日本人にとって外国語と言えば真っ先に思い浮かぶのは英語だと思います。日本人に人気の外国語一位を飾るのはやはり英語でしょう。

が、何となくですが最近は、他の言語の人気も上がってきたのではないかと思います。英語だけでなく多(他)言語ですね。今回のテーマは多言語のオンライン辞書についてです。

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Wiktionaryとは?

英語やフランス語中国語などのメジャーな言語であれば、無料のオンライン辞書でもそれなりに質の良いものはすぐに見つかります。

英語ならWeblio和英英和辞書等、Macmillan Dictionary(2023年6月30日を以て終了)やMerriam-Webster等の英英辞書など。フランス語でも、仏英ならCambridge DictionaryCollins Dictionary、仏仏辞典ならInternauteLarousseなど大手の辞書があります。

メジャーな言語でないものを勉強している人にとって、辞書を見つけるのも一苦労だったりしますよね。

日本語で読めるページはかなり限られてきますが、英語がすでにできる人ならより一層便利。英語がそこまでじゃないという人にとっても英単語を同時に覚えたりもできます。

そこで活躍してくれるのが英語版Wiktionary(ウィクショナリー)。

ウィクショナリーとは、あのWikipedia(ウィキペディア)で有名なウィキメディア財団が運営している無料のオンライン辞書サービス。ウィキペディアの姉妹プロジェクトだそうですね。

ここまで言えばもうお分かりかと思いますが、Wikipediaは様々な事柄の情報が載っている百科事典であるのに対して、Wiktionaryは単語の意味を調べるための辞書。これがWikipediaとWiktionaryの違いです。

似たような名前のサービスですが根本が違います。

百科事典には「食べる」とか「行く」といった単語の意味は基本載っていませんし、辞書には「太平洋戦争」とは「グリコーゲン」の詳しい情報はあまり載っていないかと。

さて話を本題に戻しましょう。英語版Wiktionaryは色々な外国語を学んでいるいわば多言語学習者にとってものすごく便利なツールなのです(日本語版ウィクショナリーもありますが、ページ数が少ないのでおすすめしません)。

次からは多言語学習者が英語版Wiktionaryを使ってみるべき3つの理由を紹介します。無料なのに便利過ぎてびっくりしますよ。

①カバーしている言語の数が段違い

まずはWiktionaryの対応言語の多さ。

英語やフランス語(ここには載せていませんが)はもちろんのこと、日本語のフィンランド語のエントリーもちゃんとあります(画像をクリックすると大きめの画像が表示されます)。

ラトビア語とか。

聞いたことのない言語まで。チューク語という、ミクロネシアのチューク諸島という場所ではなっされている言語だそうです。マニアック。

Wiktionaryは対応言語が豊富。どこかの国の公用語になっているような言語ならばほぼ全て対応しています。そうでない言語も対応しているのもスゴいところです。

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②英語で単語を検索すれば、多言語の翻訳縦断検索ができる

多言語に対応していることにはこんないいこともあります。

英語で単語を検索してみると、「Translations」という項目があるのですが、意味ごとに他の言語への翻訳がリストアップされているんです。それも語によってはかなりの数。

たとえば「read」で検索してみます。

ココです。意味ごとにいくつかのボックスに分かれています。

試しに「Translations」内の一番上にあるボックスを開いてみると、

こんな風に多言語の翻訳がたくさん出てきてきます。圧巻でしょう、このリストの大きさ。アフリカーンス語から始まりベンガル語、中国語、マルタ語からロシア語などなど……多すぎて目的の言語を探すのにも骨が折れてしまうくらいです。

これだけの数の言語を一気に網羅しているので、「この言葉フランス語とフィンランド語で何だったっけ……」なんて時にも便利です(余談ですがFrench=フランス語とFinnish=フィンランド語は両方Fで始まるので、すぐ隣り同士にあって探しやすいんですよね)。

③変化形から原形を探し出すことも可能

動詞の意味を調べたいけどの原形が分からない? ご心配いりません。

変化形のまま検索してしまえば、たいてい原形のページが検索結果に出てきます。言語や単語によっては、変化形1つ1つに個別のページが作られていて、そのまま原型のページにダイレクトで行くこともできます。

たとえばフランス語の文章を読んでいて、「lisent」という単語が分からないとしましょう。Wiktionaryで「lisent」と検索すると、

単語によってはこんな風に変化形個別のページが用意されていて、「lisentはlireの3人称複数の直説法現在形」か「 3人称複数の接続法現在形 」だよ、と動詞の原形を教えてくれるわけです。

こんな英語の文法用語なんか知らねーよという方でも、太字になっているリンク(この場合は「lire」)をクリックすれば原形のページに飛べるので、いちいち見なくとも大丈夫です。まあ、third-personとかpluralくらいの文法用語は知っておいて欲しいですが。

ほら着きました。lisentの原形lireのページです。「読む」っていう意味なんですねぇ(知ってた)。

このlisentのようにすべての変化形に固有ぺージがある訳ではないですが、大抵のページには変化表がちゃんと載っているので、変化形のまま検索しても大抵の場合検索結果の一番上に原形のページが出てきてくれます。

僕は複数言語を学び始めて数年が経ちますが、Wiktionaryにこういった便利な機能があるので、よくあるConjugation Dictionaryみたいな語形変化を調べる特別な辞書のお世話になったことはありませんでした。

ただ注意点として、変化形+何らかの接尾辞がついた形の単語なんかは、原形が割り出せないケースもあります。少しマニアックになりますが、たとえばフィンランド語のような接尾辞が豊富な言語です。autoissaの原形は出てきてもautoissammekoは無理、といった感じです。

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まとめ:多言語学習者ならぜひ英語版wiktionaryを利用しよう

いかがでしたか。多言語を学習している方は、辞書を1つ1つ用意することも大変な手間だと思います。

オンラインで無料で使えて、そこそこのクオリティのあるWiktionaryを役立ててみてはいかかでしょうか。英語が苦手という方でも、使っていくうちに単語力がついていくはずです。

英語版Wiktionaryにアクセスする。