こんにちは。めいげつです。
フィンランドの北部地域・ラップランド。オーロラやサンタクロース村で有名なこの地域には、毎年冬限定である建物が出現します。
それが雪のお城・ルミリンナ(Limilinnna)。ボスニア湾の最奥部にある都市ケミに出現する雪の城の様子を写真でお届けします。
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ラップランド・ボスニア湾に臨む町ケミ
ケミ(Kemi)は、フィンランド北部のラッピ県にある都市です。フィンランドの西にある海・ボスニア湾を臨む場所に位置しています。スウェーデンとの国境に近い地域です。
ボスニア湾はフィンランドとスウェーデンの間に入り込むようにな形の、南北に長い海。ケミはその最奥部にあるような感じの位置にあります。
人口は2万3000人ほど。フィンランドでは中くらいの規模の都市でしょうか。フィンランドを代表するメタルバンド、ソナタ・アークティカのボーカリスト・トニー・カッコの出身地でもあります。
ルミリンナとは?
ルミリンナ(Lumilinna)とは、1996年から毎年造られ、冬から春先にかけて期間限定で公開される、雪と氷のみで造られた世界最大級のお城。現在は、ルミリンナの一部が一年を通じて公開されている模様。
ルミリンナとはフィンランド語でそのまま雪の城という意味。ルミ(lumi)が雪でリンナ(linna)が城。
チケットは大人17ユーロ、4-11が10ユーロ。僕が行ったときは日本円で1500円程度だったはずので、値上がりしたのかな。
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ルミリンナの内部
こちらがルミリンナの入り口周辺の外観。
雪の城と言えば『アナと雪の女王』のエルサが作り上げた壮大な氷の城を思い起こさせますが、さすがにそこまでの壮麗さはありません。
でも雪と氷だけでこれだけの規模のものを作り上げたのですから驚きです。
私が行った3年前(2017年冬)は、フィンランドが独立100周年を迎えた年だったので、ところどころフィンランドのナショナリズムを感じる作品がありました。
たとえばこれは、フィンランド独立100周年の公式ロゴ。
こちらは入り口のすぐ裏側。この剣で自分の頭を串刺しにしているように見えるライオンは、フィンランドの国章です。
スカンジナヴィアの国々はライオンを国章に採用しているところが多く、フィンランドもその例に漏れません。
こちらも有名な絵ですね。フィンランドの独立と切って離せない、とても象徴的な絵です。
主に19世紀後半から末にかけて活躍したフィンランドの画家エドヴァルド・イストの『攻撃(Hyökkäys)』というタイトルの絵を模した彫刻です。
フィンランドを女性の姿に擬人化したスオミネイト(Suomineito)が、ロシア帝国を象徴する鷲に「攻撃」されている姿を描いています。
フィンランドの人々は、フィンランド大公国時代つまりフィンランドがロシア帝国の領土だった時代の最後のほうは「ロシア化」政策の圧政に苦しみました。
その後第一次大戦の敗戦とロシア革命を経て、フィンランド共和国として独立します。
ルミリンナの楽しみ方は、何も歩き回って彫刻を眺めるだけではありません。
ルミリンナの内部にはカフェやレストランもあり、歩き疲れたらここでコーヒーやマルドワインをすすりながら一休みできます。
各テーブルにもフィンランドの国旗がはためいています。ここにも「フィンランド独立100周年」というテーマを感じますね。
ヘルシンキのシベリウス公園にあるシベリウス・モニュメントを模した氷の彫刻もありました。
シベリウスも『フィンランディア』や『カレワラ組曲』、『トゥオネラの白鳥』などを作曲しナショナリストたちに多大なインスピレーションを与えた人物ですね。
チャペルのような部屋もありました。ルミリンナでは結婚式をあげることもできるそうです。
チャペルの席もちゃんと氷でできています。もちろん座るところは氷じゃないですけど。
ルミリンナの裏側に出ました。ルミリンナ全体を歩き回るのにはそんなに時間はかかりません。
どうやら出口の真上に人がいますね。
僕が訪れた時のルミリンナでは、出口周辺が滑り台になっていました。
1~2人くらいが乗れる丸い乗り物(写真の左下の方で人が運んでいるのですが、見えますでしょうか)に乗って、この坂道を滑ります。早すぎないくらいのちょうどいいスピードで、いい感じに楽しい。
ルミリンナに泊まれる
ルミリンナには、実は泊まれるのです。
氷のホテルといえばスウェーデンのユッカスヤルヴィにあるものが有名ですが、ケミのルミリンナの中にもスノーホテル(SnowHotel)という宿泊施設があり、雪のホテルで一夜を過ごすことが出来ます。
CNNトラベル(CNN travel)の「死ぬまでに滞在してみたい9つのホテル(2018年)」にも選ばれた、ユニークなホテルです。
ホテルの一室は、設備という点ではシンプルなもの。各部屋に雪で出来た精巧な彫刻がなされています。
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ケミの現地ツアー
凍った海の上を滑って沖合の島へ
フィンランドでは、冬の時期にボスニア湾が凍り付いてしまうので、その上を通ることが出来ます。
たとえオウルという都市の近くにあるハイルオト島では、凝った海の上に車道が整備され、車に乗って本土から島の間を行き来できるとか。
同じボスニア湾に面した港町ケミでも、目の前の海が一面凍りづけになり、その上に雪が積もった状態になります。
凍った海の上は自由に歩くことができますが、無論氷が薄いところは危険なので注意が必要です。僕はこれでヒヤっとしたことが何度もありました。マイナス何十度の海に落ちずに済みましたが。
僕が訪れた時は、写真のような乗り物が1000円くらいでレンタルできました。ソリなのかスキーなのか微妙な感じの、足で蹴って進む、いわばキックボードのような乗り物でした。
これに乗って、海を颯爽と滑っていきます(実際はけっこう進むのがタイヘンで、全然「颯爽と」という感じじゃなかったんですが)。僕はこうして沖合にある島まで滑っていきました!
たまに同じ乗り物に乗った人とすれ違うものの、基本的には人っ子ひとりいません。周りには広々とした、雪に包まれた大海原が広がるのみです。
ケミの沖合にあるセルカサーリ(Selkäsaari)という島に来ました。滑っても滑っても景色がほとんど変わらに海の上と違い、森の中を滑るのは楽しいです。
僕はラップランドのサーリセルカでクロスカントリースキーをやったことがあって、その時と同じような感覚でした(特別な装備が必要ない分、こっちの方が手軽ですよ!)。
ケミの沖合には島がもう一つあるのですが、僕はその日の夜にオーロラ観賞のために、わざわざ海を歩いて渡って行きました(結局見れませんでしたが!)。
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