こんにちは。めいげつです。

大学生の皆さん、「レポートにWikipediaは使うな」と言われたことありませんか。

レポートにWikipediaを使って良いかどうか。それなりに白熱した議論が行われるトピックです。

結論からいうと僕はやはりレポートにWikipediaは使うべきではない、と思います。ただし引用しなければOKというスタンス。今からその理由をお話しします。

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レポートでWikipediaを引用するのは「小学生レベル」の行為です

赤ペンで英文を直している写真
3844328 / Pixabay

いきなり身も蓋もないことを言いました。でも正直本当だと思います。レポートでWikipediaを引用するのは、小学生レベルの行為です。

大学生の皆さんは、授業の課題でレポートを書きますよね。その時、サイテーション(引用)はかなり重要な位置を占めます。

サイテーションとは、レポートで言及した情報や主張の根拠となる文献やデータを示すこと。

つまりこの文献からこの情報を得たよ、と情報源を明示すること。これくらいは大学生には常識ですね。

これをやらないと「剽窃(plagiarism)」、つまり情報の盗用にあたります。剽窃を行った学生には、場合によっては退学レベルの厳しい罰則を受けることになります。

ふつう引用するのは、大学の図書館の図書館にあるような書籍でしょう。

紙の書籍ではなくても、民間企業や政府機関、国際機関などがWeb上で発表している、PDFファイルのような電子的なデータを使う人も多いかと思います。

ただ同じ電子的データとはいえ、フリー百科事典のWikipediaは、その情報量にもかかわらず多くの教授が引用禁止としています。実際僕が在籍していた大学でも、ウィキペディアOKの教授は一人もいませんでした(ただし読み物として読むのはOK)。

たしかにWikipediaには大概なことなら載っているし、記事によってはすごく詳細に書いてあるものもあって、これが引用できたらすごい楽ですが……まあ僕は教授陣に賛成です。

僕も小学生の時に、調べ物をする時なんかはWikipediaを使いました。

それでも、これからお話しする理由を考えて頂ければ、小学生レベルと言うのも納得かと思います(なんで幼稚園児じゃなくて小学生レベルなのかという説明はできないけど)。

※このブログでも、手元の辞書などで適当な定義などが見当たらない場合Wikipediaを引用したりしていますが、卒論などのアカデミックな文章では絶対やりませんよ。

なぜWikipediaを引用したらダメなのか?

では、なぜWikipediaの引用はダメだとされることが多いのか?

不特定多数の人が編集できる

Wikipediaの最大の特徴として、不特定多数の人が記事を作成・編集できることがあります。

それゆえ、たとえ専門家でない人でも、書こうと思えば適当に情報が書けます。間違った情報だって書こうと思えば平気で書き込めます。

これも不特定多数の人によって記事の内容の真偽がチェックされるため、荒らしや間違った情報は即刻消されるか直されます。そういった効果も期待できるのも事実です。

が、次の理由でそれでもダメでしょう。

そもそも編集が可能である

これはあくまで僕の見解ですが、そもそも「内容がいつでも変えられる」時点で信憑性がかなり怪しくなるのでは、と思います。

もし編集可能なサイトをあなたが引用し、レポート読んだ先生が情報源を確認しようとしたところ、あなたが引用した文やデータが編集されたり、削除されていたら?

これだとレポートに書いた情報の根拠や事実確認ができなくなり、少なくとも誰かが証明している事実なのか、はたまた筆者の頭の中だけの話なのかの区別が不可能になります。

これではレポート再提出ですね。

なのでWikipediaに限らず、ネット上のありとあらゆるウェブサイトはアウトでしょう。政府や国際機関のサイトでも、内容が編集されたりリンク切れになる可能性もあるのでグレーゾーンかと。

一方で論文というのは出版されたら書き直せません。よってある種の権威性だったり安定性があります。出版するほうも何度も確認したり査読にかけたりします。なので情報の信ぴょう性が高いといえますね。

ただのアナログ至上主義じゃないわけです。

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でも、全ての電子データがダメなわけじゃない

しかしデジタルのものでも、PDFのような形式で公開されているものは大丈夫。

RoutledgeのTaylor & Francisとか、Elsevierといった電子ジャーナルや、はたまた国際連合などの機関が公式サイト上に掲載しているデータなどがあたります。

PDFはローカルで文字情報を変更できても、おおもとの内容は変わらないので心配いりません。

自分がローカルでPDFを改変したところで、講師が大元のデータををあたれば改変されていないデータが見つかります。

実際に僕も、PDFの論文やデータは卒論で使いまくりました。

というわけで、ネット上にある、安易に内容を変更・削除できるものは、Wikipediaを含め使わないようにしましょう。

もう小学生ではないんだから、自分が利用する情報が信頼に足るかどうかは、ひとつひとつきっちり見定めるべきです。

レポートを書く上でのWikipediaの使い方

積まれた百科事典の写真
klimkin / Pixabay

さて、ここまでWikipediaを含めたウェブサイトは引用しないほうが良いという話をしてきました。

ただ、「レポート課題をやる時には、Wikipediaを一切使ってはいけない」と言いたいのではありません。

Wikipediaを直接情報の拠り所とするのではなく、情報収集の入り口として利用すれば良いんです。

やり方としては、

  1. 記事の下の参考文献を見る
  2. 参考文献に乗っている文献をあたる
  3. その文献を引用する

まずは1から。

Wikipediaの記事には、末尾に「脚注」とか「参考文献」として記事をっ買うのに利用した文献のリストが載っているものがあります。

ふつうの書籍から、ウェブ上で入手できる論文、はたまたウェブサイトなど。

特に英語版では、かなりの頻度で参考文献が載っています。「References」とか「Further reading」という項目を見てみてください。

Wikipediaの文章中に、[1]とか[2]といった上付き文字を見かけた人はいませんか? じつはそれをクリックすると、参考文献リストの該当する文献にジャンプできるので便利。

なのでまずWikipediaで気になる記述があったら、参考文献がないかみて、あったらその文献をあたってみましょう。大学の図書館やデータベースで大概のものなら見つかると思います。

なければ国立国会図書館にでも行ってみましょう(関東の人限定だけど)。

図書館にない電子データでも、もしかしたらGoogle Scholarで公開されていたり、 ググってみたら無料アクセスできるなんてこともありますよ。

「情報収集の入り口」という意味では、けっこう優秀な情報収集ツールなんじゃないかと思います。

ただし、いくつか注意すべき点が。

ウェブサイトはリンク切れになっていることもあるので注意。そもそも情報源となるサイトがもうなくなっているケースもあります。そんな場合はググるなどして探しましょう。

あとWikipediaも、意外と個人ブログのようなサイトを平気で引用していることがあります。そこはインターネットリテラシーを駆使して見分けてください。

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まとめ

以上、大学生がレポートでWikipediaを使っちゃいけない理由と、そんなWikipediaでもレポートづくりの際に有用なツールとなりうる、という話をしました。

アカデミックな世界では権威性っていうのが非常に重要なので、みなさんできるだけ権威のある、そしてなおかつ「後から内容の編集が効かない」ような媒体を引用しましょう。

現代は情報があまりにあふれかえっていて、ネット上の情報は玉石混交どころか石ばかりのようなものです。きちんと玉を見つけられるような審美眼を身につけていきましょう。

必ずしもWikipediaの情報が石だらけとは言わないけれど。とくに英語版。

余談:個人ブログも基本的にダメです

まあ上と同様の理由です。多数の人が関わっていないからさらにタチが悪いかも。

当ブログではよく内容がコピーされているようですが(Check Copy Contentsというプラグインから毎日のように通知が飛んでくる)、当ブログもレポートに引用しちゃダメですよ。

まあアフィリエイトサイトやブログを書く時くらいはいいと思うけど。

もちろん、僕も載せている情報はなるべく正確な情報を書くように、そして出典を明記するように努めています。が、間違っていることもあるかも知れません。人間だもの。

それに権威性も編集不可能性もあったもんじゃないですからね。

まあ、情報ブログでこんなこと書くのは自己矛盾なのですが。あくまでここは、アカデミックな権威性などないただの個人ブログです。

せいぜいご自身のブログやSNSアカウントで引用なりリンクを張る程度にとどめておいてください(引用のルールは守ってね)。

Header Image by 3844328 on Pixabay