した町と勘違いしそうですが、ストックホルムはメーラレン湖という湖のど真ん中にある町です。

まあ、ストックホルム周辺は島が多く水辺が複雑な選を描いているので、湖や川をどう定義するかで変わってきそうですが。

ストックホルムの水に面した場所
オステルマルム地区にて

旧市街ガムラスタンは島の上にあるので、対岸にあるストックホルム中央駅からアクセスするときは橋で川を渡ります。いや、ここは「湖を渡る」というべきでしょうか?

ストックホルム旧市街遠景
ストックホルム旧市街への橋
ストックホルム歌劇場の前の水

スウェーデン王立歌劇場の前。

ストックホルムの水路にいる鳥たち

水鳥たちがいました。

ストックホルムの議事堂そばの運河

こんな風に、町の中心を運河が通っていたりします。

ちなみにこの写真の奥に移っているのはリッダーホルム教会。ガムラスタンの西側にある質実剛健といった趣の教会で、歴代のスウェーデン王が埋葬されているそう。

ストックホルムの教会

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ガムラスタンの北側の地区を歩く

ストックホルムの観光地と言えば、島の上の旧市街ガムラスタン。

だけど、ガムラスタンの北側のノルマルム地区やオステルマルム地区にも、いくつかめぼしい観光スポットがあります。

この辺りはガムラスタンに比べて新しい建物が並んでいるので、ガムラスタンと対比させるのも楽しいですね。

ストックホルムの聖ヤコブ教会

真っ赤に塗られた鮮やかな外観が印象的な教会は、聖ヤーコブ教会。スウェーデン王立歌劇場のすぐ裏にあります。

中でオルガンのコンサートをやっていました。そういえばこの近くにあった、Wokhouseというタイ料理のスーパーオシャレなお店でランチをとりました。

モダンな内装がすごくシャレオツなお店でした。味も悪くなかったように記憶しています。

そういえばこのWokという単語、北欧でアジア系のレストランの名前によく見かけるんですよ。

Wokって何だろうなと思って調べてみたら、中華鍋のことだったんですね。

ストックホルム歌劇場の前の水

先ほどのこの水辺の写真に少し映り込んでいるのが王立歌劇場です。

ストックホルムの王立ドラマ劇場近くの街角
ストックホルムの王立ドラマ劇場

王立ドラマ劇場(Dramaten)。18世紀に建てられた王立劇場。古典作品から現代の劇、若者や子供向けのものまで幅広く行っているみたいです。

ストックホルムの王立ドラマ劇場
ストックホルムの水に面した場所
オステルマルム地区にて

次の項目で出てくるヴァーサ号博物かんのある島に行くならこの地域は必ず通るので、そこへ行きつつ観光地をちらちらっと見ていくといいですね。

天気のいい日に水辺を歩くのはとても気持ちが良かったです。

ヴァーサ号は圧倒的スケール感

ストックホルムで僕が個人的におすすめしたいのが、中心街東部のユールゴーデン島にあるヴァーサ号博物館(Vasamuseet)。

50年前にバルト海の底から引き揚げられた、17世紀の戦艦ヴァーサ号が展示されています。

ストックホルムのヴァーサ号

入った瞬間に感じるのが、ヴァーサ号のこの圧倒的威容。この巨大な木造の戦艦を間近で見られます。

もちろん大きさは現在のクルーズ船やタンカーなんかの方が全然大きいんですけど、ほぼぴったり400年前に造られた木造船だというのが、この船の存在感を強くしているように思えます。

ストックホルムのヴァーサ号
ストックホルムのヴァーサ号

ヴァーサ号の周囲には通路が設けられていて、しかも複数階構成になっていて、色々な角度からヴァーサ号をつぶさに眺めることが出来ます。

もうそれが面白くて面白くて、そこかしこに書いてあった解説の内容なんかほとんど覚えていないレベル(閉館ぎりぎりに入ったのであまり時間内のもあった)。

島内には他にも博物館がある

ストックホルムの北方民族博物館
北方民族博物館

ちなみにヴァーサ号博物館のあるユールゴーデン島には、野外博物館スカンセン(Skansen)や、北方民族博物館(Nordiska Museet)といった興味深い博物館がいくつかあります。

ストックホルムのスカンセン
スカンセン

スカンセンは広大な敷地の中に、スウェーデンの伝統的な家屋の展示があったり、動物園があったりする総合博物館のような感じです。

北方民族博物館は残念ながら時間がなくて行けなかったので、またの機会に……! 名前からしてすごく面白そうな分、行けなかったのがかなり悔しい。

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ストックホルム地下鉄には改札がある

ストックホルムの地下鉄(メトロ)は、ストックホルム市民だけでなく、観光核にとっても便利な交通の便。

中心街から少し離れたホテルに泊まった僕らは、よくメトロを利用しました。

ストックホルムの地下鉄の駅

そんなストックホルムの地下鉄にある、とある特徴というのが……

そう、改札があることです。

「何を当然のことを言っているんだ」と思うかもしれません。が、これ、ヨーロッパではけっこう珍しいですよ。珍しくて写真とっちゃったくらい。

実はヨーロッパの地下鉄や鉄道の駅では「信用乗車方式」とか「チケットキャンセラー方式」と呼ばれる方式が採用されていて、駅に改札がない場合が多いのです。

なので最悪、チケットを買わずとも乗車ができてしまいます。そのため係員がたまに抜き打ちチェックをし、無賃乗車が発覚した場合は多額の罰金が科せられます。

僕は北欧と東欧を中心に20ヶ国訪れてまして、今のところ改札の付いたメトロの駅を見たのは、ここストックホルムと、ポーランドの首都ワルシャワだけでしたよ。

元・監獄!? ストックホルムのおもしろホテル

僕がストックホルム滞在中に泊まったのが、Långholmen Hotell Stockholm(ロングホルメン・ホテル・ストックホルム)

中心街の西の方にある、ロングホルム島にあるホテルです。

個々の何が面白いかというと、以前は監獄だった建物をそのまま使っているところ。

ストックホルムの監獄ホテル

これが廊下の様子ですが、この殺風景さがなかなかいい味出していますね。

残念ながら部屋の写真は撮っていないんですが、一番安い部屋をとったのもあってかなり小さな部屋でした、何だかちょっとした監獄気分(?)を味わえました。

少し不便だったのは否めませんが、まあベッド等の基本設備をそれなりのスペースがあれば基本充分なので。興味のある方はどうぞ。

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ストックホルム観光に便利なサイト

いかがでしたでしょうか。今回は、北欧最大の都市・スウェーデンの首都ストックホルムの街歩きのようすを写真でお届けしました。

最後に、ストックホルム観光の際に便利なサイトを並べておきます。

ストックホルムの現地ツアー

夜のストックホルム旧市街の通り
夜のガムラスタン